グローバルに活躍するってなんなの?
サボ太郎は今、イタリアの企業で多国籍チームの中で働いている。東京でボロ雑巾のように働いていた数年前の状況からは考えられないことだった。
サボ太郎は新卒で入社した外資系IT企業で幻滅したことがある。グローバルに活躍したい、と漠然に思い外資系企業に就職した。だが、周りに帰国子女や語学堪能な人は多かったが扱うプロジェクトはほとんど国内案件で英語などほとんど必要なかった。サボ太郎が働いていた部門ではアメリカ本社への赴任はほとんどチャンスはなく、若手が海外へ行く機会もほとんどなかった。
サボ太郎はそんな状況から抜け出したくて海外MBAを目指した。そして数年後、彼はMBA留学や海外企業での経験を得て現在に至る。これらの経験を通して、サボ太郎はふとグローバルで活躍するとはそもそもなんなのか疑問に思った。
グローバルで活躍する人材とは
グローバルで活躍する人々は、世界の多様性と共存する能力を備えた、現代の新しいリーダーたちだ。彼らは、言語の壁を乗り越え、異なる文化を理解し、グローバルな視野でビジネスなどの活動を展開する。この世界はますますグローバル化しており、異なる国や地域との交流は当たり前のこととなっている。グローバルなビジネスや社会において、その成否を左右する要素の一つが、グローバルで活躍する人々の存在である。
言語と文化
第一に、グローバルで活躍する人々は、言語とコミュニケーション能力に優れている。彼らは少なくとも複数の言語を話すことができ、異なる文化を持つ人々とも効果的にコミュニケーションを取ることができる。サボ太郎の通っていたヨーロッパのMBAでは複数言語を使いこなすことが当たり前だった。英語は大前提で、さらに二、三の言語を流暢に話す。英語さえままならないサボ太郎にとっては大きな衝撃だった。言語は文化を理解するための鍵であり、言葉の壁を超えて人々とつながることができることは、グローバルなビジネスや協力において非常に重要である。
第二に、グローバルで活躍する人々は、カルチャーセンシティビティを持っている。彼らは異なる文化を理解し、尊重することができる。異なる文化に触れることで、自らの偏見や先入観を乗り越え、相手の立場や視点を尊重することができる。カルチャーセンシティビティを持つ人々は、異なる文化の人々と協力し、共に成長することが期待できる。この点に関しても、MBAの外国人の同期たちは異文化に対する好奇心が強かった。だが、偏見や先入観をブレイクすることは難しく、ビジネススキルやビジネス知識だけではなく人間性も大きく影響する部分でもある。したがって、この素養は非常に希少だ。
第三に、グローバルで活躍する人々は、柔軟性と適応力を持っている。グローバルな環境では、状況が頻繁に変化する。彼らは変化に対応し、新しい状況に柔軟に対応することができる。柔軟性は、グローバルなビジネスや活動において成功するために不可欠な要素だ。サボ太郎はこれを持っている人材も非常に希少だと思っている。高い適応力があるということは、自身の価値観を次々とブレイクする勇気が必要だ。グローバルで活躍するような優秀とされる人材の多くは、多くの成功を重ねてきている。この成功体験をブレイクして新しい価値観を取り入れることは非常に難しい。その勇気があり、成長し続けることが出来る人がグローバルで活躍するリーダーになれる。
知識と専門性
第四に、グローバルで活躍する人々は、国際的なビジネス知識など豊富な専門的な知識を持っている。彼らは世界の市場やビジネスのルール、さまざまなトピックを理解し、異なる国や地域、分野でのビジネス展開において成功するための戦略を考えることができる。これらの知識や専門性は、グローバルな環境で活躍するための重要な要素である。海外ではなんでもできるということは何もできないことと同義だ。グローバルで活躍する優秀な人材は高度な専門性を持っている。そして、リーダーとなる者はその専門性を基盤として周辺領域にも造詣があり知識の深さと幅のバランスが良い。
学習と成長意欲
最後に、グローバルで活躍する人々は、持続的な学習と成長意欲を持っている。グローバルな環境では常に新しい知識やスキルが求められる。彼らは常に自己を向上させるために努力し、新たなチャレンジに積極的に取り組む姿勢を持っている。彼らは学び続けることを恐れず、自らの専門知識やリーダーシップ能力を向上させることで、世界の舞台で更なる成果を上げることを目指している。サボ太郎が働いているスタートアップのCEOのトニーはもう60歳近くのベテランだが、今でもさまざまなトピックを学び続けている。最近ではデータ分析やAIについて積極的に学習しており、ますますエネルギッシュだ。
グローバルに活躍する人材になりたい
グローバルで活躍する人々は、単なる言語の壁を超えるだけではなく、人々との共感や信頼関係を築く力も備えている。異なる文化を尊重し、多様性を受け入れることで、世界の中で互いに協力し合い、共通の目標に向かって進んでいる。彼らは自らを超えた視野を持ち、持続可能な成長と社会的な貢献を考えながら行動している。
グローバルで活躍することは容易なことではない。新しい環境に飛び込み、異なる価値観や文化に直面することで、不確実性や課題に直面することもある。しかし、それらの挑戦に立ち向かい、自らの能力を高めていくことで、グローバルな舞台での成功を収めることができる。
サボ太郎もグローバルな舞台で活躍することを夢見ていた。言語の壁や文化の違いは大きな壁で今でも克服できたとは言えないかもしれない。だが、それを乗り越えることで新たな成長と経験を得ることができると信じている。異なる国や地域の人々と交流し、共に学び合い、協力して成し遂げることの素晴らしさを知ることで、より豊かなキャリア・人生を築いていけるのではないだろうか。
サボ太郎はグローバルの舞台で活躍する憧れの日本人がいる。MITメディアラボの石井先生やバブソンのマツケン先生だ。このようなグローバルな舞台で活躍する人々の存在は、サボ太郎に勇気と希望を与えてくれる。彼らの姿勢や価値観を学び、自らも成長していくことで、グローバルな社会に貢献することができる。サボ太郎はグローバルで活躍する人材の特徴を眺めて、あまりのハードルの高さに怖気付きそうになった。だが、未知の世界への挑戦を恐れず、自らの可能性を信じて、グローバルな舞台で輝くことができるよう努力しようと、社内ニートになりつつあるサボ太郎は思った。
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