がんじがらめ
夜鶯の告げる真空の奇跡
指先から全神経を繰り出して
耳を欹てる
白く細い糸の絡まり縺れ
月と星の光に晒されて
それはまるで烏瓜の花のよう
脊椎を駆け上がる不意の痛み
零れ落ちる体細胞が蒼白い
大気と水の境界は常に揺らぎ
針は震えながら記録を続行
君の眼窩に這わせたい
僕の憂鬱を
すこしばかり不安が募る
あまりにも気違いじみている
そんな風に僕を見てたの
だけど君には教えないよ
だって これは僕じゃないもの
撮影:立島夕子
モデル:由良瓏砂
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