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闘病中の父に家系図を贈った息子

40代のSさんから、ある日「家系図作成して欲しいのだけど、戸籍謄本はどうやって取得するの?」と突然連絡があった。

家系図なんて興味なさそうな彼だったので、理由を聞いたら
「父が80歳過ぎていて今闘病中。プレゼントとして贈りたいので作成してほしい!」とのこと。
なるほど納得。親孝行のために作成したい依頼を受け、家系図解説もさせてもらった。

当時コロナ真っ最中だったので、本人とZOOMで行う予定の日、彼からまた提案があった。「嫁さんも一緒に聞いていい?実は、嫁さんは古文書解読の勉強をしていて、古い戸籍謄本を読めるらしい。勉強のために聞かせてほしい。」と言われ、もちろん快諾した。

本人はそれまで、家系なんてまったく興味がなかった。出身地は長野県だが、「山ばかりで何にもないつまらないところです。だから、たいした先祖なんていないと思うけど~」話していた。

私の家系図は、遡っても江戸時代後半くらいの先祖までしか出てこない。
彼から「その先のご先祖はどうやったら調べられるの?」と聞かれたので、
自宅の仏壇に納められているご位牌に「過去帳」があるので、それで遡ることができます。」とお伝えした。

ちょうど、お彼岸を控えていたので、彼は家族と一緒に実家の墓参りと父親の見舞いを兼ねて、家系図を携え帰郷した。古文書が読めるお嫁さんに協力してもらい、「過去帳」を初めてみたらしい。そして、父親からの情報などで、自分がS家の13代目だということが判明したらしい。びっくり仰天だった。

その後、彼はご先祖に俄然興味が湧いて、いろいろ調べていたら、郷土資料にご先祖の名前を見つけたと報告してくれて、資料も送ってくれた。

そんな先祖のことを改めて知った彼は、その後の自分の事業について、いろいろ構想が生まれたらしく、本業のほかに副業をし始めた。それは、家系図を作成したことが始まりだった。

ご先祖から、子孫へのメッセージを受け取ったに違いない・・・

つけ加えての報告は、父親の健康状態も良くなりつつあるとのことだった。

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