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『ラプンツェル』を寸劇にしたら?

大人も楽しめる童話、といえばディズニーでありアンデルセンであり、グリム、日本にだって今昔物語集などなど様々な素晴らしい説話やおとぎ話があります。
『ラプンツェル』有名どころを子供劇にしてみました。
小学中低学年用劇の原稿として起こしましたので、良かったら使ってくださいね。学校の先生がた、幼稚園の先生方、子供会の催しを考えている方、劇作ります。オリジナルも作りますよ~。

以下は、ラプンツェルは、小学生低学年が5、6人で演じる用に作ったものです。

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【第一幕】ラプンツェル

ナレーション
「昔々のことです。今よりもずっと昔のことです。ある村にそれは仲(なか)むつまじい夫婦(ふうふ)がくらしていました。二人は子供(こども)をほしがっていましたが、長いあいださずかることはありませんでした。それでもふたりは子供(こども)をだくことをゆめみたのでした。ある春のはじまりのころのことでした、つまはあまりのたいちょうのわるさにねこむ日がつづきました。つわりでした。おなかに赤ちゃんがやってきてくれたのです。ふたりは、まるで天にものぼるようなきもちでした。手をとり子供がやってきてくれたことをよろこびました。
 しかしつわりはひどいもので、お母さんはなんにちもなんにちも食べ物を口にすることができませんでした。」

「何か食べたいものはないかい?」
「何もないわ。」
「水もうけつけないのはこどもにもおまえさんのからだにもさわる、なにか食べたいものはないかい?」

「何もないわ。」

ナレーション「そのとき、外からざっくざくと土をほりかえす音がしました。あたりに土のかおりと甘いやさいのかおりがただよいました。妻がいいました。」
「ラプンツェルがたべたいわ。あのあまくてさっくりといい音のするラプンツェルが食べたい。」
(夫は、妻の手をとる。)
「なんと、ラプンツェルが食べたいと?」
「えぇ、ラプンツェルが食べたい。わたしラプンツェルが食べたいわ。ほら、こおばしいかおりがするわ、あのラプンツェルが食べたい。」
(夫は手を組んで少し考えこみこまった顔をする。)
「しかし、あれは隣のまほうつかいのゴーデルばあさんのものじゃ。あのばあさんは、いじわるなことじごくのえんまさまもおどろくほどであるそうだよ。
それ以外にはないのかい?」
「いいえ、わたしどうしてもラプンツェルが食べたい。」
「そうか。そこまでいうのだからな、こどものためにもおまえさんのためにも、よし、とってきてやろう、なに、あんなにもたくさんあるんだ、ひとつとったところで、うさぎがとるよりは多くはなかろうて。そっといけば・・・。」
ナレーション「こうして、父親は高いへいをよじのぼりとなりのまほうつかいのおばあさんの庭のラプンツェルをとりにいったのでした。妻はよろこんで夫がもってきたラプンツェルをたべました。一度ならず、2度3度とラプンツェルをとってきたのでした。」
(夫は、手渡しし、妻はよろこんで食べる演技。)
ナレーション「ある日のことでした。」

ゴーデル「こら、まてい。」
「あ、これはゴーデルばあさん。」
ゴーデル「そこで何をしておる?」
「いや、あの、妻が子を宿しているのです、どうしてもここのラプンツェルをたべたいというのです。このみごとなラプンツェル以外、なにも口にしないというのです。」
ゴーデル「ぐはははは、りゆうはなんであろうと、それはぬすみじゃ、ぬすみ、どろぼうじゃ、しょばつがくだされるぞ、ぐはははは。」
(ゴーデルは、夫をにらみつけながらじゅもんをとなえるように手をまわす。)
ゴーデル「よいな、ぬすんだラプンツェルを食べたははおやは女の子を生む。それは美しいおなごで、まるでラプンツェルのようにさわやかな子じゃ。」
夫「それはうれしい。」
ゴーデル「その子がうまれるや、わしがもらってラプンツェルとなづけよう、さもなければおぬしらにくだされるばつは娘の死じゃ。ぐははっはは。」
「なにとぞ、おゆるしを。どうか、むすめをとらないでください。」
ゴーデル「神はざんげでゆるすが、わしはあくまのつかいじゃ、ぐはははは。人をみてから、ねがいをたてることじゃな。おろかものめ。」
「あぁ、それならば命だけはおたすけください。」
ナレーション「こうして、生まれてきた女の子は、おばあさんの手にわたることとなりあした。」
(妻に夫は話す演技。つまはなげきかなしむ。)

