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偶然の出会いから舞台へ:女中役「ナオ フクモト」さん

劇団ゆらじしゃく『授業』の公演本番まで、いよいよ3週間に迫ってきました。

今回は、女中役を務めるナオ フクモトさんに、ゆらじしゃくの公演参加へのきっかけや、これまでの数ヶ月の振り返り、そして本番への意気込みについて教えてもらいました。

——— ナオさんは今回初めて劇団ゆらじしゃくの公演に参加されます。ゆらじしゃくとの出会いや、『授業』への参加のきっかけについて教えてください

実は、ゆらじしゃく主宰の菜々子さんとは、谷中の道端で意気投合したことをきっかけに知り合ったんです。私たちは共通して、ロンドンのブランドである『LAZY OAF』が好きなのですが、全身LAZYの服に身を包んだ菜々子さんを見かけて、思わず「かわいい!」と声をかけたんです。二人とも「日本で、全身LAZYを着てる人がいるなんて…!」と盛り上がり、SNSを交換したことから、菜々子さんも私も、演劇を主宰していることを知りました。

谷中銀座で出会った時の写真。二人とも全身LAZYでした🐸

出会いから1年後、菜々子さんから連絡をもらい、今回の『授業』に、女中役として参加しない?と声をかけてもらい、色々迷いもあったのですが、参加することを決めました。

——— 稽古を開始してから、今までどのような変化がありましたか?

実のことを言うと、今かなり自分の仕事が忙しく、演劇を1年ほど休んでいる状況で、今回の公演も断ろうかと考えていたんです。菜々子さんに「スケジュール面は調整できるよ!」と言ってもらい、今は週2回の頻度で稽古に参加しています。

女中のシーンはそこまで多くないのですが、最近の稽古を通じて、やっと「こうなのかも!」と役をつかめてきました。稽古が少ない分、まだ積み上げられていないのですが、今後さらに掴めていけそう!という気持ちもあって、楽しみです。

また、今回の公演は生徒役が(加藤)瑶子さん・(丸山)千尋さんのダブルキャストということもあり、そのお二人でもかなり違います。当たり前ですが、同じ役・同じシーン・同じセリフでも、全く同じようには演じられないな、と難しさを感じています。千尋さんと一緒に稽古をしたシーンで「いける!」と感覚を掴めても、たまこさんと同じシーンをやると「このままじゃ、舞台に出れない」と感じてしまうことも。少し掴めてきたところがある分、ここでまた頭を一度フラットにして、取り組まないといけないのだなと感じています。

——— ナオさんは、加藤瑶子さん・丸山千尋さんの違いをどう感じていますか?

お二人に共通するキャラクターとして、お二人とも聡明で、素直な生徒です。表層的な部分だと、ちひろさんはスマートで、いろんなことに繊細に気づくので「彼女を繊細に取り扱わねば…」という気持ちになりますし、教授の悪の側面を「ばれないように隠さなきゃ!」と感じてしまいます。

たまこさんとの演技は、今のところ、楽しすぎますね!積載しているエンジンが大きな人なので、つられてパワー制御ができないような状態になってしまいます(笑)でも、このままだと舞台としては成立しないこともあるから、制御はしなくちゃ。

ななこさんの意図だと、力関係的には、生徒<教授<女中、というパワーバランスに見えていてほしいそう。なので、女中を強く出しています。とはいえ、友達の家に遊びに行った時に、友人がお母さんに怒られているような場面を見ると、萎縮しちゃうし、気を使わせちゃいますよね。パワーバランスは保ちつつ、そこは見せないようにしています。

——— 田中正秋さんとの演技はどう感じますか?

田中さんも、ダブルキャストのお二人に対しての演技は全く違って見えるので、人と人って面白いな、と思います。そして彼の素晴らしいところが、その場で感じたものを、そのまま出して、そのまま動ける点。その上で繊細な演技もされていて、見ていて全く飽きないです。

——— 本番に向けて、特に準備していきたいポイントはありますか?

今のところ、まだあまりできていませんが、ダブルキャストである以上、舞台によってできるだけ違う女中が演じたいなと思っています。その上で、同じきっかけにできるポイントは共通したり。60分の演技として、共有できるところを増やしていけるといいのかな。

また、女中は、『授業』の中で、母的な役割を担っていると考えています。女性の驕りかもしれないけど、人間の生の循環というか。また教授の悪の部分の赦しも担っており、その赦しが、教授の悪行をさらに助長しているところもあります。そして、最後には、彼が再生するために、希望を託す。

そうした女中の役割をさらに際立たせるため、本番に向けて、さらに田中さんとの信頼関係が必要だと思っています。いかんせん、まだ時間を過ごせていないので。田中さんとの信頼関係を築き、田中さんが「女中」である私に甘えてくれるように。すでに、前半のシーンなどで、自然と甘えてもらう構造ができてきた部分もあるので、今後さらにシーンを繰り返すことで、お互いの演技への信頼感も醸成していきたいです。

——— ありがとうございました!


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