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キャリアという名の迷路

もうずっとゴールの見えない迷路を彷徨っている気がする。途中で出会った友達は、とっくにどこかの分かれ道で面白そうなものを見つけて進んでいった。「ああ、あなたはそちらへ進むのね」と見送ったのはかなり前な気もするし、ついこないだという気もする。あるいは出会った気がしていただけで最初から交わってなどいなかったのかもしれない。いずれにしても、いつの間にか随分と離れてしまっていて、きっと彼ら彼女らだって今でも迷うことはあるのだろうけれど、それはもうかつて一緒に歩いた道ではない。そうして私はただ 1人、同じ場所をぐるぐるしていて、どうしたらここじゃないところに行けるのかわからないままだ。

今日SHEでコーチングを受けて、「迷子の今、何が欲しいですか?」と聞かれた。すぐには意図が読み取れず、不思議な質問だと思った。じっくり考えて初めて私はたしかに迷子なのだと気づいた。「無人島に1つだけ持って行くなら何を持って行く?」みたいだと思ったけど、たぶんちょっと違う。前者は何に困っているか、後者は何を大事にしたいか、だと思う。ちなみに無人島に持って行くのは本(を読んでのんびり過ごす時間)一択だ。

私が迷子になっているのはキャリアの迷路だ。立ち止まってよく考えると、今の会社で出世するようなゴールなんて求めてないし、そこまでの地図やガイドが欲しい訳でもないと思う。むしろ今の会社でやっていくのは、先がうっすら見えていてつまらない。憧れの上司も先輩もいない会社でロールモデルなんてあったもんじゃない。

ここまで書いていて気づく、「ああ、コースとゴールが違ったんだ」。今の会社で目指すことを求められるゴールは、社内で活躍できる人材になることで、そうであることを示す昇格に必要なのは、休みを削ってでもそれをアピールする能力だった。私は目指したくもないゴールを目指して、走りたくもないコースを走っていた。それが私の理想にも通じていると信じていたから。

仕事を楽しみたいと思っていた。誰でも楽しくないよりは楽しい方が良いと思う。だけど私が求めるのはそういうレベルじゃない。楽しくないと納得いかない。ちょっとの楽しいことがあれば、大半の納得いかないことは頑張れる人だってたくさんいるんだろう。仕事とはそういうものと考える人だって少なくないはずだ。そもそも楽しいの定義だって人によって違う。

私にとっての楽しいは今の会社にはなかった。たぶん楽しんで仕事をするという文化自体がなかった。会社というコースで楽しいを探していたから、見つからなくて迷子になったんだ。実は他の人にとっては迷路でもなんでもなかったんだろう。

もうずっと「楽しい仕事」の言語化ができていない。だけどひとつわかったのは、組織で働くなら、その組織の進む方向性に自分も共感していないと苦しくなるという、なんでもないことしかない。結局、迷子の今必要なものはわからないままだ。

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