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2024年1月25日_悪人を見て

今日は少し時間が出来たので、映画を見ようとアマゾンプライムをポチポチ
最初は一回見たことのある【星の子】を見ようと思ったけど、【悪人】に目が留まり見る事にした。
昔から目に留まっていたけど、基本的にはコメディ映画やHappyendの映画が好きなので心のどこかで敬遠していたのだとおもう。
今日、目が留まったという事は見る機会だと思い再生ボタンをおした。

結論。あっという間に約2時間が過ぎた。
頭と心をフル稼働させながら…無意識に熟考しながら見てしまった。
ただの感想として書きなぐろうと思う。かなり自分の推測を織り交ぜて
登場人物ごとにピックアップして書くので…もし見ている人が居れば…こんな意味の分からない書き方をどうかご了承ください。

妻夫木聡さん演じる青年の祐一は、長崎のとある田舎で祖父母と暮らしている。高齢者多く過疎化地域のようで田舎で同年代がいる様子もない。
なぜ祖父母と暮らしているのか?母に捨てられたからだ。
夜中の灯台が見える場所で母に言われた。
「あそこの灯台を見ながら待っていて」
少年というにはまだ幼い祐一は、言葉通り待っていた。
しかし母は来なかった。
そこから祖父母に育てられる。
作中、母の姿もあるので…繋がりはあったのだろうけど。
そんな背景からなのか、【愛】に飢えていたのだと思う。
実の母からもらえない【愛】を求めるが、周りは高齢の人ばかり
そこで出会い系サイトを利用したのだろう。
この【愛】は愛するという渡す側ではなく、自分自身が自分の存在を
確かめるため
に、愛してもらう側をもとめていたのだろう。
たとえ疑似的な偽りの愛だとしても…その時は自分自身を確かめるように。
映画の終盤で祐一が言った。
「自分という人間が分からない」
心の本音を深い深いところに閉まったせいで、透明人間になってしまって自分自身でも分からなくなったのかな。
でも人間だれでも皆そうだよ。とも思った。

一方、深津絵里さん演じる馬込光代は紳士服店に勤めていて、妹と二人暮らしをしている。勤め先の近くには通学していた高校、中学校とあり
この地域から出たことがない事を憂いている場面があった。
そして一緒に暮らしている妹には彼氏がいて、ついさっき営みがあったばかりのベットを意識的に見ないようにしていた。
こちらは【愛】に憧れていたようにおもう。
自分には特に色恋沙汰はなく、地元から離れずにその場所にいるだけ、妹には愛する人がいて一緒に住んでいるから嫌でもみてしまう。。
どこか普通ではない【愛】に憧れていたのかな。
初めて祐一とあった時の台詞。
「こんな金髪の人とドライブなんて、、」
と少しはにかみながら嬉しそうにいった。
すぐに体の関係を求められても、それもまた普通でない事だと
自分に言い聞かせていたのだろう。

と、書ききれないほど一人で考えながら見てしまった。
主演の二人だけでなく、登場人物の一人一人に物語があって
心の葛藤、見栄、隠し事などなど。誰か知らには自分が当てはまる気がする。
一人だけ挙げると、映画の冒頭から登場している。柄本明の役だった。
殺害されたお父さんの役だった。映画の最初から最後まで軸として登場しており、殺された人にも愛している人がいる事を忘れさせずにいてくれた。
どんな事情があろうとも、殺人を同情や肯定など出来ない。

この映画の大切なキーは『灯台』だった。
祐一が捨てられたのが、『灯台』の見える場所。
ここで【愛】という灯りを無くした。
だけど、最後に【愛】を与えてくれたのも『灯台』だった。
真っ暗な海でも灯りで船の道標となる灯台である。

良い映画に出会えたなー。



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