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七夕と盆と月の関係

今年は8月の7日が立秋、8日が旧暦文月ということで、暦は矢継ぎ早に秋を告げました。理屈的にいえば、この時季より秋養生!となるのかもしれませんが、個人的な意見というか経験則で言うなら、この時季は長夏の養生、土(脾・胃)のメンテナンスが大切なように思っています。ひいてはそれが子である金(肺・大腸)を養うことにもつながります。

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この時季の祭事としては、五節句のひとつ「七夕の節句」があげられるかと思います。上巳や端午の節句同様、七夕もまた本来は旧暦で行われていました。今回は七夕のことを旧暦的視点で書いていこうかと思います。


七夕と月の関係

旧暦は必ず新月が一日であり、そこから日を数えていきます。月はおおよそ7日周期でその形を変えていきますので、日を知る上においてはとても便利でした。なので、おおよそ旧暦の7日は上弦の月、15日は満月、22日は下弦の月といった感じで、日にちと月の形が連動してきます。

七夕といえば、織姫と彦星が天の川で年に一度、月の舟に乗って会いますが、旧暦的にいえばその舟の形は必ず上弦の月の状態ですし、夕暮れかた夜にかけて空にちゃんと月が昇っています。

しかし新暦7月7日だと、月の形はまちまちだし、月の出入りもまちまち。ちなみに今年の7月7日は晦の前々日(5月28日)だったので、月はほぼ欠けた薄い薄い月。しかも月の出は、深夜2時20分。いわゆる鑑賞時間に眺めても、月の姿はみえません。

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また新暦の7月7日だと梅雨の真っ只中で、今年は終日雨が降っていましたが、旧暦7月7日(今年は8月14日)だと晴天に恵まれることも多く、最近では旧暦七夕の日が復活しているところも増えてきています。


七夕と盆の関係

七夕は、中国の風習と日本の行事ごとが入り混じっており、様々な側面をもつ祭りなのですが、そのひとつにあるのが、本来の目的として「盆を迎えるための禊」としての役割がありました。そのためキーワードとなるのが、川であり水です。上巳の節句同様、禊に水は必須。

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本来お盆は、旧暦7月15日に行われていました。ご先祖様をお迎えするにあたり、穢れを祓い身を浄めることが七夕でした。現在七夕は新暦7月7日、そしてお盆は旧暦の名残で一か月遅れの8月15日で定着していますが、これは改暦にともなう弊害のひとつで、本来セットであったものが分離してしまいました。

東京などでは新盆という形で7月15日に行われているようです。


盆と月の関係

お盆が旧暦7月15日だと、月はほぼ満月です。そんなお月さんの下で開催されるのが、盆踊り。そりゃテンションも上がります。

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また五山の送り火の16日もやっぱり旧暦でしたから、左大文字の横にまんまるいお月さんがちょうどセットに。

今年で計算してみると、旧暦7月16日(新暦8月23日)の月の出は19時26分、東の空に昇ります。送り火の点火時間は20時。いやぁ、きれいだろうなぁ。

旧暦と月と祭事、おもしろいですね。ではよき旧暦的七夕&お盆を。


ゆらね養生雑記 旧暦文月号


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