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アメリカで飛行機に乗ると?

アメリカ国内の移動に欠かせない飛行機、エアラインの印象は日本とはだいぶイメージが違う。どんなところがどう違うのか、以下感じたことを書いてみた。

ユーモアあふれる機内アナウンス

まずクルーの見た目のイメージで言うと、日系エアラインの華やかなイメージとは少し異なり、米系はどっしり、体力がある系の方が多いように思う。実際にクルーの方達の業務は日々相当な体力を要求されると思うのだが、日系の方は華やかさ、気遣いも兼ね備えつつ、しっかり体力もあるのはすごいと思う(もちろん米系にも少数派?だが華やかな方はいる)。

機内アナウンスも全然違う。日系のエアラインは概して丁寧でそつがない?イメージだが、米系は比較的フランクで時にユーモアも混じる。私が先日搭乗したあるエアラインでは、最初の挨拶から型破りだった。

クルー「おはようございます。皆さんの元気な挨拶を聞かせてもらえるかしら?」
乗客「(一斉に声を揃えて)おはようございます!!」
クルー「Ve~ry GOOD!!」

このような感じだ。セキュリティ関連の説明も日本は通常動画を流して実演しながら説明をするが、米系はその時に「関心を持ってもらえるように」あの手この手で工夫している。有名なのはSouthwest Airlinesのラップ調の説明だ。YouTubeを検索すると出てくるが、同社は機内アナウンスをラップでやるクルーがいるらしい。また、Alaska Airlinesは感染症対策に関する案内のビデオをミュージカル調で表現する「Safety Dance」で有名だ(同社に合併吸収されたVirgin America社からの流れ)。

また、会社によってはキャプテン(パイロット)のアナウンスも聞き逃せない。夏休みの旅行時に乗ったSpirit Airlinesでは途中、強風の関係で目的地とは違う空港に着陸する可能性を伝えられていたが、無事、目的地(オーランド空港)に着陸できることになっていた。クルーからその知らせを聞いて、乗客が「Yey !!」と拍手で喜んだ矢先のキャプテンのアナウンスがこれ。

キャプテン「皆様お待たせしました。ようこそ、ドミニカ共和国へ!」
乗客「??」
キャプテン「・・・おっと失礼、お客様の飛行機は予定通り、オーランド空港に着陸します。」

こんな感じで、キャプテンのアナウンスまでユーモアたっぷりだ。もともと米系は自由な感じだが、LCC(ローコストキャリア)は前述のSouthwest、Spiritも含め、よりその「自由度」が増すイメージだ。

基本は有料~機内サービス

機内サービスもアメリカのエアライン(国内線)はシンプルだ。3時間くらいまでのフライトの場合、飲み物(ソフトドリンク)と簡単なスナック以外は有料だ。アルコールやサンドイッチなどは有料販売しているし、LCCの場合は5時間程度のフライトでも食事は全て有料の場合もある。

また、機内エンターテイメントについては、座席のモニターで見るタイプもあるし、会社によっては自分のスマホで見ることができるようにもなっている。国内線の場合、大抵は1,2時間なので、私はこれらを見ることはあまりないのだが。

基本的にLCCは荷物のチェックインは全て有料のことが多い。荷物の重量制限も割と厳しいので、チェックインカウンターの前では荷物を入れ替える姿もよく見る(我が家も経験あり)。また、会社によっては機内持ち込みのキャリーバッグでさえ有料の場合もある。そうやってギリギリまでコストカットをしている。

「Compensation(補償)文化」

飛行機につきものの遅延や欠航。我が家もこれまで何度も憂き目に遭ってきた。これまでで一番苦い経験は、イースター(4月)の家族旅行でサンディエゴに行くはずだった飛行機が「オーバーブッキング」で乗れなかった時だ。しかも、運悪く、この時期は航空会社のパイロットのストライキも重なっており(旅行繁忙期だというのに!)、次の便にも乗れず、2日後に乗れるかどうか?だという。そんな調子ではニューヨークに戻ってくる便にも乗れる保証はなさそうだったので、その時は泣く泣く西海岸行きを諦め、車で行ける別の行き先に切り替えた。子供達は1週間春休みというタイミングであり、サンフランシスコにいる旧友達との再会を楽しみにしていたのに・・・。アメリカにいると、こんな「まさか」がある(日本だったら、さすがにここまで酷い状況はないだろう)。

ちなみに、この時のCompensation(補償)は航空券代の払い戻し、それにプラスしてその航空会社のCouponまたは後日交渉という方法だった。結局その時は同社のCouponを有効期限内(1年)に再び使えるか判断がつかず、後者(別途交渉)を選んだのだが、しばらくは電話も繋がらず、ストレスフルな時間を過ごした。旅行キャンセルに伴い、予約したもので戻ってこないお金もあったのだが、航空券代だけは返ってきたし・・・、と半ば諦めかけた頃(約1ヶ月後?)、件の航空会社から、いきなり1人あたり1,000ドルの小切手を発行してくれるとの連絡があった。旅行の中止は大きな痛手だったけれど、思わぬ報酬に「もう〇〇航空は使わない!」と思っていた心が緩んだのは事実だ。

また、これは別の例だが、空港で飛行機の出発が遅れた場合、待ち時間が数時間を超えた段階で航空会社から「Meal Coupon」が提供されることもある(1,2時間レベルではまずないが)。

アメリカでは何かトラブルがあった時、上述のように「Compensation(補償)」で解決することが比較的多いように思う。これは日本に比べてアメリカはトラブルも多いし、何かあるとすぐ訴えられてしまう「訴訟社会」だということもあるだろう。「転ばぬ先の杖」というか、「さっさと補償&解決して次に進もう」、という考え方が根付いている。もちろん、全ての件に補償してくれるわけではなく、数時間の遅れ程度などでは通常何もしてくれない。

まとめ

アメリカのエアラインは一言でいうと、「どっしりと大雑把」。クルーに日系のようなきめ細かなサービスは求められないが、人によってはユーモアたっぷりの楽しい時間を提供してくれる人もいる。サービスが欲しければそれなりの対価を払って、というところは日米同じであろうか?

そして、トラブルの際は「Compensation(補償)」である。こちらでは時間の遅れはよくあることだし、中には腹立たしいトラブルもあるのだが、とにかくどんな場合も「言ってみる」のがコツ。上述の我が家のケースのように、後で思わぬ「おこぼれ」が来ることもある。ちなみに、日本の場合は「まず謝罪」という文化の気がする。それはそれで良いのだが、時には通り一遍の謝罪で済まされてしまうこともあり、アメリカの「Compensation文化」に慣れてしまうと「それで、どうしてくれるの?」とモヤモヤすることもある。もっとも、これは以前書いたマスク問題と一緒で、日本にいたら感じないことなのかもしれない。

ということで、アメリカのエアライン、皆さんも機会があればトライして、日米比較をしてみていただきたい。もしかしたらどこかのエアラインで型破りなアナウンスが聞けるかも?



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