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UX自由研究 スマートショッピングアプリ[Scan&Go]

自由研究を始めました!個人的に大規模サービスのデジタルプロダクトの取り組みや規制が複雑なプロダクトのサービス・事業開発に興味があり、noteで自由研究としてサービス開発をまとめることにしました。

この自由研究では、下記のアジェンダとなります。

  • IRから企業の戦略とプロダクトの結びつきを調査・推測

  • 実際のサービス・アプリケーションを利用してみたユーザー体験フローとワークフローのレポート

  • 解くべきイシューと改善提案

序章:企業とプロダクトの立ち位置の理解


企業としてどこに向かいたいか?

まとめると、対顧客には、多様なライフスタイルに最適化して、食生活を豊かにしたい。

経営理念

出典

事業課題・解くべきイシューは何か?

結論からいうと、ビジネスモデルからの見直しと顧客のライフスタイルへの最適化。

20年4月9日発表の決算短信と第2次中期経営計画から読み取るに、世の中の変化するスピードと競争環境の激化によってビジネスモデルからの見直しと顧客のライフスタイルに合わせる必要があると考えている。そしてその変革の手段として、デジタルを用いて、コスト構造を改善したり、新しい顧客体験を作りたい。

しかし、お客さまのライフスタイルの変化、業態を超えた競争の激化、
そしてデジタリゼーションなどの環境変化のスピードは計画立案時の想定より速く、業績は想定したような伸びを確保することができませんでした。

2020年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結) p5 

https://www.usmh.co.jp/wp-content/themes/usmh/files/20200409141/Ust_20200409_141_20.pdf

ミッション実現のために、プロダクトでどんな課題を解決したいか

  1. 対ユーザーサイド

    • 顧客のライフスタイルの最適化のためにプロダクトが解決すること

      • レジに並ぶことなく、ご自身のスマートフォンで商品登録および決済を行え、スムーズなお買物が可能

      • 店舗では現金に触れないことによって、従業員とお客さんの接触機会を少なくなる

  2. 対ビジネスサイド(推測)

    • レジの省人化によって、パート従業員の工数削減で店舗運営コスト削減

    • 広告機会として集客チャネルに。CV数・売上向上

    • (購買データの収集により解像度を高められる?)


ユーザー体験フローとワークフローのレポート


以降は、店舗での実際の買い物体験をレポートします。

※周囲には注意を払ってできるだけ素早く購入を行いました。5分で買い物を完了させました。
※2022年5月22日

ユーザーサイド

訪問前:会員登録

  1. 「名前」「メールアドレス」「パスワード」→登録

  2. 本人確認で「電話番号」と「認証コード」で登録完了

会員登録時の画面

訪問前:クレジットカード登録

  1. クレジットカードは、買い物前にアプリで登録。

  2. 設定→カード登録→SMS認証→登録完了

クレジットカードの登録画面

お店についたらチェックイン(位置情報かQRコードで)

  1. アプリのカート→QR chekin→読み取り

  2. アプリのカート→chekin→店舗選択→QR読み取り

チェックイン方法

商品のバーコードを読み取りながらお買い物

  1. アプリのカートで確認できる

  2. 読み取り方法は、1つはリンゴのようにはだかの商品とバーコードがついている商品の大きく2つのパターンがある

商品のバーコード読み取り画面(商品にバーコード無しver)
商品のバーコード読み取り画面(商品にバーコード有りver)

読み取り後、「カートに追加」をタップすると、カートに追加され、カートに追加中の合計金額が表示される。

Good:
買い物途中でもカートの合計金額がわかるので、頭の中で計算しなくてよい。買いすぎ防止に。

※すみません。カート画面をスクリーンショットし逃しました。


クレジットカードor専用ポイントで支払い

  1. クレジットカード・PayPayなど決済方法を選ぶ

  2. 確認アラートが表示され、OKを押すと、QRコードが表示される

決済フロー

専用ゲートでQRコードスキャン→決済完了

  1. 上記画像のようなQRコードが表示されると、店舗に設置している機器にQRコードをかざします

  2. そうすると下記のような決済処理が走り、サンクスページに遷移する。これで決済が完了なので、店舗から退出できます


ビジネスサイド

従業員がどんな対応するか?(同期的に)

レジ回りにトラブル対応のスタッフが常駐していました。実際に、買い物時に近寄ってくれて、サポート。

アプリでの決済の動線を用意するために、どんな準備・設置しているか?

  • 店舗入り口に、QRコードの札を設置

  • バラで売っている商品(商品にバーコードがないタイプ)には、アプリ専用のQRコードを設置

  • (これは推測だが)生鮮など他のスーパーでははだかで売っているものも、できるだけ袋にまとめるようにしているのでは?

  • 通常レジとは別にアプリ専用レジ(ゲート)を設置

    • QRリーダー、読み取り画面、防犯カメラ、レジ袋やお箸など

  • レジ近くにアプリ会員を増やすようなパンフレットを設置


より体験を向上するための解くべきイシュー


店舗入り口にQRコードを読み取ってチェックインは、利便性や店舗の混雑に影響しないか?