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【第2幕(まく)】塔の中のラプンツェル

ラプンツェルは、鼻歌をうたってからセリフを言う。
ラプンツェル「今日でわたしは18歳。いったい外の世界はどんなものなのかしら、あの大地(だいち)をこの足で歩いたのならどんなここちがするのかしら。それはきっと空に浮かぶ雲の上を歩くようなのかもしれないわ。下にありながら、ここにいては空の曇のようにとおい。」

ゴーデル「金色にかがやく髪(かみ)一本、金色にかがやく髪千本、ラプンツェルや、ラプンツェルや、金色のにじをあんでここにおろしておくれ。」

ラプンツェル「あぁ、おばあさまだわ。もうお食事の時間なのね。日に一度のお食事。」
ナレーション「ラプンツェルは長い髪を塔の小さな窓からおろしました。髪の毛の長さは、21mにもなります。」
ゴーデル「ラプンツェルや、お前はうつくしくなった。声は美しく、黄金の髪は昼は虹色の光を放ち、夜には月とおどりだす。ウグイスさえもおまえの声にあわせてうたうだろう。」
ラプンツェル「おばあさま、これでわたしも18歳、外にでてもよいかしら?」

(ゴーデルはいきりたつように)
ゴーデル「ならん、ならん、ならぬぞ。おなごは魔女(まじょ)のようにおとこをたぶらかす。そのかおる体とことりのさえずりでな、うたいわらい、それからみつめる。それで世(よ)のおとこはてんでばかとなり、そらにたねをまき土をたがやそうとくわをさかさまにもつ。ならん、ならんぞ。」

ラプンツェル「おばあさま、いちどもでもあの地をあるいてみたい。あの木のみきにふれてみたい。こずえが風にゆれる音をきいてみたい。」
ゴーデル「えー-い、なんとぜいたくでわがままなおなごじゃ。そだててやってるおんを思え。なんておんしらずのわがままむすめじゃ。」

ラプンツェルは、なきくずれ、ゴーデンはいかりながらその場を去る。

第3幕 王子

 王子が登場する。王子は、馬にまたがり狩のえものをおって塔の付近に迷い込んだ。すると、きれいな声が聞こえてくる。
王子「おや、鳥のさえずりか?いや、そんなことはあるまい。あれは人間の声だ。なぜかって、言葉になってるからね。それにしても天のほうから聞こえるのだから、あれはきっと天使かなにかの声にちがいない。」
ラプンツェル「
うたをうたえば、ういをわすれる
うたに希望をのせてみればわたしははねのはえたようせいになって空をとべる
うたをうたえば、かなしみのいろはかわる
かなしみはやさしさにかわってあの小川にそっとながれていく
どこにいくのかしら
きっといつかあの川をわたる
そのときはもっとたのしげなうたをねぇだれかとうたいましょう」

王子「塔(とう)だ。あの塔から聞こえるぞ。おっ、あれはなんて美しい人だ。耀く黄金のかみにどこまでもすんだ青いひとみ。そして天上のうたごえ。」
ナレーション「王子はききほれていました。そこにゴーデルがふたたび顔を出しました。」

