【短編】ひとりよがり

彼は優しい。
いつでも、どんな時でも、私を温かく包んでくれる。
3つ年上。
少しだけ大人の眼差しで、私を見ている。

彼とはすべての相性がいい。
食べ物もお酒もスポーツも趣味のドライブも。
和ませてくれる話題も、核心を避ける冗談も。
触れたくなるときも、キスするタイミングも。
駆け引きをする眼差しも、照れて伏せる瞳も。
甘く攻めたてる言葉も、ベッドに誘う指先も。

彼はわたしのことをどう思っているのだろう。
おんなじように思ってくれているのだろうか。

ひとりよがり。

ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!