たどりつく
読書が好きになるきっかけの作家さん
そのうちの一人である島本理生さん
久しぶりに読みました。
「星のように離れて 雨のように散った」 島本理生さん
(本の概要より)
行方不明の父、未完の『銀河鉄道の夜』、書きかけの小説。
三つの未完の物語の中に「私」は何を見い出すのか?
人生の岐路に立つ女子大学院生を通して描く、魂の彷徨の物語。
人との会話の場面が多く
その会話内容がとても興味深い一冊でした。
特には『ノルウェイの森』の中での会話に
「何を感じたか」を確認しながら語り合うシーンが印象的でした。
また会話の中にさらっと織り込まれた心理テストが面白かったです。
こんな感じの↓↓
【問題】
道の真ん中に裸で放り出されました。
向こうから人がやってきます。
とっさに隠す箇所はどこですか?
隠せるのは一つだけです。
考え込んだ私の答えは
「つまさき」
屈めば色々隠せて、下を向けるので顔も隠せる。
もはや一休さんの「トンチ」みたいな思考。
そこで思い出したのは、
未来からやってきたターミネーターが
現代に着地した時の姿勢。
頭の中にはシュワちゃんが
アノ格好でしばらく居座り続けていました。
えっと、真面目にやり直します。
「とっさ」の行動なら、きっと
自分をハグするみたいに腕を掴んで、
胸を隠すかなっと思いました。
このテストで見えてくるもの=「答え」は
「Thank you」のタイの下に添えておきます。
気になる方は、そちらで確認してください。
この作品は単行本の時からラストの一部を変えているそうです。
私は文庫本で読んだので単行本のラストがどんなだったのか
一度覗いてみようと思いました。
文庫化には作家○○さんの解説や
著者あとがきがプラスされていたりして
「新刊」とは、また違った楽しみがあっていい。
今作の余韻と過去作の記憶が混ざりあい
とうてい自分一人では辿り着けない場所
どんな所か言葉にはできないけれど
「たどり着いた」みたいな気持ちにさせられました。
不思議・・・
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