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悩める30代女子たちよ。幸せになる筋肉を鍛えよう。

私はよく周りの人に「百合って、なんかいつも楽しそうだよね」と言われる。

実際のところ、とてもありがたいことに、毎日はすごく楽しい。
これから30代を突き進むのが楽しみで仕方ない。

だから、幸福度はそれなりに高い方だと思う。

何も、自慢したわけでは全くない。
私がここで伝えたいのは、たった一つ。

私の幸福度がそれなりに高いのは、何か誰かにうらやましがられるような偉業を達成したからではなく、この1年半ほどで、幸福を感じる力、すなわち『幸福筋』を鍛えたからだということ。

そう。
私は、「幸せ」というものは、鍛えられるものだと思っている。

幸せは、鍛えるものだ。

この結論に至ったのは、そう昔の話ではない。

さかのぼること1年半前。

仕事もプライベートも、今と変わらずそれなりに充実していたはずなのに、一日一日をなんとなくやり過ごしている感じがしていた。

要するに、人生はつまらない。
その原因について、悶々と思考する日々が続いた。

設計担当していた物件も順調に進んでいるし。素敵な彼氏(当時の話だが)もいるのに。この、不満もないけど満足もしていない感じはどうにかできないものなのか。

なんとなくつまらないけど、それは、あまり意味のない「つまらなさ」のような気がしていた。

そこで私はふと思った。

「もしかしたら、幸せを感じるか否かは、実際の状況どうのこうのよりも、自分の頭の中の問題なのかもしれない」と。

私はこの仮説について、とことん調べてみることにした。

リサーチをはじめると、『幸せ』というテーマは、心理学、認知行動学、脳科学、社会学、経済学、統計学など、あらゆるジャンルにて研究されているということがすぐに分かった。そこから私は、入門書から専門書まで、色々な本を読み漁り、最先端の研究を行っている世界中の学者たちのYouTubeやPodcastを聞きまくった。

結論、私が立てた仮説は、あながち間違いではないということがわかった。そして、使えそうなテクニックを片っ端から試してみることにした。

この記事では、この1年半のリサーチと実践の結果辿り着いた『幸せ』の私なりの解釈と、自分を実験台として色々と試した中で最も効果の高かったテクニックを、『幸福筋を鍛えあげるトレーニングメニュー』として紹介したいと思う。

まずは、『幸せ』の定義を明確にする。

実際の具体的なトレーニングに入る前に、『幸せ』という言葉の定義を明確にしておきたい。

というとかなりスピリチュアルな感じがするが、私はスピリチュアルなことに一切興味がないし、それ以上に強調したいのは、『幸せ』を、自分のコントロールが及ばないスピリチュアルなものとして捉るのは、とても危険。どんなに頑張っても、具体的なアクションに落とし込むことができないからだ。

だからこそ、幸せの定義をしっかりと明確化することが大切なのだ。

私なりに解釈した『幸せ』とは、ずばり、自分の価値観にどれほど寄り添えているかの指標。

すなわち、自分にとって大切な価値を実現するための行動量が多いほど、幸福度は高くなる。私にとって、幸せの主軸を自分側に設定するというマインドセットに切り替えるが、最初の大きなステップだった。

『幸せ』を最も遠ざけてしまう考え方

現代の消費社会では、結果主義に陥ってしまうのは避け難い。
「早く何かを成し遂げなければ…!」と結果ばかりを焦り、本当に大切なことを見失ってしまう人ばかりである。

そしてやがて、「幸せになるには、もっと頑張らなきゃ…」という思想に至ってしまう。これは皮肉にも、『幸せ』を遠ざけてしまう、超危険な考え方だが、多くの人がこの考えにはまっているのではないだろうか。

間違いなく1年半前までは、私もその一人であった。

常に自分を誰かと比べて、うらやましくなったり。
自分の成果を少し褒められたら、それを自慢したくなったり。
大切な人たちと過ごすよりも、自分のキャリアアップのための時間を優先してしまったり。

でも、1年半前に、自分の行動を基準に『幸せ』を考えていこうと決めてからは、むやみやたらに頑張るのではなく、自分の価値を実現できる行動(この先、これを「価値行動」と呼ぶ)を意識的に増やしていこう、という考え方に切り替わった。

これがまさに、『幸福筋』を鍛えるということである。

幸福筋を鍛えるトレーニング

さらに丁寧に書くと、幸福筋を鍛えるということはすなわち

  • 価値行動を意識的に増やすこと

  • 自分の価値観に反する行動を最大限減らすこと

である。

ここから先は、以上2つを実現するのに最も効果的だったものを紹介するので、騙されたと思ってまずは実践してみてほしい。

すべてを同時に行うでも良し、一つずつ行うのでも良し。

これは、時間をかけて徐々に鍛えていくトレーニングなので、「これくらいなら、続けられそう」と思うペースで取り組んでみてほしい。

焦るのだけは、厳禁。

1. 自分の価値を知る

まずひとつ目は言うまでもなく、自分の価値を知ることだ。
自分の価値がわからなければ、価値行動も当然わからない。これは、幸福筋の根幹を成すので、時間をかけて自分の価値を洗い出してほしい。

方法はいくつかあると思うが、私自身は、価値観リストを参照にしながら、以下のステップ①~③に従って、価値の洗い出しをした。

ステップ①
リストにある価値について、大切だと思ったものに○を付ける。まだ数は気にしなくてOK。

ステップ②
○を付けた価値から、特に大切なものを10個選び、★を付ける。

ステップ③
★のついた価値それぞれについて、なぜその価値が自分に大切なのかを考え、1から10までの順位をつける。過去の経験、思い出、感情などと具体的に結びつけながら行うと、なお効果的。

