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大気中の二酸化炭素量を算出・視覚化する


地球の気候変動が加速する一方で、環境大臣のイメージする対策がずいぶん現実と乖離している印象があります。大丈夫なのか、ちょっと心配になってきました。でも、そういう我々も気候変動についてきちんと理解・イメージできているかというとそれも怪しいです。そこで、今回は大気中の二酸化炭素に注目し、二酸化炭素を光合成のような手段で個体の炭素に変換したとき、どれくらいの炭素を作れば気候変動を食い止められるのか算出し、大まかに視覚化してみました。

地球温暖化対策がどれぐらい大変か、まずは計算結果を元にコラ画像を作成しました。実際に二酸化炭素を減らすには2つの方法があり、一つは二酸化炭素をどこかにとじ込める方法、もう一つは固形炭素として保管する方法です。

後者の方法でCO2を1ppm減らすには、CO2を炭素と酸素に分離し、炭素を炭素塊(炭)として隔離する必要があります。

その量は約19億~22億トン、炭の比重を1.5とした場合に1辺100mのサイコロを1256~1454個となります。

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または、1辺が1kmの炭素サイコロ1.2~1.4個作れれば、地球全体のCO2量を1ppm減らすことができる、ということになります。

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大きすぎて、東京タワーが霞みます。こうしてみると、改めてその大さに戦慄。

これで1ppm分です

我々は、現在の生活で毎年2ppm以上の二酸化炭素を余分に増加させています。つまり、1km立方の炭素塊を約3個燃やして生活しているに等しいのです。この困難さをなんとなくでも理解してもらえたらと思います。



なお、本稿では、意図的に地球温暖化という名称を用いていますが、これは科学的にはもう古く、あまり適切でない表現です。大気中の二酸化炭素の増加が地球環境に及ぼす影響は温暖化だけではなく、局所的な寒冷化、大気循環の変化や海水の酸性化、降雨地域の変化など多岐に渡ります。「大気中二酸化炭素濃度の増加に主に起因する気候変動」または「気候変動」が適切です。地球温暖化問題というネーミングは、問題の一面しか取り上げていないという点から不適切です。しかしながら、一般周知されている名称としてここでは地球温暖化問題、地球温暖化対策と呼称します。

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