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ギターが嫌いなギタリストの話

私はバンドのギタリストです。
でも、ギターが嫌いです。

かなりぶっちゃけて書こうと意気込んでいる。誤解されたくないから、絶対最後まで読んで欲しいです。

話は私がギターを手にする頃まで遡る。

絶対高校生になったらバンドをやるんだと決めて、わざわざ軽音部のある高校に入った。
その軽音部には、正式に入部してから先輩に連れられて楽器屋にギターを見に行くというイベントがあった(楽器持ってない人はその後自分で買う)
1秒でも早く自分のギターを手にしたいという気持ちで一杯だった私は、正式な入部を待たずしてギターを買ってもらった。
ギターはかっこよくて、弾けないのに凄く楽しかった。
嬉しくて嬉しくて生まれて初めての自分のギターを写真に撮ってTwitterにあげた。
そうしたら、女の先輩達にTwitterで
「楽器フラゲ。どういうこと?」
「楽器先買うって何。下心いらんわ。理解しかねる。」

と見事にディスられたのだ。
やる気あるアピール、先輩に媚を売っていると思われたのだ。部活という小さなコミュニティを舐めていた…。私は入部する前にやらかしたらしく、正直終わった…と思った。

そのツイートを見てから、さっきまで可愛くて可愛くて仕方なかった自分のギターが、とても可哀想に見えてしまったのだ。
今でも思い出すだけで悲しくなる。

その後は皆自分の楽器を持ち、何も無かったみたいに部活が始まった。

当時私は年上のバンドマンと付き合い始めた。
その人はインストラクター的な立ち位置でよく部活にも顔を出していた人だった。
私が彼女だったからなのか、特別ヘタクソだったからなのか、とても厳しかった。
迫るライブの為に部屋で私がギターを練習していると、彼が近づいてきて、「なんでこんなのも弾けないんだ。このフレーズが弾けるまでやれ。」
と練習していた曲と違う、彼が弾けるフレーズを私は泣きながら弾いたこともあった。(彼はドラマーでしたが少しギターが弾けました)
ギターの事で何度も何度も注意されて、部活帰りの車で泣きながら家に帰っていました。

次第に私は誰かがいるところでギターを弾くことが怖くなっていました。

みんな私のギターを聞いて下手だと思っている…間違えたらまた怒られてしまう…
ギターを手にすると頭の中はそんなことで一杯になりました。

ついに家でギターを弾くことも億劫になりました。
あんなに楽しかったのに、ギターを触ると恐怖で頭が支配されてしまうまでになっていました。

そんなこんなで高校生の頃は途中からボーカルばかりやっていました。(別に歌も上手くないが)

大学生になって今のバンドを組んで、ギターをまたちゃんとやることになりました。

もう怖がる必要は無いし、環境も一新して頑張ろうとメンバーと練習に入りました。すると、ギターを持つと心拍数が上がってくるのです。
怖いという気持ちを無理矢理無視してバンドをやっていました。対して曲を作ることはどんどん楽しいものになりました。

しかし、とうとうこの前メンバーに「このまま君のギターが上手くならないならもうバンドは潮時だ」とまで言わせてしまったのです。

私がギターという存在から逃げ続けたばかりにそんなことを思わせてしまったのです。情けなくてライブハウスのトイレでこっそり泣きました。
本当は好きで好きで始めたギターが怖いままなのは、誰のせいでもなくそれを解決しない自分のせいだったから。

ギターが嫌いなまま6年も続けてきたのは本当は好きだから。

自分のことをギタリストって言うのも怖くて、曲が作れるからコンポーザーって言ったりしていた私に、メンバーは「お前はバンドのギタリストだ」と言いました。ハッとした。
その日から、逃げちゃダメだ!と碇シンジばりの気持ちの変化と決心があった。



最近はしばらくスタジオに入る予定も無く、ひたすらソロの曲を打ち込んでいました。
好きな曲を聴いていると、その曲のフレーズがどうしても弾きたくなったのです。
曲を作るためのただの道具になっていた私のギターに手を伸ばしました。
遊びでギターを弾いたの久しぶりだなと思った。
ギターを初めて持ったとき、とまではいかないけど、それくらい楽しかった。
わざわざ人が居るところに行って練習してみたりもした。やっぱり弾きながらチラチラ人の顔を見る癖や心臓がバクバクするのは治らないけど、別に練習してても誰も怖い顔する人は居なくて、大丈夫かもって少し思えた。

好きなものを守れるのは自分しかいないし、好きなものを好きでい続ける努力は厭わない姿勢でありたいと思いました。

うーん。
タイトル訂正しますね。

(人前でギターを練習するのがちょっと怖いけど)
ギターが好きなギタリストの話
に。

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