音楽を楽しむ暮らし
新築やリノベーションをする際、音楽が好きで自分好みの使い勝手を取り入れたいクライアントさんとは、ヒアリングの時に、イメージを伺います。
私は音楽好きですので、自邸を建てる際は、こんな場所でこのように聴けると心地いいだろうなというイメージをもっていました。
機器やメディアとの位置関係、リビングダイニングで聴きたいので家族との動線がかぶらないようにしたい、友達を招いた音楽パーティもできるといいなとかそんなイメージです。
それを実現して感じること。
アンプやスピーカーは好きなものを選んでいるので音質には満足しているのですが、それ以上に感じるのは、自然素材の空間での音の響きが心地よいということ。
多孔質である珪藻土や漆喰や木材、シナ合板などの素材で設計した空間は、音をほどよく吸収するので、音響に良い効果がでます。楽器を弾いても空間全体に質の良い音が広がります。
実際、これらを採用して設計させていただいた住宅で、スピーカーからの音色やギターの音色を聴かせてもらうと、やはり音の響きが心地よいのです。
そんな音楽好きな方の住宅を少しご紹介したいと思います。
手作りスピーカーにこだわりがあり、大小様々なスピーカーをお持ちのクライアント。
スピーカーの数が多く配線がごちゃごちゃするので、AV機器を収納する造作家具に配線を収納できるスペースを設けました。またAV機器をレイアウト変更したときの想定位置にコンセントを設置することで、露出配線にならなくてすみます。
クライアントお気に入りのソファとコーヒーテーブルに合うAV機器置場を検討しました。
AV機器を置く位置はリビングの一角。レッドシダー無垢の棚を壁の下地とスチールの柱1本で支えました。
シンプルな構成にしたことで、金属のAV機器と木製スピーカーとも調和して素朴で温かい雰囲気に。
プロジェクターからの映像と音を楽しむ時間がほしいクライアントさん。
畳リビングのAV収納から5m先のプロジェクターまで床下で配線しています。
プロジェクターと映像を写す壁の位置関係や将来ケーブルの交換にも対応できるよう床下には空配管を設置するなど、細部まで検討しました。
それぞれの音楽の楽しみ方は、それぞれ個性があって魅力的。
現在はbluetooth対応のAV機器やサブスクで豊富な音源も聴けるようになり、私も仕事では活用していますが、プライベートではあえて自分らしい聴き方ができる環境を作ったことで、音色をより楽しめて、癒しの時間ができています。
それと自然素材の空間は意匠性が良いこと、調湿効果で空気が気持ち良いことだけではなく、音響が良くなる効果や料理をする時、趣味を楽しむ時にも五感が刺激されて相乗効果が生まれることを実感しています。
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