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1000円で限りなくご機嫌になる

1000円というお金の、可能性を考えるのが好きだ。たいした額ではないかもしれないけれど、考えようによってはたいした額にもなる。軽いランチだったら人にごちそうできる。ちょっとした美味しいお菓子が、ちょっとだけ買える。単行本は無理でも文庫本は変える。映画の日だったら映画が観れる。普通のスーパーならちょっと良い果物も買えそうし、千疋屋のショートケーキを買ったらお釣りがくる。

この前新宿に久しぶりに行った。甘いものが食べたいなと思いデパ地下でケーキでも買って帰ろうかと思ったけれど混んでいたので探す気がなくなった。ふと、「パフェ食べたい」と思い立ったと同時に、新宿には「タカノフルーツパーラー」があるではないかとひらめいた。

タカノは実家に住んでいたころ近くにあったので、昔たまにいっていたけれど、そういえば実家を出てからたぶん一度もいっていない。実家にいたときは大好きだったのに、なぜ大好きなものが近くにないというだけで私は今まで忘れていたのだろうと、急にタカノへの気持ちが募り、新宿のタカノのビルの地下にある、フルーツパーラーに初めて行ってみた。

地下にあるパーラーはカウンター席が並んでいて、気軽に入れる雰囲気だった。意外と男性のひとり客も何人かいる。二人組と、一人の人半々くらい。一人の人はみなもくもくとパフェに向かっている。ここは真のパフェ好きが集まる場所なのか・・・と胸を熱くしながら苺のパフェ(税込み1080円)を食べた。

果物屋さんのパフェだから苺が美味しいのは当たり前だけど、期待を裏切られないことに安堵しつつ美味しさをかみしめる。苺のシャーベットもパフェの中でアクセントになって美味しい。そして特に良かったのは生クリーム。ミルクっぽい甘さですごく好きな味で苺に合っていた。まさに至福の味だった。

たった1000円で、こんなに感激できるとは、と感動した。

1000円といえば、私がこの前夜遅い仕事帰りにお店がやっていない中しょうがなく入ったジョナサンで食べたすごくおいしいわけではない鶏肉のみぞれに定食(メニュー名わすれちゃった)よりも安い。あれはたしか1300円くらいした。別にまずいわけではなくて、おなかいっぱいになったし助かったんだけど・・・。

他にお気に入りで定番の1000円の使い方は、700円程度の文庫本と300円程度の喫茶店の紅茶で、2時間ほど楽しむのも失敗がない。文庫本の選択によっては「・・・」となるけれど、好きな作家を選べばこれは大丈夫だろう。

あとは会社の近くにある中華料理のお店のランチ。溜池山王にある頤和園というお店のランチは、お昼時は行列ができるほどの人気で、間違いなくおいしい。シュウマイと、麻婆豆腐、レバニラが好き。

1000円には、可能性があふれている。ランチでもお店が妥協した(周辺の平均値段に合わせましたというような)1000円ランチではなく、お店の心意気を感じる1000円ランチが食べたい。たかが1000円ランチ、されど1000円ランチだ。

それにしても1000円のパフェの感動は、ここ最近ではヒットだった。ケーキみたいに買って帰れないから、そこでしか楽しめないというところも良い。

ひとり焼肉はしたことがないけれど、ひとりパフェにははまりそうだ。これから何か落ち込むことがあったら、パフェ食べよう。

落ち込まなくても、いろんなお店のパフェをしばらく食べ比べようと思う。

#日記 #コラム #エッセイ

#1000円で元気になれるモノ

*昔書いた記事ですがぴったりなハッシュタグ見つけたのでタグだけ追記しました

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