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≪わたしごと62≫日本人の創意工夫力

日本人の創意工夫の力は凄いと思う。より使いやすくしたり、より合ったものにカスタマイズしたり、機能をかけ合わせたり、無駄をそぎ落としたり。

例えば、Zoomという形でのイベントは今や普通になってきて、今後もオンラインとオフラインで同時にやっていこうと考えている主催者さんが多いという話を聴いた。ロックダウンになってから、日本、イギリス、シンガポールなどのオンラインイベントに参加したが、日本人の工夫が凄いなと思っている。

オフラインでやっていたことを、オンラインへ移行してまず慣れた後に、おそらく、それが出来るんだったらこれも出来るよね、という発想が多様に出てきた。オンライン宿泊とか、オンライン演劇、食事も果物狩りも、アートも工芸も、オンラインで試みられた。

他には、イギリスではLineの代わりにWhatsAppが使用されているが、比べてみると、Lineのスタンプの機能が、唖然とするくらい違う。日本では絵文字やスタンプが、より細やかな感情表現として使われていて、文化の違いがかなり出ていて、面白いなと思う。

さらに先程、ファッションプロデューサーの方が、ユニクロのパーカーのレビューをされているのを拝見して、なるほどと吃驚したことがある。それはユニクロのパーカーのフードの部分の問題解決とパッションだ。フードというのは顔を小さく見せるので大事らしい。立っていると良いので、厚みを持たせるとカッコいいのだが、問題が起きた。洗った時フードだけ乾きが遅いという事だ。それを解決すべく、フードだけ化学繊維をいれて、全ての箇所が同時に乾くように調整したらしい。

これからの創意工夫と、それをやろうとするそもそものモチベーションは、どこから来ているのだろう。

私の勝手な考えでしかないが、上に挙げた例でいくと、2つある様に思う。一つは、ハイコンテクストの言語コミュニケーションで、行間を読み取って相手の思いを慮るという文化。それが、絵文字というニュアンスで伝えるコミュニケーションに繋がって、ニュアンスが分かるという事は、詳細を微妙さを読み取るという事なので、やはりどうしても日本人は、きめ細かい事が得意なのではないか。そうすると、サービスや提供するものもきめ細かくなる。いろんなことに、気づく。逆に言うと、詳細にこだわるということでもあるけれど、日本人のきめの細さは凄い事だと思う。

2つ目は、日本のものづくり、工芸や職人技術に根差しているのではないかなと思う。きめの細かさとリンクするが、日本のものづくりが世界でも一目置かれているのは、その精密さと繊細さと合理的さだと感じる。そして、そこから立ち昇る美的感覚ではないだろうか。

例えば、道具。精密で繊細な仕事をするには、その道具が必要で、その道具というのは長年の間に洗練されて、さらに改良されて使われている。その道具を大事にする文化があって、丁寧に仕事するというのは、それだけで美しいと私たちは感じる。

ユニクロのパーカーの問題解決は、まずお客様がパーカー全体が同時に乾かないと困る、それは快適な暮らしではない、という価値判断に照らした認識があって、ではどうするかの段で、素材と向き合って改良していったという事なのだろうと想像する。安く売っているのだからそんなにこだわらなくても良いではないか、というのではなくて、自分たちの価値判断にそぐわないものは改善していこうというのが、ポジティブだし丁寧だなと思う。さらには、丁寧に生きるからモチベーションも上がるのかなと思ったりする。

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