子供に怒鳴ると、逆効果になるという話
我が家にはキンダー(小学校の最初の学年、日本で言えば幼稚園の年長さん)の双子がいる。双子と言っても二卵性なので見た目も性格も全く違う。そのうちの一人はルール大好きで勉強もよくするし、人と競争して勝つのが大好き。もう一人は生まれつきの自由人でマイペースでクリエイティブ。
この子が全然宿題をしない。パジャマ着て歯磨きしなさいと言っても無視して遊んでる。
夜、疲れてきてハイになって、妹もまじえて子供3人ではしゃぎまくり、最後は絶対に兄弟喧嘩になり、全員泣く。
このカオスの中で、親の私は1回優しくお願いしても無視され、2回め優しく諭しても無視され、3回め決められたことをやることのベネフィットを諭しても無視され、4回めちょっと怖めに注意しても無視され・・・何回目か忘れたけど、キレて怒鳴る。
というのを、冬休み中に繰り返していた。あまりに疲弊するし、怒鳴られるのも脳の発達によくないだろうと思う。
そこで困ったときのあの人、ということで心理学者Dr.PaulのYoutubeで解決法を探してみる。
この人はモルモン教の心理学者で、家族思いで優しげな人柄がビデオによく現れている。アドバイスもすぐ実践できるので、好きでよく見る。彼のチャンネルはLive On Purpose TVという。
彼によると、怒鳴るというのは、実は罰(やめてほしい行動をやめるモチベーション)ではなく、やめてほしい行動を助長する行動らしい。何かをやってほしいときに結局怒鳴ると、子供は怒鳴られるまでやらなくていいんだなと思って、怒鳴る前の優しく諭しているところは全く聞いていないそうだ。
怒鳴るのは自分のエネルギーを消耗するし、罪悪感も残る。でもこの「怒鳴るのは無駄どころか逆効果」という知識があると、面倒くさがりな私はもう怒鳴る気がしなくなる。無駄な事にエネルギーを使いたくない。
怒鳴らずにやってもらうにはどうすればいいかというと、「何かをやらないとどうなるか」という結果を、最初から提示すればいいのだそうだ。彼のおすすめは、最初に2つ選択肢を示すこと。たとえば、
「国語の宿題を先にやるか、算数の宿題を先にやるか、ママはどっちでもいいよ」
「今行くけど、自分の足で行くか、ママの足に乗って行くか、ママはどっちでもいいよ」
「部屋を片付けるか、誰かを雇って片付けるか、ママはどっちでもいいよ」
ポイントは2つあって、一つはどっちに転んでも現実的に自分が受け入れられる選択肢であること、そしてもう一つは、子供がどちらを選んでも、親もそれに従う事。
彼が子供に三番目の部屋を片付ける選択肢を与えるときは、「パパを雇ってもいいけど、僕の時給は200ドルだからね」と言うそうだ。そうすると子供はそんな大金払って片付けてほしくないから、自分で片付けるらしい。これは爆笑した。
早速、夜に疲れてはしゃぎまくっている子供に、「先にパジャマ着るか、歯磨きするか、どっちかして」って言ってみたら、2回目くらいで部屋に言ってパジャマ着て出てきた。すかさず「先に歯磨きするか、フロスするか、どっちでもいいよ」と言ったら、歯磨きとフロスしてた!
極めつけは、兄弟喧嘩中の二人に、「静かにママのことを待って一緒に本を読むか、うるさくして本を読まずに消灯するか、ママはどっちでもいいよ」と言ったら静かになった!
自分の感情を抑えて選択肢を考えるハードさはあるが、怒鳴るより楽である。
子育て中の皆さん、是非お試しください。
Live On Purpose TVのリンク
https://www.youtube.com/channel/UCiTdG02P4T9qa6gd3VKjbJA
Photo Credit: Pixaby
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