宮島のゲストハウスで働いた話<幸せ絶頂編>
ゲストハウスで働くことが楽しくて仕方がなかったです。
そのうち【亀裂編】を書こうと思うのですが、そこを話す上で、先にもう少し、この仕事の魅力を話しておきたいです。
旅人たちが今回の旅でどんなことに感動したか、どんなことが印象に残ったか、それはもう100人いれば100人の視点や感性があるので、新鮮な発見があります。
例えば、
雨上がりのあまりスッキリしない天気の日、チェックインで初めてドアをくぐってきたアメリカ人の彼が、やたらニコニコしてるので、
「なにか良いことがあったの?」と聞くと、興奮気味に、「すぐそこで雲が山にかかってるのを見たんだ!ワオ!いま僕は日本にいるんだって感じていっぱい写真を撮ったよ!」
見せてもらったスマホの写真は、山に低くかかる雲というか霧というか。別に特別な光景ではないです。
とか。
例えば、
宮島を巡ってきた、これまた海外のゲストに、どんな写真を撮ったか尋ねると、たくさんある鹿や大鳥居の写真をザーッと飛ばして、「これ!」と言って見せてくれたのは、民家の車庫に軽自動車が停められてる画、でした。「日本は何もかもコンパクトだと思って!小さな車が小さなガレージに収まってて、思わず撮っちゃった」
とか。
こういうとき、私はお腹を抱えて笑ってしまいます。私の日常が、「私のゲスト」にとってエモーショナルな瞬間になっていて、それを彼ら彼女らの言葉で語ってもらえるって、すごい贅沢で、感動的で、愛おしくて、処理できずに笑いが込み上げてくるんです(笑)
そして、聞くだけでなく、私も負けじと熱く語るのは、大好きな広島の楽しい過ごし方を提案するときです。
「体力あるなら、このコースで山に登ってきたら途中ですごく良い景色が見れるよ」
「あのお店は混むけどお弁当はすぐ買えるから。今日は天気いいから、それを宮島に持っていって、鳥居を眺めながら食べたら最高だよ」
「知らない人が多いけど、この季節のこのお寺はとっても気持ちいいよ」
「カープの試合で点がは入ったときは「宮島さん」を歌うんよ!」
そして、出かけて帰ってきたゲストの満足そうな顔を見て、また感想を聞かせてもらって、
「ほーじゃろ、いいとこじゃろ、私の大好きな広島、うらやましいじゃろ」と、なぜか鼻高々になるのです(笑)
さらに、ゲスト同士がそうやってお互いの話で盛り上がって仲良くなるのを見て、悦に浸るのです(笑)
ゲストが楽しいと私も楽しい。
私が楽しいとゲストも楽しい。
もちろん私だけでなく、他のスタッフも同じです。
国境を越えたリピーターや、仕事を手伝ってくれる、もはやスタッフみたいな信者になるゲストも登場し、身体中から幸せオーラ全開の私でした。
こんな楽しいエピソードが死ぬほどあります!
「こんな楽しくて、勉強もできて、お給料ももらえるなんて、すごくない?」
そう本気で感じていました。
つづく。
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