ゴーデル「金色にかがやく髪(かみ)一本、金色にかがやく髪千本、ラプンツェルや、ラプンツェルや、金色のにじをあんでここにおろしておくれ。」

ナレーション「ゴーデルの合言葉のあとに、金色にかがやくかみのけがするすると塔の上からおりてきたのを王子さまはおどろきをもってながめていました。かしこい王子は、ゴーデルばあさんの言葉を合言葉だと気づきました。そこで、ばあさんが塔からおりて姿を消したあと・・・・」
王子「金色にかがやく髪(かみ)一本、金色にかがやく髪千本、ラプンツェルや、ラプンツェルや、金色のにじをあんでここにおろしておくれ。」
ラプンツェル「おや、今日はなんどものぼってくるのね。おばさまもこうしてわたしの誕生日をいわってくれているのね。あぁだけれど、わたしがほしいのは、にんじんケーキでもなくぶどうのはいったのみものでもないの。」
ナレーション「ラプンツェルは、髪をたらしました。いつもよりもいくぶんか重いように思いましたが、きっとそれは新しいおようふくかなにかをもってきてくれているのだと思いました。」
王子「こんにちわ、塔の上のひめ。これはおどろいた、ぼくの目にうつっているのは人間かい?それともようせいかい?」
ラプンツェル「まぁ。」
ナレーション「美しいひめと王子は、たちまち恋(こい)におちました。こうして、ふたりは雨の日も風の日も時(とき)をともにすごすようになりました。王子は、ラプンツェルの歌声にききほれ、ラプンツェルは王子がかたる外の世界にうっとりしました。ふたりはしょうらいをともにする約束をしました。」
王子「ラプンツェル、ぼくのおひめさま、きみよりうつくしいひとはいままでもこのさきもあらわれない。ぼくといっしょにこれからさきもいてほしい。」
ラプンツェル「えぇ、よろこんで。」

第4幕 ふたりをつなぐ糸


ナレーション「ある日のことです。王子はいつものように合言葉を言いました。二人だけの合言葉でした。こかげに、ゴーデルがいるとも知らずに。」
王子「ぼくのひめ、ぼくのひめ、君の髪の前に黄金も灰となり君の瞳の前にはサファイアもかがやきをけす ラプンツェルラプンツェル ぼくときみをつなぐ糸をおろしておくれ」
ゴーデル「なに~。あれはなにじゃ。あれはなんじゃ。今に見ておれ~。おのれ、おんしらずのふらちな娘め。」
☆彡(きゅうけい。しゅうちゅうきれた。)
ナレーション「次の日になりました。いつものようにおばあさんは、ラプンツェルに食事をとどけにいきました。」

ラプンツェル「おばあさま、きょうはいつもと違う時間なのね。まぁいいにおい。」
ゴーデル「そうともよ、おまえのすきなラプンツェルのスープだよ。きょうはおまえの記念日(きねんび)となるからね。」
ラプンツェル「なにのおいわいかしら?おばあさまのつくったスープはとってもおいしい。」
ゴーデル「うかれたあたまにゃ、とりが巣をつくったといっても気が付きやしない。ほおはべにいろにそまりばらもたじろぐばかり、声はさえずるいことをやめない、おぬしはふしだらなむすめだな。」
ラプンツェル「まぁどうしましたの?おばあさま、そんなおそろしいうなりごえをあげて。じごくのそこからきこえるようよ。」
ゴーデル「あー、そうだとも。いまさら気がついたのかい?じごくのつかいがこのわしじゃ。」
王子「ぼくのひめ、ぼくのひめ、君の髪の前に黄金も灰となり君の瞳の前にはサファイアもかがやきをけす ラプンツェルラプンツェル ぼくときみをつなぐ糸をおろしておくれ」
ラプンツェル「あぁ。」
ゴーデル「さぁ、髪をおたらし。」
ラプンツェル「いやよ。」
ゴーデル「たらすんじゃ。」
ラプンツェル「いやよ。ぜったいいや、この身が朽ちてしまってもそんなことはしないわ。」
ゴーデル「えぇい、ならばこうだ。」
ラプンツェル「あ~。」

ナレーション「ラプンツェルは、髪をばっさりときられてしまいました。泣き崩れるラプンツェルをよそに、ゴーデルは切った長い黄金の髪をたらしました。」
ゴーデル「おぉ、のぼってくるな、のぼってくる。何も知らずにのぼってくるぞ。さぁあと少し、あと少しだよ。ぐはははははは。さぁ、まっさかさまだ。」
(ラプンツェルと王子、悲鳴)
ナレーション「王子はまっさかさまに落ちていきました。」

