見出し画像

充実した日々の中からの、人生一番悲しい日

つるりんから、「人生一番悲しい日」そんな言葉が出るとは思ってもみなかった。

19歳結婚・20歳出産、20代は子育てに追われる日々だったという。
5年ほど前、ご主人の転勤がきっかけに引っ越し、子育ても落ち着いてきたので、慣れない土地で就活をし、彼女は大企業の心臓部で働くことに巡り会った。

ここから彼女の人生一番悲しい日へのストーリーが始まることになるとは・・・

画像3

結婚出産が早かったので、20代は社会で働くということから程遠い時間を過ごした彼女、就活でご縁があった部署は、ルーティンワークをするというような仕事ではなく、社内の様々な人とコミュニケーションをとりながら、プロジェクトを回していた。
今までいくつかの仕事はしてきたが、大企業のプロジェクトに携わる仕事は、とてもやりがいを感じ、働くことの楽しさを知り、自然とここでずっと働きたいという思いが強くなり、正社員登用を意識し始めた。
会社との契約は5年間、登用チャンスは5回、彼女は毎年、登用試験を受けようと決意を固めた。

ちょうど子育てがひと段落した頃だったが、引っ越しをして環境の変化もあり、思春期の娘と向き合うのが大変な時期ではあったが、大企業での時間は、とても有意義な5年間だったと当時を振り返った。

結局5年間、結果的に3回の登用試験を受けた。
最後の年の登用試験は、最終試験まで進むことができた。
最終試験を受けている最中に受けた検診で乳がんの疑いが見つかり、最終試験結果は、残念ながら不採用、その直後乳がんが確定、2020年師走のこと。

彼女が人生で一番悲しい日だったと当時の話をしてくれた。
正式採用がもらえなかったので、5年契約も満了、大好きな仕事は終わってしまった、今度は、乳がんとの新しい生活が始まった…

彼女は病院で泣き崩れた、癒えない傷を抱えながら、さらに新しい傷を負った。自分だったらどんな感情になるのかなと、感情移入せずにはいられなかったワタシがいた...

「この5年間のこと、今はどう思う」と質問すると、彼女からは出た言葉は、「通過点」と位置付けていた。引っ越しをして、新しい環境で就活をして、大企業での仕事、子育ての苦労はあったものの、今振り返ると、その5年間は、とても順調だった。試験に落ちてしまったけど、本当は会社に残りたかったけど、そんな様々な思いが詰まった5年間に、後悔はない。

ただ走るではなく、突っ走ってこれて良かったと、彼女の声は、今とても明るい。

画像2

そんな悲しい日を乗り越え、抗がん剤治療をし、無事手術を終えた彼女、病気になった当初は、家族や友達から切り離されて、ひとりぼっちの世界に行ってしまったような気がしていた。自分の居場所を探して、インスタグラムで新しいアカウントを作り、様々な交流をしている。そんな中、彼女は現在バーチャル写真展をインスタ上で展開する。

画像4

初めは探り探りではあったが、素敵な企画という声や応援していますという声、どちらが励まされているのかわからなくなるぐらい、温かいコメントが続々と届く。

自分は、自分。
今の自分もすきでいたい、
ありのままの姿を残そう…

画像3

本当に素敵な企画だと、自分たちも感じているので、大切な育てていきたい。

そんな活動をしているつるりんに、これからのことを聞いてみた。

「自分の人生を豊かになるようなことがしたい」

彼女は多忙な5年間を経て、乳がんの治療・手術を乗り越えたからこそ、豊かさを求めるようになったのだろう。
きっと自分の人生の豊かさと彼女は話をしていたが、彼女がこれからする豊かになることは、彼女の周りの人々を豊かにすることを意味するのだろう。
つるりんのバーチャル写真展への思いを、隣で見ているからこそ、ワタシはその意味を確信している。

今回は、人生一番悲しい日の話をしてくれたつるりんのお話でした。
彼女とはインスタで知り合い、今は一緒にバーチャル写真展をやる仲になっていた。とても自然な流れで、彼女へ相談し、いつの間にか、賛同してくれる人が現れて、形になり、本当にみんなに作ってもらっている企画だなと感じている。

もしかしたら、ワタシは人生一番悲しい日があるつるりんが羨ましいのかもしれない。実はガンと診断された当時、ガンのステージは0もしくは1のガンの赤ちゃんがいるので、取れば特に必要がないという診断でした。それが手術をしたらリンパの転移、病理結果で抗がん剤治療をすることに、どのタイミングで自分がガンと向き合えたのかとよく考える、そして本当に自分の体にガンがあったのかとも思う。
ガンとは、本当に不思議な病気だと思う、部位、ステージ、副作用全てがみんな違う、だからこそみんなのストーリーが聞きたくなるのかもしれない。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?