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公式を暗記していなくても数学のテストで100点取れていた

はじめに。
家庭の事情で進学できなかったので、私は高卒である。大学で学ぶ数学がどのようなものかは知らない。これはあくまで教科書で学べる数学の話。それを踏まえて聞いて欲しい。

高校の時、友人に「この計算式にはどの公式を当てはめればいいの?」と聞かれて、答えられなかったことがある。計算式の解き方は教えられても、公式が出てこない。覚えていなかったからだ。

数学が苦手だったのではない。中高6年間、10段階評価でオール10だった。ケアレスミスで点を引かれることはあったが、90点以下は一度もない。もちろん100点を取ったこともある。解の公式くらいしか覚えていなくても、この成績を取ることは可能なのだ。

そもそも数学の公式とは何なのだろう。調べてみると「文字式で表される定理(数学において証明されていること)」とある。噛み砕くと「A=B→Aの計算式の解答は必ずBという答えになると証明されているので、文字に数値を当てはめれば誰でも解ける魔法の式」が、公式である。

数学に対して苦手意識があると、魔法の式さえ覚えていればどうにかなると勘違いしてしまうのも仕方がない。国語と英語が苦手で、テスト前に参考書を丸暗記していた私には、その気持ちがものすごくよくわかる。だが、残念ながら、公式をただ暗記するだけでは時間の無駄になってしまう。公式は「暗記して使うもの」ではなく、「理解して使うもの」なのである。

理解とは物事の道筋が正しくわかること。理解していないと、文字式へどのように数値を当てはめればいいのかわからない、応用ができない、何よりも忘れたら解けなくなってしまうのである。

どのくらいの理解度が必要かについて、私は「その公式を知らない人に説明できるくらい」としている。正しく理解していなければ、相手にわかってもらえるよう説明することはできない。深く知る必要があるのだ。

では私がどのように勉強していたのかについて話そう。まず実際に解いてみる。公式の左側を解いて、解答が右側の式と一致するかどうか確かめる。正解するまで繰り返す。正解したら、公式を知らない人に説明できるか確認する。大概は父親か豚のぬいぐるみが生徒だった。同級生相手に授業することもあった。説明できたら、それに対する基礎問題を解く。公式は使わない。間の計算も全て行う。迷いなく解けるようになるまで繰り返す。

こうして何度も解いていると、脳に焼き付くらしいこともわかっている。「公式をつかってるじゃん」と指摘されて、驚いたことが何度もあった。わざわざ暗記に時間を割かなくても、解いていれば自然と頭に入るということだ。

誰にでも適用できる方法ではないが、数学の勉強は繰り返しだと思っている。ともかく解く。なぜそうなるのか、理解して、説明できるまで、ひたすら解く。基礎ができるようになれば、応用はお茶の子さいさいである。

繰り返しになるが、誰かに説明できるくらいまで理解していれば、公式を覚えていなくても、計算式は解ける。暗記するためだけに時間を費やしてしまうのは、時間をゴミ箱に捨てているようなものだ。公式を1つ理解することが、数学を楽しむための一歩目になることだろう。

但し「覚えるしかないこともある」という事実には気をつけて欲しい。例えば「+-×÷が混ざっている時は×÷を先に計算する」がそれだ。これは偉い人たちが「×÷を先に計算しよう!」と決めた、世界的ルールである。

与えられた問題が、決められたルールで暗記するしかないことなのか、証明された事柄で理解することに時間を費やした方がいいのか、見極めて実行して欲しい。

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