昇り詰める女性

あの女が落ちるところを見たくないですか?

松本清張の『黒革の手帳』の台詞です。
銀座の有名クラブのママに昇り詰めた主人公元子を取り巻くさまざまな人物が、元子を陥れようとします。

元子も、恨まれることを知っていながら、際どいかけひきを繰り返します。
ときには、元同僚を陥れたり、誰かの持っているものを奪い取ったり、裏切ったり裏切られたり。

否、元子としてはそんなつもりはないのかもしれません。
元子なりの正義と哲学の元、最適解を求めているだけなのかもしれません。

こんなことは、あくまで小説の世界で、身近にはないだろうと思っていたら、うっかり。
もしかしたら、私もそのかけひきの渦中に置かれていたりして。

どんな世界でも、女性が昇り詰めようとすれば、必ず、生意気だと陰口を叩かれ、恨みを買い、陥れられるものなのかもしれません。

否、この男性社会では、そういう女性しか昇り詰めることはできないのかもしれません。

嵌められても、陥れられても、這い上がる力、それがさらに恨みを買う。

あくまで個人の見解です。


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