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202305 雑記

あるテレビ番組で『自分のことをカッコいいなと思った瞬間』というトークテーマで話していた。

ふと、横で一緒に観ていた夫が
「ある?自分のことカッコいいと思った瞬間。」
と聞いてきた。

わたしは、とあるワークショップに参加したときのことを思い出した。

すごく好きな作品をつくられた方のWSだったので、かなり気合を入れて臨んだ。
その方の作品に自分も出たいとも思ったし、どんなことを俳優に求めるんだろう、どんなことを考えているんだろう、とワクワクが止まらなかった。

詳細は伏せるが、WSは今思い返しても胸糞悪くなる出来事のオンパレードだった。
その中でわたしが一番許せなかったのは、参加者の1人が伏せたいと思っているセクシャリティを無理やり開示させたことだ。
なかなか言いたがらない参加者にその人は
「自分は、相手に対して自分を開示できない人とは仕事をできない」
というようなことも言った。
WSに参加する人にとって「あなたとは仕事はできないよ」と言われるのがどれほどショックなことか。
そして開示した途端に「よくみんなの前で言ったね。我々はみんなあなたの味方だから。」と急に主語を『自分』から『みんな』にした。

わたしは、その参加者のセクシャリティなんか知りたくなかった。
言いたくないことは言ってほしくなかった。
「ふざけんな!」と無理やり言わせたその人の胸ぐらをつかみたかった。

もやもやした気持ちを抱えながら、WS終了日。
最後に「なんでもいいので質問や感想など話したい人はいますか?」とその人が言った。

今しかない、と思った。

「ハラスメントについて、どう思いますか?作品を作る上で仕方のない部分があると思いますか?」

もしかしたら声は震えていたかも知れない。
それでも言った。

「ええと、そうですね…自分は、現場では暴力はふるいませんし、俳優やスタッフのこともさん付けで呼びますし…」

その人の言葉に覇気がなくなった。

「あ、はい。わかりました。」

もう、何を言われてもどうでもよかった。
その人が現場でどう振舞っていたかは知る由もない。

「あのとき、勇気出してみんなの前で言ってやったわたしはカッコよかったと思うんだよね。」
夫にそう言った。

……と同時に、自分にとっての『カッコいい』って「言いたいことを言う」なんだなあと思った。


トップ画像はGWに行った長野県諏訪の酒蔵で。
麗人。

言いたいこと言う麗人になりたい

【今後の出演】
◆明後日プロデュース『ピエタ』
2023年7月27日(木)〜8月6日(日)下北沢本多劇場
他地方公演あり

◆ニッポン放送とノーミーツが手がける舞台演劇番組イベント生配信ドラマ
『あの夜であえたら』
2023年10月14日(土)15日(日)東京国際フォーラム ホールA


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yuracco
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