  • 課題

    • 店入り口でQR読み取りは、混雑の要因になりうる

    • 利用した店舗は出入り口が一つで、2人が通るのがきついぐらいの幅も相まってか、そのような場所でのスマホ操作は恐怖さを感じた。

  • 改善後のインパクト

    • 店舗の出入り口の混雑緩和

    • アプリ利用者は、(半自動でチェックインができれば)画面の操作数が減って、シームレスな体験を享受できる

  • 現状のワークフローの背景(推測)

    • わからない笑

    • 強いていうなら、商品バーコードの問題で、店舗ごとにユニークになっていないとか??

  • どのように改善するか?

    • アプリのカート→chekin→店舗選択で完結しないか?(技術的難易度・セキュリティ面未考慮)

商品のカート追加の確認画面は操作数や混雑に影響しないか?

  • 課題

    • 商品バーコードを読み取ったあとに、確認画面が現れ「カートに追加」をクリックするのが面倒だった(1つ1つの商品に対し)

  • 改善後のインパクト

    • 「カートに追加」(確認画面)をなくすことで、個数1個の買い物利用者は、画面の操作数が減って、シームレスな体験を享受できる

    • 操作数が減ることで、カート追加をスムーズに歩行でき、混雑緩和につながる

  • 現状のワークフローの背景(推測)

    • おそらく、購入商品が複数個ある場合を考慮した設計になっていそう

      • 複数個ある場合に一個一個スキャンする操作を楽にする

      • 商品を棚に戻すといったカートの柔軟性を提供している

  • どのように改善するか?

    • 追加のたびに確認画面を表示せずに、複数個ある場合はカートのボタンで個数を調整することでシームレスになるのでは?

      • 例えばAmazonのようにカート画面で、個数を変更できるようにする


アプリにログインは必要なのか、操作性や混雑に影響しないか?

  • 課題

    • そもそもアプリを利用するのに操作数が多いのと、もし店舗入り口でアプリのログイン操作をすることになれば、混雑の要因になったり、アプリ利用者にとって危険

  • 改善後のインパクト

    • アプリ利用者は、画面の操作数が減って、シームレスな体験を享受できる

    • 出入り口の混雑緩和

  • 現状のワークフローの背景(推測)

    • 住所やクレジットカード、さらに位置情報など機密性の高い個人情報を持っているからセキュリティを強化している?

      • →Amazonも同様の情報を取得しているが、モバイルアプリにログインは要求されない

  • どのように改善するか?

クレジットカードの登録について

  • 課題

    • 買い物前にクレジットカードの登録に時間がかかった、厳密にいうと、カード登録方法画面を探した

  • 改善後のインパクト

    • 新規登録 to 店舗利用率の改善

  • 現状のワークフローの背景(推測)

    • Scan&Go以外のサービスを利用してほしいためなのか

      • アプリ登録の入り口でのクレジットカード登録を要求すると、他のネットスーパーなどとバッティングし、離脱が発生するので、その事態を避けたかったのか?

    • A/Bテスト中で、会員登録直後か、それ以外かで検証していた?

  • どのように改善するか?

    • 数値を見ていないので提案の精度は低いが、会員登録直後に「Scan&Go利用の方は事前にクレジットカード登録がおすすめです」的な誘導があると、クレジットカード登録率が上がり、新規登録 to 店舗利用率が向上するのでは?(厳密にいうと、カード登録・決済方法の不安で離脱する人を解消できるのでは?そのような人が多い前提なら解くべきイシューになりうる)


その他:アプリのUIについて

  • 会員登録時の体験で、すべてのフォームの入力後に、パスワードが大文字ではなく、大文字でと怒られた。

    • pw入力時に直下にエラー判定を出してほしい

  • ツールバーにテキストがない

    • →どのタブに何があるか直感的にわからない。何の画面か理解するために触りまくった。

振り返り


企業ミッションの「顧客のライフスタイルの最適化のため」に関しては、一ユーザーの感想的にはGoodだったと思います。

通常だとレジでお客さんごとに一気商品を読み取るので、待ちの時間がかかるが、それが発生しない。

プラス、このアプリの体験ならではでいうと、買い物途中にカートの合計金額がわかるので、頭の中で計算しなくてよい。これが従来の買い物体験のつらみの一つを解消している。

マルエツで買い物するなら、また利用してみたいと思います!


番外編


Q&A

  • 生鮮などはだかで売られているものはどうやって決済するのか?(リンゴやネギなど)

    • →袋に詰められているか、商品の値札横にバーコードが設置されている

  • アプリにログインいる?

    • いる仕様になっている、位置情報などに厳格なのか?

  • なぜ利用時間が限定的なのか?

    • おそらくサポートスタッフの問題で、レジ回りにトラブル対応のスタッフが常駐していたことから、スタッフを常駐させられる時間帯になっている

  • 買い物途中時の商品のバーコード読み取り後、カゴに入れないといけないのか?それとも手持ちのエコバッグに詰めていってもいいのか?

    • 問い合わせ確認中

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