自分の環境や状況が変われば、価値観も当然変わる。なので私は、数か月に一度くらいのペースで、価値を見直す時間を設けている。

2. 筆記開示

心理学やセラピーで、筆記開示(Expressive Writing)という用語がある。8分から20分(もっと長くても良い)頭に浮かんだことをひたすら紙に書き続けるだけというシンプルな訓練であるが、これはうつ病の治療などにもよく用いられる手法である。私自身の経験としても、これは効果覿面だった。

私は今では、この筆記開示を日記的に行っているが、これは価値行動の記録以外何ものでもない。自分がどれほど価値行動を行えているか、あるいは行えていないかのログを取れば、自然とその行動量が増え、幸福度アップにつながる。

その他にも、色々な効果があった。例えば、

① ネガティブ思考に囚われるのが減る。
頭のなかに嵐のように飛び交っている思考や感情が整理され、「事実」と「思考」を区別できる(これは、認知行動療法の真髄となる考え方)ので、自分の価値実現のために役に立たない、無駄な思考に囚われずに、すぐに行動できるようになった。

② 自分の成長と変化が目に見えてわかる。
日記は、殴り書きとはいえ(私だけかもしれないが)ライフストーリーである。何か新しいことを学んだり、新しいスキルを習得している最中であれば、自分に課した挑戦の進捗具合が記録として残るのは面白いし、モチベーション維持にもつながる。

③ 次の行動へのエンジンとなる。
少し前のエントリーを読み返すことは、いかに自分が超些細なことで悩んでいたかに気づいたり、困難を自分の力で乗り越えたことを思い起こすきっかけとなる。「こんなに小さなことで悩んでたんだ、だったらこの悩みも時間とともに軽くなるよね」とか、「当時は大変だったけど、なんとかなったんだから、今回も大丈夫だよね」といった、次の行動への推進力となる。

3. 瞑想

この1年半で身に着けた習慣のなかで、最もゲームチェンジャーだったのは、間違いなく瞑想。これは断言できる。

瞑想は、特にここ十数年で脚光をあびるようになり、瞑想についてのHow-To本や論文はもちろんのこと、チュートリアルビデオなども、今では数えきれないほど世の中に出回っている。

それゆえ、瞑想についての説明も実に様々であるが、私にとって瞑想とはシンプルに、呼吸に集中し、自分の意識が揺らぐのを観察し、ひたすら意識を呼吸に戻し続けるトレーニングである。

瞑想が難しいと言われる所以はおそらく、自転車を乗るのと同じで、説明を聞くだけではあまり意味がなく、実際にやってみないと何もわからないからだろう。

私は、瞑想そのもののプロセスは、本を読んでいて、ふと意識がそれるときに、意識がそれていることに気が付き、「よし、本の内容に戻ろう」というときの感覚に似ていると思う。

ちなみに私は、エミリー・フレッチャー(Emily Fletcher)の瞑想の説明が一番好き。

瞑想のいくつもの効用のうち、最も私の幸福筋強化につながったのは、【自分を客観的に観察する力】と【目の前のことに集中する力】が爆上がりしたことだろうか。

① 自分を客観的に観察する力
幸福筋を強くするとは、自分の価値観に反する行動を最大限減らすことであると述べたが、なにも、価値に反する行動を意識して取る人は少ないと思う。

例えば、「健康」という価値を大切にしている人が、無意識的にポテトチップスの袋に手を伸ばしていたりとか。自分の価値に反しているという事実は理解はしているのに、無意識のうちにやってしまうのが問題なのだ。

瞑想を行うことで私は、自分のことを客観視する力が身についたため、無意識行動をすぐにキャッチすることができるようになり、今となっては、自分の価値観に反する行動をする方が難しくなった。

逆もしかりである。
自分の価値行動に近いもの、あるいは、価値行動として解釈できるものであれば、小さなことでも意識が向かうようになった。

② 目の前のことに集中する力
瞑想を始めてから私は、目の前のことに集中する力がだいぶ養われたため、一つ一つの価値行動を最大限堪能できるようになった。これを専門用語では『マインドフルな状態』というが、幸福筋が強いとは、より深いマインドフル状態に、より長くいることとも言える。

例えば週末、頭のどこかで仕事のことが気になっていると、大切な家族との時間を目いっぱい楽しめない。マインドフルになると、人生の一瞬一瞬を最大限楽しむことができるようになる。

社会が決めた幸福の典型例から、今すぐ脱却しよう。

ツラツラと長く書いてしまったが、とにかく私は、「何かを達成したから幸せになれる」という幻想に陥っている人たちに伝えたい。

私は、社会に誇れるような偉業をまだ成し遂げたわけでもないし、人にうらやましがられるような贅沢な生活をしているわけでもない。

私みたいな、超普通な人間でも、幸福度の高い人はいるのだ。
幸福度は、実際に成し遂げたことは、関係ない。

幸せは、どんなに頑張っても天から降ってくるものではない。
だったら、それを永遠に待つよりも、自分自身で『幸せ』を定義し、自分自身でアクションした方が、俄然手っ取り早い。

人生、どうせ短いのだから、小さなことでも、より多くの幸せを感じられた方が、お得じゃない?といったところだ。


【写真】灰色の木と、雨雲(横浜大さん橋)©Yuri Murata


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