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2 生と死の狭間の感覚

生きてる感じがしないと思う事が何度かある。
それは身の危険を感じた時に感じる感覚。

長男と長女の両親から生まれた初子=僕は絵に描いたように周りの人たちに溺愛されて育った。
そもそも重度のアトピー性皮膚炎であり、小学生低学年の頃は包帯グルグル巻きで見るも無惨な姿だった。全身に軟膏を塗り、包帯を巻いても夕方には掻きむしったせいで赤く血が滲む始末。
そんな事もあり両親や祖母からの助けを人一倍受けた。
皮膚炎だけでなく、昔から身体が弱かったため、少しの風邪でもすぐさま病院へ連れて行ってもらい、薬漬けの記憶がある。
両親の愛ある助けのおかげで、今では皮膚炎は克服でき、当時の面影は全くない程までになった。
けれど身体が弱いのは相変わらずで、特に喉と肺と腰の病気はそこそこ網羅。
ここ最近だと1人で立ち上がれない程の激痛が走った椎間板ヘルニアと41℃が2日続いたコロナウイルス感染症は本当に死がよぎった程危険を感じた。
その時に感じる感覚はなんとも言えない。
まっ白い部屋の真ん中で浮遊しているような
滲んだ絵画の中に入り込んだような
それはどこか居心地が良く吸い込まれそうになる感覚。
僕は度々体験するその“生きてる気がしない”危険な感覚に魅了されてしまう。

その感覚を幼少期から感じていたからだろうか、僕が好きなモノは生と死を連想させる。

アートシーンは横尾忠則、Peter Doig、Gustav Klimt
音楽は坂本慎太郎やThomas Yorke
漫画家は駕籠慎太郎、丸尾 末広、梅図かずお
アニメはブラックジャック、ゲゲゲの鬼太郎、ひぐらしのなく頃に
映画はThe Silence of the Lambs、Trainspotting
ファッションは1940-50s French vintage

こうして書き留めていると分かった共通点
それは不気味で暗く濁った鬱くしいそれら

僕は無意識のうちに鬱くしいそれらを身近に感じる事であの“生きてる気がしない”生と死の狭間を探求したいのだと思う。

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