適応障害って、なんだ? スイッチとエネルギー

2024年某日 都内 心療内科にて



私「あの~。先生、私の病名はなんて言うのでしょうか?」

Dr「うーん、、、強いて言うなら‘抑うつ状態’とか‘適応障害’だね」

私「適応障害(てきおうしょうがい)、、、?」

Dr「そうだね。心の病気は、診断名をつけることにそこまで意味はないと思うけど、あえてつけるなら適応障害だね」

私「意味はないんですか?」

Dr「うん。心の問題は絶えず変化するし、本人にも医者にもわからない部分が多い。だから診断名で先入観に縛られたりすると、治りにくくなることもある。だから、あえてつけるなら適応障害。」



ほーん。なるほどね~。でも、、、

適応障害って、なんだ?環境に適応するのに障害があるってことかな?

初めて聞いたぞ。
それにしても、心の病に名前をつけることにはリスクがあるんだなあ。



と、これが私の適応障害に対する最初の印象でした。


2024年のとある日、私は何もできなくなりました。


家族とも友達とも、職場関係者ともコミュニケーションができない、したくない状態になりました。


私がなぜ抑うつ状態、適応障害となったのか、、それはまたの機会に記すとして。


今回は、私の主観(しかも、かなり抽象的)ですが

適応障害とはどんなものなのか、どんな特徴がありそうか考えてみたい

と思います。


その際、【スイッチとエネルギー】の例えを使ってみたいと思います。






「やる気スイッチ君のはどこにあるんだろ~?」



有名な某学習塾のCMですね。

まだやってるのかな。


さて、あなたも心にやる気を起こすスイッチがありませんか?このようなスイッチをイメージしたことがある人も多いのではないでしょうか。


また「あの人は切り替えが早いね」など、気持ちを入れ換えるときもスイッチのようなものを心理的にイメージしますよね。


【スイッチ】

気持ちや考えを切り替えたり、やる気を入れるか入れないか決めたりするもの また、気持ちを入れる対象を変えるもの

と考えます。


これを、理想的であり生きるのが上手な人の場合と適応障害の人との場合で考えてみます。


⚫理想的であり、上手な人

スイッチをある程度自分でON/OFFできる

スイッチのON/OFFと、人によってはやる気、元気の出力調整のツマミがついている

ツマミのひねり具合もある程度調整できる

スイッチが何種類かある

シーンによって使い分けられる




⭐適応障害の人

スイッチを自分で操作できない

そもそもスイッチがあるのかどうか把握してない

スイッチがどこにあるのかわからない、いくつあるのかもわからない

本人はOFF状態なのに他人に対してはONのフリをする

ON/OFFスイッチが故障している

切り替えるタイミングがわからない

出力調整のツマミがあるが故障している、またはツマミが止まる位置が極端(マイナスやオーバーなど)

スイッチ操作や、出力調整などの作業に極端にストレスを感じる、時間がかかる

他者にスイッチ操作や、出力調整を強要されるとしんどい




最初に登場した、「理想的であり、生きるのが上手な人」というのは実際には世の中に多くは存在しないかもしれません。

それより、どちらかと言うと後者の適応障害的な特徴を抱え悩んでいる、疲れている人の方が多いのかも。



さて、次はエネルギーで考えてみます。



【エネルギー】

精神的なやる気、肉体的な体力など、心身を動かす活力

タンクのような容器に入っているイメージ

適切な食事、運動、睡眠、他者とのコミュニケーション、自分の時間を過ごす等で回復する


と考えます。

ここでも両タイプをみていきます。


⚫理想的であり、上手な人

タンクの総量、現在の容量(残量)、使用ペース、回復ペース等を把握している

残量が減ってきたときに、回復の術を持っている

残量を他者に伝えて、回復行動をとることができる

タンクを複数持っている、使い分けている

他者のタンクからエネルギーを分けて貰ったり、他者と一緒に物事を動かそうとする





「エネルギーのタンクを複数持っている」なんて、なんとも理想的な状況ですが、私はあり得ると考えています。


心理学者の河合隼雄さんの著書「こころの処方箋」によると、こころのエネルギーとは鉱脈のようなもので、新しい鉱脈を堀当てると新しいエネルギーが湧いてくるものだと。


確かに、楽しくて仕方のないものに没頭するときは、不思議と力が漲ってきますよね。

楽しいこと、気持ちのよいことには、疲れにくい仕組みがあるのかもしれません。


これらに対して、適応障害のような特徴を持った人は、スイッチ同様に難点がいくつかあると考えます。


⭐適応障害の人


タンクの総量、現在の容量(残量)、使用ペース、回復ペース等を把握していない、もしくは錯覚している

残量が減ってきたときに、回復の術を持っていない

残量を他者に伝えることや、回復行動をとることができない、または遠慮する

エネルギーの回復に時間がかかる
または、回復できていない

一つのタンクに頼っている
または、自分のタンクにあるエネルギーだけで物事を動かそうとする



と、こんなところでしょうか。

またスイッチのときもそうでしたが、理想的であり、上手な人というのは、なかなかどうして、成りがたいものなのかも知れません。

これが上手に苦もなくできる人が本当の大人なのかな、なんて思ったりもします。


ただ、周りを見渡してみると、この上手な人というのは意外と身近に存在することもあります。

また、上手だなと思って話してみると想像より苦労や工夫をしている場合もあるかも知れません。


そして、今回は2つのタイプに分けてみましたが、当てはまらない中間的な人も多く存在するでしょう。

ただ、適応障害というものにはそれなりの特徴があり、ホンの少しの‘工夫’で生きやすく、すごしやすくなることもあるようです。

2024年8月現在、私も工夫をしながら「心地よくすごせる、ちょうどよい加減」を探している最中です。


その工夫については別の機会に記すことにして、、

工夫のなかで適応障害というものに対する印象は変わっていくのか、特徴が見えてくると工夫も変わるのか。
また気付きや発見があったときに記したいと思います。

おわり

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