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ひな祭りにみる、新暦と旧暦の違い

そろそろ五月人形やこいのぼりを用意して、、、といったご家庭もあるかとは思いますが、旧暦的には、まだお雛さんの季節。

3月3日のひな祭り。もうずいぶんと前の話しのようですが、本来ひな祭りは、新暦が採用されるまでは、旧暦の日付けで行われていました。これは、七草や七夕といった五節句全てに当てはまります(夏越しの祓えなどもそうですね)

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節供とは季節の節目に、それぞれの儀式を通じて、厄払いや無病息災を願う日。こうした祭事を旧暦でみてみると、節句本来の意味がよくわかり、養生に役立つ知恵のようなものがたくさん詰まっています。ということで、今回はひな祭りのことを旧暦的視点で書いてみようかと思います。


桃、そして巳の節句

昔に倣えば今年のひな祭りは、4月14日(旧暦3月3日)となります。肌寒かった新暦の3月3日とはずいぶん雰囲氣が違いますね。

まず、ひな祭りは別名「桃の節句」と呼ばれるように、桃の花が咲くこの時期に行われていました。新暦ならさしずめ梅の節句といった感じでしょうか。

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またひな祭りの正式名称は「上巳の節句」といって、本来は旧暦3月の上旬(最初)の巳の日(今年は4月15日)に行われていましたが、後に奇数(吉数)が重なる日を五節句と定めたことにより、3月3日となりました。

そもそもなぜ巳の日にこのようなマツリゴトをしたのかといえば、巳(へび)は脱皮をする動物で、その力にあやかって我々も古いものを脱ぎ捨て、新しい自分に生まれ変わろうとした、つまりひな祭りとは、浄化及び変容の日であったとも言われています。


禊から生まれたアマテラス

また現在のお雛さんは立派なお人形ですが、本来は紙で作った人形(ひとがた)に自身の不調箇所や災いなどを移し、それを川に流した「流し雛」や、川辺で遊ぶ「ひいな遊び」などがその原型と言われています。

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ここでポイントになるのは、川。つまり水であり、その意は禊にあります。水そそぎが禊(みそぎ)の語源と呼ばれるように、浄めに水は必須です。もちろん厄を祓う意が本義だとは思いますが、黄泉の国から逃げ帰ったイザナギが海で身を浄めた時にできたのが、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの三神であることなど、禊とは新しいものを生み出す行為でもあります。

余談ですが、イザナギが黄泉の国から逃げる際、その追っ手(醜女)に投げつけたものが「桃」というのも、やはり桃が魔除けのシンボルとして登場していて、とてもおもしろいですね。

また「浜遊び」といって、3月3日に潮干狩りしたのも、海水に足を浸して身を浄めることが、本来の目的とされていました。新暦3月3日だと、水遊びってめちゃめちゃ冷たくって大変ですが、この時期なら冷たいけれども、きゃっきゃとはしゃげるくらいの陽氣かと。


弥生(いやおい)の月

中医学の古典書には、春は「発陳」の季節であり、古いものが新しいものに入れ替わる時期だとしています。

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水や巳のパワーを借りて、いよいよ生まれる。上巳の節句に「弥生」という言葉がよく似合いますね。そのものですね。ではよき晩春を。


ゆらね養生雑記 旧暦弥生号


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