将来からの現実逃避

皆さんは大人になってから自分が将来どうなりたいのか考えたことはありますか?

私は子供の頃から自分の将来について考えることがとても好きでした。

高校、大学へと進学してからも、自分の将来に漠然と希望を持っていました。

大人になるにつれてアイドルになりたいとか、冒険家になりたいとか、子供ならではの夢は持たなくなりましたが、

それでも「〇〇のキャリアを積みたい」「将来は〇〇に住みたい」みたいな妄想をしては将来に期待を膨らませていました。

いくつか叶ったものもありますが、心の底からワクワクするような大きな夢はお金やスキル、勇気がなくて妄想だけで終わったものがほとんどです。

社会に出て、いろんな体験をしていく中で、いかに妄想と現実の自分が乖離しているのかを思い知らされました。

27歳になった今でも、私は暇な時間のほとんどを妄想に費やしています。

ですがそれは将来への希望ではなく、「生まれ変わったら〜」「あの頃に戻れたら〜」「〇〇の世界に生まれたら〜」といった現実逃避です。

今の現実の自分がどうなりたいか、ほとんど考えなくなりました。

理想を現実にするには何かを犠牲にしなくてはいけないことがわかったからです。

お金、学歴、プライド、交友関係、自分の生活の一部…etc

何かを捨てる勇気はないけれど、現実の自分は受け入れたくないので妄想するしかないのです。

以前書いた記事で、過去に摂食障害に陥っていた話をしました。

今正常な食生活が送れているのは、「痩せている美しい自分」という理想を捨てたからです。

また同じことが起こらないように、身の回りの環境を変えるにあたってたくさんのお金を費やしました。

次に自分の何かを変えるためには、また何かを捨てることになるのです。

今の私にはまだその勇気がありません。

俗にいう「コンフォートゾーン」に、自分が囚われていると頭ではわかっていても、本能的にそこから離れることが怖いのです。

ここまでの文章だけ見れば、皆さんは私のことを「優柔不断」や「奥手」といった印象を受けるのではないでしょうか。

(短いですが)私の経歴をざっと下にまとめます。

2015-2019年: 高校卒業後、関西の私立大学で情報工学を専攻
2019-2021年: 同大学で内部進学した大学院で引き続き情報工学を専攻
2021年-2023年: 関西のベンチャーIT企業でWebアプリの自社開発
2023年-現在: フリーランス(準委任契約)でWebアプリ開発

この経歴についてどう思うかは人によりけりでしょうし、比べる必要はないことですが、文面上だけで評価すれば特に大きな不満を挙げる点はないでしょう。

就活は希望通り、Web系の自社開発に進むことができましたし、新卒3年目でフリーランスになることもできました。

これらはすべて自分が行動した結果ですし、仕事は可もなく不可もなく、収入にも満足しています。

他人からは「努力家」「行動派」と映るようです。

それでもやはり何か満たされない、自分はまだちっとも動けていないと思うのです。

現状一つわかっているのは、自分は「血の滲むような努力」して、何かを「成し遂げたい」という願望をもっていることです。

盲目的であれど、何か1つのことに対して足掻き続ける人間というのは、どうしてか私の目には美しく映ります。

ストイックになりすぎず、肩の力を抜いて、マイペースに過ごしていた方が楽に生きていけるはずなのに。

それでも時々そんな生き方への憧れを感じてしまいます。

ポエマーっぽくなりましたが、要するにもっと忙しなく働きたいのかもしれません。

少なくともこんな現実逃避の妄想をしなくなくなる程度には。
それが自分にとって未知であったり、レベルの高いものであれば尚良しです。

先ほども言った通り、この願望を実現するためには、今の自分の生活を少なからず犠牲にすることになります。
仕事内容によっては、時間もお金も足りなくなる可能性だってあります。
新たにどこかで学び直す必要だって出てくるかもしれません。

それを考えることが怖くて、私は今までの自分が作りあげたコンフォートゾーンに縋り付くことしかできません。

ですが、この願望を捨てた時、自分は本当に生きる意味を見失ってしまう気がするのです。

恵まれた環境にいるということは自覚しています。
ただ淡々と生きていると、時々自分が人間だということを忘れてしまいそうなのです。

売れないお笑い芸人、路上ライブを続けるミュージシャン、可能性があるかもわからないテーマに没頭する研究者

具体性がないだけで、私も彼らと同じように夢や妄想に縋ることでしか生きられない人間なのだと思います。

なんともまとまりのない内容になりましたが、この記事を書いていて、好きな漫画のとあるシーンを思い出したので、そのセリフで締めようと思います。

では。

今なら奴のやったこと… わかる… 気がする…

俺が…見てきた奴ら… みんなそうだった…

酒だったり… 女だったり… 神様だったりもする

一族… 王様… 夢… 子供… 力… 

みんな何かに酔っ払ってねぇと やってらんなかったんだな…

みんな何かの奴隷だった… あいつでさえも…









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?