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『幸せになりたいのなら幸せになろうとしてはいけない』ACT入門 第13章

第13章<感情の居場所を作ってやるー拡張>


ACTにおける<拡張の目的>は

 『不快な感情に囚われないようにすること』

であり、その目的のために、拡張が教えてくれることは、以下の2点です。

●感情を観察し、現在抱いている感情に気づくこと、
●感情に居場所をつくってあげることで、感情と距離をとること

わたしたちは、不快な感情が生じると、蓋をしたり気をそらそうとしたり、逆にどっぷりとつかることで不快な感情の威力を強めてしまうことがあります。

そうする事で、不快な感情の芳しくない影響を受けてしまいますから、一層不快な感情を避けようとしたりなど、闘ってしまいます。

私たち人は大切な人が他界すれば、悲しみます。人格を傷つけられるようなことがあれば、怒りが生じます。これらは、自然なことであり、感情の発生に善悪はありません。

悲しみ、恐怖、不安、怒り、そんなネガティブな感情の発生が問題ではなく、これらの不快な感情と闘うことで油を注ぎ続けることこそが問題なのです。

拡張は、

第11章で見たように、「きれいな不快感」を「汚い不快感」に変えてしまうことをふせぐテクニックといえるでしょう。

『不快感の発生をコントロールする方法ではなく、

どのように対応すればきれいな不快感のままで感情をやり過ごすことができるのか』

この目的意識をもって読み進めますと、より効果的にACTを習得できるかと思います。

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猫マナ🐾「拡張とは感情の居場所を作ってあげること?

不快な感情が現れたら、はーい、不快な感情さん、ここに新らしい部屋を作るから、ここにいてね~。自由にしていいよ~、ってするの?

アツモリだね。

ボム、

さぁこの部屋を用意しました。」

魔女ラーニャ「そうなの。想像の世界にボンって部屋をつくってあげて、そこに不快な感情に自由にしていい居場所を与えてあげる。

そして、そっとその部屋のドアをしめて、別の空間にいるか、ゲームをしているように、部屋を観察すれば、感情にからめとられることもないわ。」

猫マナ🐾「不快な感情は、どうなるの?」

魔女ラーニャ

・消える

・すぐには消えない

この2方向ね~。増えることがないというのがポイントかしら。

それに、感情を消すことが目的ではなくて、居場所をつくってあげることで、

不快な感情から距離をとることが目的だから、

感情が消えようが、そのままでいようが、問題ではないってことなの。」

猫マナ🐾「ふうん。」

魔女ラーニャ「早速、拡張の方法をお伝えするわね。その前に、

思考する自己ではなく、観察する自己に拠点を置くことが拡張の前提となっているの。

前回紹介した10回呼吸法や身体意識のエクササイズをすることで、日に日に観察する自己が育っていくって著作にも書いてあって、日々行っているの。本当に効果が出てきてるわ⇪パワーアップ⇪メンタル強い魔女に変身よ❣」

猫マナ🐾「ラーニャ神経症的傾向強めだったのに、ほんと変わってきてるよ。ネガ感情からの立ち直りが早いし、反芻思考に入ってるときも減ってる。」

ラーニャは、とても喜んだ。(ちょっとした小説形式変えてみる?)

魔女ラーニャ「本当にそうなの。実践ありき、ね。1時間に一回、呼吸法を取り入れてるの。瞑想にしたりもしてる。

早速、拡張の4ステップについて、著書から学んでいきましょうっと。」


拡張の4ステップ

1⃣自分の気持ちを観察する

ボディスキャンを通じて、不快な感覚に気づくことで、今抱いている身体感覚や感情を観察する。

2⃣息を吹き込んで上げる

深呼吸を繰り返し、身体隅々に空気を届ける。感覚に空気吹き込むイメージで行う。

3⃣居場所を作ってあげる

2⃣は、感情に居場所を作ってあげるためのもの。空気を注ぎ込むことで広げた場所に感情をおいてあげる。

4⃣存在を認めてあげる

たとえ、居場所においてあげた感情が不快なもので、否定し、消してしまいたいものであろうと、操作せずにそのままにしておいてあげる。観察する目で感情を眺め、受け入れてあげる。

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1⃣自分の気持ちを観察する

魔女ラーニャ「はじめに、ボディスキャンをすることで、感情に気づいていくの。いっしょにやってみてね。」

猫マナ🐾「どうしてボディスキャンなの?

拡張って不快な感情のトリセツだよね?」

魔女ラーニャ「

感情は、生理学的な肉体の変化が起こったことによって生じた身体感覚の変化

だからなの。

嬉しいとき、悲しいとき、わたしたちは身体感覚として感情を経験しているわ。身体感覚は、人それぞれだけれど、私の場合は、悲しいと、脳みそが氷の中にでも入っているようだし、息苦しくもなって、どんどん生きるエネルギーが少なくなっていく感覚。

感謝しているときって心臓のあたりが温かくなって、こう世界中を抱きしめたくなるような感情なの。」

猫マナ🐾「なるほど、確かに。だからボディスキャンでスタートするわけね。

確かに、感情は、身体感覚の変化かもしれない。興奮や喜びの快の感情は、ドーパミンやオキシトシン、βエンドルフィンにセロトニン、そんなホルモンの体内の生理学的な変化が知られてるわ。」

