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僕の生活リズムに必要なのは、1本の輪ゴムだった。

生活習慣の終焉

起床。なんか窓の外が明るい。

何時だ?あ、14時か。

そろそろ活動するかーと、体を起こしながら、昨日何時に寝たんだっけ、と考える。確か、5時。


「新型コロナウイルスの感染拡大により〜」

という接頭辞は、街を歩けば(急用です)もうどこでも目に入るけど、それが他人事じゃなくなってしまった。

こちら、新型コロナウイルスの感染拡大により、生活習慣、ダメです。



外出の予定もなければ、そもそも予定すらない。

1日24時間を区切るものがないから、だらだらと過ごしてしまう。時間って連続なんだなってことを、改めて感じる。

今日も1日始まります!と、ようやく布団を抜け出して見た時計は、すでに16時を指していた。



1週間で1日巡る

TwitterやFacebookでは、「こんな時だからこそ」と友達・知り合いが様々な活動をしている。すごい。

彼らへの尊敬と表裏一体に「それと比べて、僕は何をしてるんだ?」という疑念が浮かんでくる。自分が嫌いになりそうで、SNSを見る頻度を下げた。


そうこうしているうちに、生活リズムがずれにずれ続け、1週間で1日分ずれた。

「なんか今日は寝起きがいいな」と、10時くらいに起きれた日。

それが生活リズムのずれが一周してしてしまったからだ、ということに気づいた僕は、流石に自分が嫌いでどうにかなってしまいそうだった。


よく考えたら、なんだか最近やる気が出ない。

ご飯も美味しくない。

昔楽しかったことも、今はもう楽しめない。

あれ?




「鬱」という文字が頭に浮かぶ。さすがにそれは、それだけはイヤだ。

冷静に考えてみよう。なんで、外出ができないと生活習慣がダメになるのだろう?

「そうか、僕はセルフマネジメントができないんだ」と気づいたのが4月2週目。開始時間に起きれば良いはずのオンライン授業にも遅刻しはじめた頃だった。



セルフマネジメントの決意、いや、行動

(以下はPRっぽくなりますが、そうではありません。ただの個人の感想です。)

「俺に欠けてるのは、セルフマネジメントだ!」と信じて、この本を読んだ。

「とりま、行動してみればいいじゃん」と言う人のことが大体嫌いだったので、「行動」と名のつく本は読みたくなかったんだけど。もう、そんなこと言ってられない。


読み始めてすぐ、こんな言葉と出会って衝撃を受けた。

「意志の強さで行動を起こせる人になるのではなく、行動が導き出した結果によって意志をコントロールできる人になる」
「真の結果を導き出すのは、「行動」だけです」
「すべての結果は行動の蓄積である」

まさに最初の1文が、僕に欠けていたピースだったように思えた。自分の苦しさの原因を名指しで教えてくれた気がした。


僕には、なにかが続かない自分のことを「ほら、意志が弱い。だから自分はなんでもダメなんだ」と見下し、自己嫌悪に陥っていくサイクルがあった。この本が終始貫く「“意志”を信じない」という姿勢は、そのサイクルにヒビを入れてくれた。



本を読み終えてすぐに、2つの行動を毎日続けることにした。(本の終わりに、「本を閉じた瞬間から行動してくれ」と書いてあったので。)

1つは、朝起きたらホットミルクを飲むこと。

もう1つは、輪ゴムを右手首にはめること。


僕の場合、朝起きれないのは「寒い」と「起きてもどうせやることがない」ということが理由だった。だから、それを上書きしてくれるようなことを、朝起きた後にすればいい。それが、ホットミルクを飲むことだった。

朝起きる。ミルクをコップに注ぎ、電子レンジで温め、砂糖を入れて、椅子に座ってゆっくりと飲む。あったかい。

ホットミルクを作って飲むことは、「温かさ」と「やること」を僕に提供してくれる、抜群の行動だったのだ。



そして、なにより輪ゴムは、僕の救世主だった。

僕は、ネガティブで逃げがちな人間だ。慎重なのはいいことだけど、放っておくと想像が悪いほうに引っ張られて、なにも挑戦ができない。そんな人間にぴったりのTIPSが、この輪ゴムだった。

やることはシンプル。

自分が何かネガティブなことを想像しはじめたら、すぐさま輪ゴムを弾くこと。


ネガティブな想像は、たいてい現実のものではない。まだ起きていない。これは、その想像の深みにハマってしまう前に「それ、現実ちゃうで」と輪ゴムを弾いて自分に知らせるというTIPSだった。

ちなみに、僕が最初に輪ゴムを弾いたのは、輪ゴムを身につけた瞬間だった。「輪ゴムっていいアイデアだけどさ、僕のことだし続かないんじゃ?」という考えが頭をよぎったから。



輪ゴムに救われる日々

そんなこんなで、右手首の輪ゴムとはもうすぐ2週間の付き合いになる。

最初の頃は、シャワー浴びているとき、寝る前、ミーティングの前…、と四六時中弾いていたけど、今はその頻度もかなり減り、生活リズムも整ってきた。

こんなに同じ起床時間を保てたのはいつ以来だろう、という感じ。


「コロナのせいで、調子が狂った」とはじめ恨めしく思っていた問題の根っこは、結局自分にあったということだ。コロナのせいで可視化されただけで、僕はこれまで、いつだってセルフマネジメントが下手くそだった。遅かれ早かれ、この問題は解決しなきゃいけなかったんだ。


奇しくも、予定が少なく時間に余裕があるこんな状況だからこそ、自分のことに目が向けられたのかもしれないと思う。

この状況が与えてくれたきっかけには、ちょっとした感謝をしている。

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