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声がデカイ私の考え事。

自己紹介記事にも書いていることなのだけれど、私は声がデカイ。
でも、小さい頃から声がデカかったわけではない。
小さい頃は気が弱く、怖がりで、声も小さかった。


私の声がデカくなったわけとは。

今の小学生も変わらないのだろうけれど、音読、という宿題が毎日出ていた。
大人になって、あんなのサボる宿題の代表格!みたいな声を複数聞いて驚いたのだけれど、小学生の私は、それはそれは律儀に音読をしていた。
母も律儀にそれに付き合ってくれていた。
ときどき、母と私のタイミングが合わず、夕食後、父もいる場で音読をすることがあった。
この音読について、父はとても厳しかったのである。
「声が小さい!もう1回!!」
と、何度言われたことか…。
頑張っても頑張っても父からの合格が出ないので、私はしまいに泣きだしてしまい、最後にはやけくそになって泣き叫ぶように音読をして、ようやく合格が出た。
合格まで1時間ほど、19:30から20:30くらい。
私たちは当時、オンボロの長屋に住んでいた。
隣に住むおじいちゃん(他人)の咳払いも普段からめちゃくちゃ聞こえるくらいの壁の薄さ、オンボロさ。
その時間帯に、隣に住む小学生が泣き叫びながら音読。
いやはや、すーごくメーワクだっただろうな…。
令和のいまでは、絶対苦情がきていただろうな…。

こういうことが何度かあって、小学6年生になる頃には、私は声のデカイ子になってしまっていた。
卒業式でよく行われる、答辞がわりに卒業生が大声でかけあうメッセージ、あの練習でお手本とされるほどに。


それから四半世紀ほど、声がデカイ人間として、得をすることもあれば、悩むこともあった。


まず、得をすることといえば、マイクを通さなくても声が通るので、集会でのコメントにタイムラグが生じず、かつ、マイクをまわす人の労力を使わせないことだ。
なので、どこに座っていたとしても、意見が言いたければ言うことができる。
保護者会とか。
幼稚園の発表会の感想とか。

次に、上司に仕事の相談をしているときに、その件についてよく知っている人が、ツツ〜っと寄ってきてくれること。
私の相談内容が筒抜けなので、担当者や精通した人を探す手間が省けたり、解決策を得るまでの時間の短縮ができる。

さらに、耳の遠い再任用さんへの通訳(?)としても活躍できていたこともあった。
自分の得意なことで、人の役に立てるということは、良きことである。


一方で、考えものなこと。

まず、内緒話ができない。
これは職場の人に(けして悪口じゃなく)言われたことがある。
私も、声を潜めているつもりでも、もともとの声がデカイので、常識的なヒソヒソ声の音量になっているのか心配になる。
仕事で個人情報を扱っているときとか。
私は今、庶務系の仕事をしていて、人事労務系の仕事も少しするので、休職についての手続きの話とか、障害者枠の方の話とか、他部署の人と内線電話で打ち合わせせざるを得ないシーンがある。
一応、みんなの席から離れたところにある電話機を使用するようにはしているけれど。
こう考えると、声のデカイ庶務担当って、まわりの職員としては結構イヤじゃないか…?

次に、自分の声のデカさに慣れてしまって、私の聴覚、衰えてない?と心配になることがある。
耳が遠かった大伯母も晩年はとても声がでかかったのだけれど、じゃあ私はどんなおばあちゃんになってしまうのだろう…?と、今から少し不安である。

さらに、悶々とするシーンがときどき発生することである。
たとえば、病院やごはん屋さんで、「番号札○番の方〜」と受付、お店の人が呼んでいるときに誰も反応しないとき、とか。
なんだか、その何度も呼びかける声を聞いている私がオロオロしてくる。
病院は体調が悪い人が集まる場所で、大きな声をだすわけにはいかないので、わりと堪えられるのだけれど。
ごはん屋さんでは……。
「はいはい!○番の人〜!!お店の人が呼んだはるで〜っ!!早よせなごはん冷めるで〜!!」
お節介な大阪のおばちゃんよろしく大声を出したい衝動に駆られるのだ。
絶対にまわりの人に(もしかしたら一生懸命呼んでるお店の人にも)ドン引きされて、いたたまれなくなるだろうから、しないけれど。
いかんせん、声がデカイことが特技という確固たる自信があるだけに、すごく悶々とするのだ。


このように振り返ると、「声がデカイ」というのも考えもの。

一方で、ここまできたら、ときどきどこかで開催されている大声出す大会(?)に出場して優勝してみたい…という野望も最近少しある。



……結局、どっちやねん。。



※画像はお借りしました。ありがとうございます。



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