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「耳読で効率的に読書しよう!」への違和感をマジメに書いてみる

少し前から、AmazonのAudibleをお試しみたいな感じで使っている。


お試しみたいな、と書いたのは、無料期間2ヶ月+3ヶ月半額オファーで、計5ヶ月は格安で使えるから。


Audibleを始める前に、使った人の感想が知りたくてGoogleで調べた。

たくさんのブログがヒットした。

上位にきたやつはほぼ読んだけど、そのときに「????」となった。


どの記事にもほぼ100%の確率で


「スキマ時間を使って効率的に読書!」

とか

「ながら作業で耳から効率的にインプット!」

とか

とにかく「効率的に」読書できて最高!

という文言が踊っていた。


?????


私にとって、読書は趣味。娯楽。

趣味や娯楽を楽しむときに、効率的にできるかどうかを考える発想、私にはない。

もちろん、今の世の中の流れとして「タイパ(タイムパフォーマンス)」を求める人が多くなっている、ということは知っている。

映画や動画を倍速で観たり、Audibleも2倍速、3倍速で聴いたりする人もいるとか。

(私もノーマルだと遅すぎてイライラしちゃうので、いろいろ試した結果1.2倍速がちょうどよかった。2倍速、3倍速は理解できず聴き取れずで無理だった)


仕事や家事とかの「ある程度の義務や責任が伴うもの」について、効率を求めるのはすごくよくわかる。

手際よく終わらせて少しでも多くの仕事を、家事を早く終わらせたい。

そうすれば、自分の余暇として使える自由時間が増えるから。

その自由時間の中で、趣味や娯楽をゆっくり楽しむ。

みんなそうだと思ってたんだけど、どうやら違うらしい。


もちろん趣味や娯楽の内容にもよる。

キャンプが趣味だったら、テント設営とか撤収とかは効率的にやる方法が求められるだろうし、それを追求するのも楽しいはず。

でも読書に、本を読むこと聴くことに効率を求めるのは、私にはわからない。

読書って、ある程度の時間をかけて本を読んだり聴いたりして、その言葉や物語や世界に浸って、それらをちょっとずつ身体に染み込ませていくものだと思う。

ビジネス書や自己啓発書、実用書とかになると、染み込ませる方法や要素は少し違うかもしれない。

でも、読んでいる(聴いている)本の内容を身体に落とし込んでいくのは、本の種類を問わず同じだと思う。

何かの作業をしながら3倍速で本を聴いたら、その世界に浸るヒマもなく、言葉の意味を深く考える余裕もなく、ただ流れる言葉を見送るだけで終わってしまう気がする。

本の内容を身体に染み込ませて自分のものにするには、かなりハードルが高い。

私が耳から聴いて理解するのがそんなに得意じゃないタイプだから、よけいにそう思うのかもしれないけど。


趣味に効率を求めるのが悪いとか、読書するなら時間を取ってゆっくり読まないと意味がない、と言いたいわけではなく。当たり前ですが。

あくまでも私は、本や音楽や動画や映画を楽しむときに、効率のことはできるだけ考えたくないなあ、と思う。

趣味の時間くらいは、効率的に進めるための手順とか方法とか手段とか考えず、ただただ身を任せて楽しみたい。

世の中の人たちが忙しすぎるだけで、私がそこまで効率化しなくても比較的自由時間が取れる身だから、よけいにそう思うのかもしれないけど。

Audible、効率のことなんか考えなくてもじゅうぶんに楽しめます。

向き不向きはあるけど、なにも効率的にやることだけが唯一の正解ではないので。

たとえ非効率でも、趣味は楽しんだもん勝ち。

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