第5幕 はなればなれの二人

王子「目がみえない、ひめの声も聞こえない、ここはどこだ?わたしはどこに向かっているのだ?見えない、聞こえない。盲目(もうもく)であるだけでなく、わたしは耳も失ってしまったか。」
ナレーション「王子は、目が見えなくなっていました。王子は、こうして雨水とときおりほのかに香る木のみを口にして幾日も行く月も森に荒野をさまよいました。一方で、ラプンツェルは王子と別れてから雨の日も風の日も太陽がさんさんとてる日も泣き暮らしました。幾日の月日が流れたでしょうか、ラプンツェルの髪がふたたび豊にのびたある日のことでした。」

ラプンツェル「わたしは、何をしていたのかしら。何を迷って何に嘆いていたのでしょう。」
ナレーション「ラプンツェルは、きっぱりとした様子でたちあがると太陽のように耀く黄金の髪をばさりときりました。」
ラプンツェル「王子さまを探し(さが)に行きましょう。」
ナレーション「ラプンツェルは、三つ編みをした髪の毛をしなやかなロープのようにして塔をおりました。」
ラプンツェル「きっと王子さまは、生きていらっしゃる。きっとどこかでわたしを待っていてくださる。きっと王子が語った外の世界を共に見ることができる。」
ナレーション「ラプンツェルは歩きました。森を谷をそして荒野を。足はいばらで傷つき、衣装もほつれがないところはありませんでした。髪は短くともその耀きは朝日もほほえむほどでした。」
ラプンツェル「おひさまがのぼるわ。髪も肩にとどきはじめた。今日この日もわたしはけっしてあきらめない。かならず王子さまにお会いする。」
ナレーション「ラプンツェルは、歩きに歩きました。ふと川のせせらぎが聞こえてきました。のどがかわいたラプンツェルは、川のほうへと向かいました。そこで見たのはいったいなにでしょう。えぇ、そうです。そこにたおれこんでいたのは・・・」
ラプンツェル「王子さま!」
王子「ひめ、その声は、姫にちがいない。ぼくをなぐさめてきた川のせせらぎでも鳥のさえずりでもない、その声はひめ。」
(ふたりは手に手をとりあう。)
ラプンツェル「王子さま!」
王子「あぁこんなにあれた手をして。」
ラプンツェル「それがなにというのでしょう。」
(ふたりはだきあう♡)
王子「あぁひめのかがやく髪もこんなになって。」
ラプンツェル「それもなにというのでしょう。」
王子「その目は、ぶじかい?」
(王子は、ラプンツェルのほおをさわりました。)
ラプンツェル「王子様、王子様、目がお見えににありませんのね。あぁ、おいたわしや。」
ナレーション「ラプンツェルは、涙をながしました。その涙がひとしずく、王子の目に落ちました。」
王子「泣いているのかい?ぼくはうれしさに今にも涙があふれそうだよ。まぶしい。この光はなにだ。ここは、天上か、それとも夢の国か。あぁ、ラプンツェル!見える、見えるぞ。はっきりと見えるぞ。わたしは今の今まで何も見えていなかったのだ。」
ラプンツェル「見えるようになったのですね。あぁうれしい。」
ナレーション「王子はあたりをみまわしてから、川の向こうぎしのはるかかなたにみえるお城をゆびさしました。」
王子「さぁ、ひめ、川をわたろう。手に手をとって。」
ラプンツェル「えぇ、王子さま。川をわたりましょう。」
ナレーション「こうして二人は王国へと向かいました。
川を越え、茨の森をとおり、王国へとたどり着いてからふたりはありあまる祝福(しゅくふく)を受け結婚しました。
それから、小さなけんかをしました。壁にぶつかることもありました。しかしそのたびに手をとりあってのりこえました。こうしてふたりはきずなとお互いを思いやる心をふかめ、仲睦まじく、末長く暮らし、王国はますます栄えたということです。二人をつなぐ糸は、こうしてまた結ばれました。おしまい。」

 ★あとがき
子供が演じたら、あらまぁかわいい♡
女の子は、このお話大好きですね。高学年版も作成しようかしら。シンデレラと白雪姫など有名どころ、あげていきますね。自由にご活用ください
👸🏰


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