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両丹日日新聞連載8(2022年6月)

未来へ繋ぎたい日本の豊かな食と食文化

薬膳指導者 原田 芙美 (福知山市)

京都府福知山市で薬膳指導者として活動しています原田芙美です。
一次産業に携わっていない私がどうして「ゆらジェンヌ」として活動しているか、それは「日本の食を守りたい。食で健康寿命を伸ばしたい。」との思いからです。

私は以前、作業療法士として働いていました。
そこで関わらせていただいた患者様から畑のこと、昔の生活のこと、お料理のこと。
人々の生活に「食べ物を作る」という作業が自然と行われ、そして親から子に、そして孫にと脈々と受け継がれてきたというのを感じました。
入院中も「そろそろじゃがいもを植えなあかん」や「花の世話をしに帰らなあかん」とリハビリを頑張って退院されていく患者様の姿に、生涯現役とはまさにこのことだなぁと尊敬の念を抱きました。
また、精神科のデイケアセンターでは、園芸療法として、利用者様と畑作業をするプログラムを実施していました。土に触れる、草の匂いや花の匂い、日々成長していく作物、そして収穫の喜びとそれをみんなで味わう幸せ。体だけではなく、ココロにも良い影響を与えてくれるのが農業の素晴らしさです。

京都野菜耕房さんの畑で開催した「畑de薬膳」講座。収穫した野菜をその場で調理していただきました。

とはいえ、目まぐるし現代社会において、作物を作るのは至難の業。
私自身も大学院在籍中は援農ボランティアに通い、卒業後に自身でも畑を始めてみました。が、自分や家族が食べていくだけの食料を作ることさえままならない。そうこうしているうちに、鹿が出るようになり、植えた作物は綺麗さっぱり食べられる。
自然の厳しさを感じた経験でもあります。

テーマ食材は「大根」大根を使った10品以上のお料理が食卓に並びました。

そんな中、周りを見渡すと、中丹地域には魅力的な食材がいっぱいあることに気が付きます。万願寺とうがらしをはじめとする京野菜やお米、丹波栗、丹波の黒豆。海も近く、新鮮な魚介類が手に入ります。
畑をしているときは敵だった「鹿」や「猪」も、食材としてみた時には、薬効高く、地味深い山の恵みです。(お茶の産地としても優秀だということも、なんだかとっても誇らしい。最近では「中丹茶」としても手に入るようになり、嬉しい限りです。)

2020年に商品化した薬膳鹿スープ「紅ボルシカ」

こんな素晴らしい中丹の食の魅力を伝えたい、食で病気にならない体づくりをサポートしたいとの思いで、現在は活動しています。
2015年から3年間、京都府の開催している薬膳インストラクター養成講座を受講し、「薬膳指導者」の認定をいただきました。
2021年には第5回ジビエ料理コンテストにて「全国日本調理技能士会連合会会長賞」を受賞。京都府のYouTubeチャンネルにジビエ動画の提供、「京都中丹ジビエレシピ」にもレシピ提供させていただいています。
また、2021年には「きょうと食いく先生」に認定いただき、今年の4月には一般社団法人食育日本食文化伝承協会「日本食文化アンバサダー」の認定もいただきました。

ママの笑顔、そして毎日の食事が健康な体を作ります。

「食」を通じて豊かな社会を後世に繋いでいきたい。
これからもゆらジェンヌのメンバーと共に、中丹の魅力を多くの方に届けられるよう頑張ります。応援よろしくお願いします!!



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