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一年後のちいさな旅。

金曜日の夜。仕事を終えて、向かったのは友達のおうち。やあ元気とお喋りをして、ちょっと準備をして、シャワーを借りて、青い車に荷物とお布団をつめこみました。

夜の11時、出発です。

東京から大阪まで、したみちで車中泊しながら何日もかけて旅したあの頃からちょうど1年。同じ人と同じ車で再び大阪へ。

でも今回は日曜日には帰らなければいけないので、したみちではなく、高速道路で。道中のいろいろな発見を見逃してしまうのはちょっと残念だけれど、大阪でゆっくり飲み歩きをしたかったので、しょうがないね。

さっきまで会社にいたのに、今は爆走している。真夜中の高速道路はぼんわり橙色に光ってヒュンヒュン通り過ぎて、ちらりほらりと赤青緑が揺れています。狭い世界からの大脱走。
パーキングエリアはどことなく異世界感が漂っていて、空気がピンと冷たい。半分閉まって半分営業中のひっそりとした建物を出入りする人々はジャージだったり高速に慣れたトラックの運転手さんだったりして先住民感が凄い。建物の裏にキラキラ光る夜景を見つけて、私たち人間はちっぽけであるな。とかなんとか考えました。

名古屋まで辿り着き、前回もお世話になった良い感じで眠れる場所に車を止めて旅上手のお友達が手際よく車内に布団を敷いてくれました。小学校のころ夢見た秘密基地の完成です。眠って起きて、朝日を浴びながら、そこら辺で買ったパンと卵とベーコン、あとキノコを焼いて食べました。食べたら近場の銭湯でゆるゆるになって、再出発。

「あーじゆうだあ」「ゆたかだねえ」

そうして走り続けて数時間。夕日が沈む頃になってから、ついに、大阪に到着しました。本日の寝床となる場所に車を止めて小さいバックを肩にかけて電車に乗ってふらふらと夜の中心街まで。きらきらきらきら。カラフルな光と人の渦に巻き込まれながら、念願の飲み歩きをしました。静かな自然も大好きだけど、知らない大都会でゆらゆらするのも楽しい。ずっと夢の中みたいな世界でくるりくるりと歩いてはお酒を飲む。「私たちいろいろなことがあったねえ。」「そうだねえ。」そんな話をしながらフラフラになって車へもどり、眠りました。

翌朝、友達はもう少し旅を続けるというので、私一人で新幹線に乗って帰ります。1日かけて来た道をたった3時間ほどで帰る。なんとも面白いことだな、長い夢を見ていたような気分です。1年前の旅では10日間くらいかけてじっくりゆっくり旅をしたけど、今回はじっくり考える暇もなく日常から非日常に飛び出した弾丸旅でした。

でも、非日常も夢なんかじゃなくてちゃんと存在しています。私はこの1年で学生から社会人になって、住む場所も環境もガラリと変わってあたふたしていたけれど、名古屋の公園も、駐車場も、大阪のおねーちゃんも、ともだちも、みんな色んな場所で、ずーっと生きていて、これから少しずつ変わりつつも毎日を淡々と一生懸命に過ごしていくんだな思うと、東京に戻って来てしまった今日もなんとか安心して生きていられます。楽しかった。

いつかまたゆっくり旅に出たいな。
ゆたかなこと、じゆうなことは、いつでもそこにあるんだねえ。

日記でした。

#日記 #生活 #旅 #車中泊




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