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京都【泰山タイル考】布目タイル編①

ども。泰山タイル大好き、ゆん太です。

喫茶築地の記事を投稿後、様々な方面から反響を頂いております。ありがとうございます。

さて、ここ最近ある有名デパートの建物装飾に関する調査報告書を拝見する機会がありました。じっくりと読み込んでいたところこんな内容が。

「布目タイルだから、これは泰山タイルである。」

それ以外の理由は無し。

納入や施工に関する資料がなくても、例えば「サイズ、釉薬の窯変具合、張り方、竣工時期、建築家」など、もう少し判断に慎重であっても良いと思うのですが…。(^_^;)

なぜ「布目タイル=泰山タイル」と言われるようになってしまったのでしょうか?


そもそも「布目タイル」とはなんなのか。

龍安寺庫裡(玄関)、池田泰山が作った布目タイル。

「布目タイル」は、京都市陶磁器試験所で開発された、メイドインキョウトのタイルなのです。

京都市陶磁器試験所には、泰山タイルを作った池田泰山さんも所属していましたが、その他にも日本の陶磁器界を代表する名だたる陶工が学び、研究を行っていました。

実は、その陶工の多くが布目タイルの研究や製作を行っているのです。


日本のタイル文化は、西洋やイスラムを中心に、中国、朝鮮を経て日本に伝わって来ました。

日本に伝わったタイルは大きく分けて2種類。瓦に近い「無機質なスタイル」か、マジョリカタイルに見るような「ゴージャスで装飾的なスタイル」か。

タイルが日本に伝わった直後、明治から大正時代、日本家屋では無機質なスタイルのものが、洋館やパブリックな場所(銭湯、遊郭など)では、ゴージャスなスタイルのものが使われる傾向にありました。

(※ 明治、大正時代は、タイルの使用はまだまだ一般的ではなく、資産家の邸宅などを中心に使われました。)

しかしそんな無機質なタイルには大きな欠点があったのです…!

②につづく

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