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風俗嬢はつらいよ①昼職との兼業について。

風俗嬢というお仕事。

稼ぐ金額の大きさやら、
完全自由出勤という自由さやら。

そんな特殊性を持つ良い面と引き換えに、
失うものや、人とズレてきてしまう事が多々あるわけで。

風俗嬢一本になって、
普通の価値観なんて振り切ってしまえばいいのだけれど。

どうしても、八方美人な承認欲求が、
一般社会との関わりを、捨てさせてくれない。

風俗嬢、
行きは良い良い、帰りは怖い。


そんな、至極個人的な、風俗嬢はつらいよシリーズ、
なんとなく、書き始めてみます。


昼職が、けっこうしんどい。


昼の会社員の仕事は、けっこうしんどい。

世間一般からすると、
見ず知らずの、不特定多数の男性と
何度となく身体を重ねる夜の仕事の方が大変だと言われるけれど、

その心理的ハードルのネジが外れた私にとっては、
昼の会社員の仕事の方が、
夜の100倍、しんどい。

それはなぜかって。

夜の世界は、私がプロダクトそのもの、
兼マネージャー。

自分をどんな商品に作り上げようが、
どんな売り方をしようが、
どれだけ売ろうが、出し渋ろうが、
本当に、私の自由。

仕事の相手は、私のことを好んでくれる人だけ。
(新規さんの場合この限りではないが)

プレイ中の限られた時間は、二人だけの空間で、
お互いの良いことだけを、考えていればいい。

仕事のやり方にケチをつけてくる上司も
つい自分と比べてしまう同僚も
ホテルの部屋には、存在しない。

そんな優しい世界。



昼の仕事は違う。
考えることも、手を動かすことも、
気を使わなければいけないことも、段違いに多い。

集団の中で、決まった席に座り
周囲には、自分のことを好きでも嫌いでもない人たちがたくさんいて
そのたくさんの気持ちや考えに思考を張り巡らせて、疲弊する。

苦手な作業を、先輩や上司の正解に当てはめながら、
「これでいいんだろうか」と不安になったり、

結果たくさんの赤が入ると、
その自分の出来の悪さに、ひどく落ち込む。

いい子な顔で、張り付いた笑顔をしていると
先輩やクライアントから、作業の山が降ってきたり、

上司同士のちぐはぐな意見に板挟まったり、

隣の席のややネガティブなお姉さんの愚痴に、
小一時間付き合わされたりする。


それでも、月末に振り込まれるしんどさの対価は、
夜の仕事の数日分程度の金額にしか満たない
わけで。


だからこそ、
この「しんどい」モードに堕ちる時、

”風俗嬢一本で生きる”という
甘い誘惑に吸い込まれそうになる。

源氏名の私が貰えるお金と充実感が頭にちらつき、
「あれ?私、なんのためにここで働いているんだっけ?」
会社にいる意味が分からなくなったりする。

”生活のために割り切って仕事をする”という、
世間一般の人が持つ”踏ん張る力”が無い分、

私の社会的存在は、ひどく脆く、危ういのだ。


今は、世間体と、将来の不安からの逃避と、
今はまだ見ぬ”普通”の幸せのために、会社に通い続けている。

いつ、この崖っぷちから、
優しい世界のブラックホールに落ちてしまうか。

ふと、すごく怖くなったりする。



なんて、
週末目前、メンタル弱めな私の、ささいな泣き言。

明日まで、頑張ろう。


(他の兼業風俗嬢さんは、
 どんな風にこのジレンマに耐えているんだろうか。
 同じ境遇の方がいれば、ぜひ教えてほしいものです。)




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