魔女ラーニャ「拡張では、特に身体の不快な感覚を探すことをするの。

・胃むかちくちくしたり

・喉元が詰まったような感覚があったり、

・脳の真ん中にモヤモヤがあるようだったり、

色々あるかと思うわ。その感覚をキャッチするの。それから、身体の隅々に、

2⃣息を吹き込んで上げる

スペースを作るつもりでゆったりと深い呼吸を続ける。

すって~、

はいて~。

すって、はく。」

猫マナ🐾「深呼吸をすることで、血中のCO2濃度が変化して体がリラックスする。アドレナリンの分泌量が減るからね。」

魔女ラーニャ「リラックスしてきたら、不快な感情のために、

3⃣居場所を作ってあげる

ここにいていいよ~って、感情をおいてあげる。」


猫マナ🐾「脳内イメージをすることで、

今まで活性化していた感情に関係する脳部位が落ち着き、空間やイメージ、それから理性をつかさどる脳部位が活性化、ってこと?」

魔女ラーニャ「そうね、だから感情のスペースを想像でつくって、そこにおいてあげて観察することだけでも実は

不快な感情が沈静化することが知られているの。でもそれはあくまでも副次的な産物で、目的は感情に居場所をつくることで感情に囚われないようにすることなの。

そのためにも不快な感情を否定したりおいやろうとしたりして闘ったりせず、善悪の判断もせず、ただ

4⃣存在を認めてあげる

ことが大切なの。できれば、慈しみをもって、居場所全体を包んであげる。このネガの感情わかるよ、いていいよ、それは自然なことだよ~って、泣いている親友をzoom越しに慰めてあげるような言葉がけがいいかもしれないわ。

もしネガ感情が落ち着くようなことがあったら、zoomではなく会いに行って、やさしくぎゅっと抱擁してあげてもいいわね。」


猫マナ🐾「ラーニャのぎゅっ、好きだよ。ネガ感情がすぐには落ち着かなくうてもいいんだよね?」

魔女ラーニャ「う、うん。そうね。ネガ感情はね、反芻思考を呼びやすいの。ネガ感情があると、連鎖的に同じようなネガ感情でタグされた記憶を探すように脳が反応するの。

HSPの人たちは、脳内の検索が非HSPの人たちより活発なことがわかってるわ。だから、すぐには、ネガ感情が収まらなくても当然なの。」

ネコマナ🐾「ラーニャはHSPだからねー。」

魔女ラーニャ「そう。だから、ネガ連鎖が始まると、その勢いたるや加速度的なの。それを

・「ネガループ抜けられないなんて、わたしってだめ。弱い。」

・「前頭葉の統制が弱いって、わたしって原始的なのか。」

なんてね、自己批判というネガ思考をするからさらに、ネガループの深みだったわけ。」

マナ🐾「確かに、HSPの人は、前頭葉から偏桃体に向けての神経回路が非HSPの人に比べて、弱いんだよね?だけど、それが前頭葉が育っていないことでもないし、強い共感力があるHSPの人たちは、むしろ前頭葉が進化している証でもあるんでしょう?」

魔女ラーニャ「うん。そうね。一長一短ね。なかなかネガ感情を抑えられないタイプの人でも拡張をマスターしていけば、

ネガ感情がもたらすマイナスの影響を大きく減らすことができるわ。

それに観察する目が育ってくると、

そこから、自分や周囲の人たちの方向性が明るくなるような、新しい見方ができたり、人生を豊にするための行動の原動力にもなっていくの。」

猫マナ🐾「そっか。ラーニャ、頑張ってね❣」

魔女ラーニャ「ありがとうー。アインシュタインは、問題に取り組んだから、かのアインシュタインになったわ。わたしなんて、まだ駆け出しの魔女なんだから!

練習ありきね。」

【第13章エクササイズ】

1⃣あなたを悩ます不快な感情をおこさせる問題、心配事、人、場面などを想起してください。
2⃣拡張を行ってください。
身体感覚を観察し→深く深呼吸し→居場所を確保し→容認する

猫マナ🐾「不快な感情を起こすのってあまりすすまなくない?」

魔女ラーニャ「そうなの。でもね、普段から悩ませるようなことを意図的に脳内で作り出して拡張をして、感情と距離を置く練習をすることは、

解決方法を生み出すことにつながるの。物事を多角的に捉えることができて、アイデアも生まれていくわ。」

猫マナ🐾「わたしもやってみよう。

1⃣鮭マカロンが売れ切れだった。く、くやしい。

2⃣拡張:観察→深呼吸→居場所をつくる→容認」

魔女ラーニャ「・・・どう?」

猫マナ🐾「今回食べられなかったら、次食べるときがすごく美味しいわ。それに、他の新しい味に挑戦もできる。」

魔女ラーニャ「うふふ。さすがね。わたしもやってみましょっと・・・えっと、 

1⃣苦手な魔女集会に行く。

2⃣拡張:観察(お腹が痛いし、脳がすぐに瞬間移動したいって言って、泣いてる。魔女なのに、集会がきらいなんてだめだよなって自己批判してる)→深呼吸→居場所を作ってあげる→容認

・・・

誰だって苦手はあるから、しかたないよね。それにしてもどうして、苦手なんだろうか。大切にしている価値観と相反する行動だからかもしれない、価値観を精査するいい機会。

不得意なことがあるのかもしれない。不得意は、裏返したら、才能になる。これは、強みを見つけられるチャンスかもしれない。

拡張、効いてる❣もうひとつエクササイズしてみよう・・・」

猫マナ🐾「あれ?まだするの?わたしは、昼寝してるね💤」

目を通して頂き、ありがとうございました。

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【本日の名言】
『努力したって成功するとは限りませんよね?て当たり前だろうよそんなこと。ただ、成功する人はそんなこと言ってる間も、成功するか分からないけど精一杯やれることをやってんだよ。』

武井壮

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