傷つきながら、輝いていた。ー 「君の名前で僕を呼んで」
このタイトルを初めて目にした時、すごく好きな人がいた時のことを思い出しました。「その人の一部になりたい」と思うことが、「好き」の最上級だと思っていたし、これはその心の叫びそのものだと思ったからです。
主人公エリオは、家族と北イタリア避暑地で17歳の夏を過ごしていました。
そこに、エリオの父の教え子がやってきます。それが、オリバーでした。彼はアメリカ人で、「Later (あとでね)」が口癖。はじめは、気に入らないと思いながらも、知らず知らずのうちにオリヴァーに惹きよせられてしまい、2人は、激しい恋に落ちていきます。
嫌い嫌いと言いながら、相手のことがどんどん気になってしまったり、
傷つくのを恐れて、あまり興味のない子と遊んで気を紛らわしたり、
結末がわかっているからこそ、その時の幸せを噛み締めなれなかったり。
ふたりをみていたら、心にの中にずっと封印していた、あの青くほろ苦い日々を思い出しました。
その時のことを、どこか恥ずかしく、忘れてしまいと思っている自分がいますが、この映画が、その時のことを忘れなくていいと肯定してくれました。
「好き」なんていう感情がこの世にある事を恨むほど、辛い時もあったけれど、あのころ身を引き裂かれる思いをしておいてよかった。
傷ついていた時は、きっと輝いていた時でもあったんだ。
そう思えました。
夏には、心も体も解放される「魔力」みたいなものがありますよね。
今年も夏至を迎え、かすかに夏の匂いが漂ってきました。
ちょっと胸が高鳴っているのも、この映画の存在があるからかもしれません。
夏の間に、ぜひ見て欲しい作品です。
こちらの記事は、映画メディア「OLIVE」にも掲載しています。
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