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シューカツの時期ですよって話

私が観ているバスケットボールのリーグも半分が過ぎようとしています。
さて、そんな時期に思うことは順位や勝敗以外に、もうシューカツだよなぁってことです。

「就活」と「終活」

カタカナで書いたのはこういう理由です。どちらもしゅうかつ…シューカツ…そういう話。プロの世界ではどちらも大切なことだと私は思っているんです。もちろん、私にはわかり得ない世界の話なのですが、祈る立場として書きます。嫌な予感がする人はそっ閉じしてね。

「就活」

就職活動。身も蓋もない言い方をすると、来シーズンの契約を考える時期です。

現在、日本のプロバスケットボールの世界はまだまだ長期契約の締結を公表することはほとんどありません。2,3年の複数年ですら多くはないイメージです。もちろん、私たちでは知り得ない詳細のオプションの中にそういう話はあるのかもしれませんが、知り得る範囲で大々的に公表されることは稀だと言っていいと思います。
なので基本、単年契約。同じチームと再び契約したとしても、それは他のオファーも聞いてからの結果であったりなど。

規約では、既に来シーズンの契約の話はしていいことになっています。だから出来るだけアピールできるプレーができることは、勝敗やゲームプラン含めてやっぱり大事だということ。

特に、今シーズンはチームの降格や昇格は制限されています。
しかし、人単体の昇格はあるわけなんです。

それだけではなく、現チームにしっかりと役割を持って契約を継続したい場合もありますし、今とは違う役割や時間を求めることも可能です。
人それぞれですが、プロリーグに所属しているのならば、自分の目指すものを追い続けてほしいし、そういうものなのかな、と思って観ています。

「終活」

こちらは略語というか、同じ読みを当てて違う意味を持たせたものですよね。見てわかる通り「終わり」にむけての活動。
いま活躍しているバスケットボール選手たちを観ている側としては、あまり考えたくないことではありますが、何事にも終わりは必ずやってきます。引退セレモニーのお知らせも出る時期になりましたしね。

語弊のないように説明すると、今回書きたいのはバスケットボールキャリアを終える「引退」そのもののことというより、それが少しずつ近づいてきたときにどうするのか、ということです。
終わりの考え方も人それぞれですし、どこをもって、どこで終わりにするのかは、なかなか悩ましいテーマだと思います。

比較的若いキャリアであたためていた事業を展開する人。
所属していたチームに近い会社勤めに変更する人。
プロとしてではなく実業団に切り替える人。
チームに関係するスタッフに転向する人。
身体が動かなくなるまで走り切る人。
兼業として二足の草鞋を履いてバスケットボール自体は続ける人。

いろいろなキャリアがあるし、捉え方があるんだろうな、と思います。
さてそうなる前に、バスケ選手としてはどこで何をするのか。

スポーツ選手の尊敬するところ

私はスポーツ選手を尊敬しています。プロかどうかは関係ありません。
かつて、大学生だったときに私は取材(の真似事)をさせてもらっていた時期がありました。真似事とはいえきちんと申請して、パスをいただいて大学生選手に取材を申し込んでいました。

大学3年生のときに取材していたのはサッカーです。その代の主将さんはとても素晴らしい方でした。シャワーから着替えてすぐ来てくれて、たくさん質問に答えてくれていましたし、経歴も技術も素晴らしいものを持っていました。

その方はプロにはなりませんでした。

「サッカーの実況ができるようになりたいんです」
いま、W杯の実況にはその方の名前があります。
そういうキャリアもあります。

彼らを私が長く尊敬している理由は、いつでも全力でその日を生きている、ということです。スポーツで人を歓喜させられる力を授けられた人には、たとえ職業がスポーツではなくなったとしても、その才能がある、と私は思っています。

やるか、やらないか

私はあまり優しくないのでこういう言い方しかできないのですが、プロリーグの世界に足を踏み入れた(契約形態や社員選手かどうかは問わず)人たちは、結局のところ、つまりバスケットボールでいえば、

ボーラーとしてやれるかやれないか

の一言に尽きるんだと思っています。私は。
それは、必ずしもレブロンのように全てにおいて完璧に近い仕上がりを常に求める(いやそれができたらもちろん最高なんですけども)わけではありません。

バスケットボールはチームスポーツです。ひとりでは成立しない系統のスポーツ。
ですから、チームとして戦う時に必要とされる選手でいられるかどうか?という問いです。
就活であろうと終活であろうと、今後のキャリアを考える上で、どういう花を咲かせるのか。ちなみに、今が複数年の最中だって同じです。来年仕上がればいい、と思って今年を過ごすような人が、来年仕上がってくる確証はないです。
バスケットボールは、プレースタイルも、出る時間も、今与えられている役割もそれぞれ違います。だから面白く、だから厳しく、入れ替わりのある世界です。

私は観るだけなので、それは体現してもらえないと分かりません。逆に言うと体現してくれたら少しだけその片鱗を感じることができます。

同じチームは2度とない

来シーズン、全く同じチーム編成であることはほぼありません。今シーズンのチームは今シーズン限りです。
今目指すものは一つでも多い勝利でしょう。
今後、道が分かれるとしても。
2度とない今を、精一杯プレーしてほしい。それはベンチに座っているときもです。共に戦う姿を観たい。目に焼き付けたい。その輝きが観たくて、私はチケットを買っています。

2021.03.