運動会の人間ピラミッドはどれくらい危険か
最近の運動会は春の開催が増えているようですね。
本記事は、人間ピラミッドは4段以上はやめよう!という記事です。具体的にどれくらいの危険があるのか数値で示し、根性ではどうにもならない物理的な問題を紹介します。
そもそも、コロナ禍で行事も減りがちですし、運動会を開催しない学校も多いかもしれませんね。強行開催しても怪我をしても病院に行けないかもしれないのに、組み体操のピラミッドなんて本当にやめた方がいいですよ。
結論
4段以上の人間ピラミッドは、本質的に危険です。平均体重を50kgとしてみると、
・10段を作ると、最も重い部分では414kgの加重がかかる
・二段目も300kgかかる
・一段目より二段目が危ない
・二段目、三段目は、足場が悪く、踏ん張れないので崩壊しやすい
・どこかが崩壊すると、残りに一気に荷重がかかるので連鎖的に大事故になる
などがあります。
具体的な数値(全員で2.75t)
実際どれくらい危ないのかちょっと試算してみると、10段のピラミッドは要員55人、中学生の平均体重を50として、全体で2750kg、2.75トン。一番大変な10段目が10人、その上に45人が乗っているので、単純計算で一人当たり225kgです。
もし崩れたら上から重力加速度のついた人間が落ちてくるのだからさらに危険です。僕の中学校も高校もあまり体育会系じゃなかったので、やっても3段でした。10段恐るべし。
体重は偏る
さて、体重は均等分散しません。真ん中ほど大変です。
このように、一番重い10段目の真ん中二人は414kgです。これ、大人でも大変です。しかも、一番難しいのは2段目以上です。彼らは、ぐらぐら揺れる人間の上で376kgを支える必要があります。体育の先生でも理解していない人が多いですが、一番下は安定した地面なのに対して、二段目はいわばバランスボールの上で支えているのと同等の難しさです。よって、ピラミッドは高い確率で二段目以上から崩壊が始まります。
崩壊
仮に、三段目の真ん中の人が耐えられなくなったとすると、彼自身の加重は自身の50kg以外はなくなり、両側の二人に波及します。
次の瞬間、一気に加重バランスが変化し、他の生徒もバランスを崩します。赤色は荷重が増えた生徒、青色は減った生徒です。
大変なのは、一気に増えた生徒です。277kgから409kgに激増した生徒は、体の片側だけにこの増加がきます。増分だけ示すとこんな感じ。
一気に100kg以上増加するんですからたまったもんではありません。
まとめ
人間ピラミッドは、4段以上は絶対にやるべきではありません。やるなら、まずは先生たちでやってみてください。特に、2段以降の難しさを実感してください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?