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2歳児ナゼナゼ期、中学修了レベルの自然科学知識必要説

2歳児と言えばイヤイヤ期が有名?ですが、続いて襲ってくるのがナゼナゼ期。世の中の全てのものを純粋な目で見つめて、溢れ出る疑問、と書くととても素敵で、一つ一つをしっかりと回答してあげたいと思うのですが、実際にはそうもいきません。毎日所構わず襲ってくるナゼナゼナゼの嵐に、一つ一つ向き合って答えるのは結構大変で、日本が誇る世界的自動車メーカーに勤務しているか、またはゼミの指導教官と面談しているような気になってきます。

そして思い知らされる、自らの自然科学の知識の底の浅さ。子どもの純粋なナゼナゼに付き合うためには、中学修了レベルは必須、時には高校レベルの自然科学の知識が必要となります。とても全てうまく回答できているとは言えません。あぁ、ちゃんと勉強しておけばよかった…

ということで今回は、思い出として我が家の2歳児のナゼナゼを書き連ねてみたいと思います。

【生物学】
なんで青虫は蛹になる?
なんでアリさん地面に入っていく?
なんでサイはライオンに食べられないの?
なんで爪伸びる?

【気象学・天文学】
なんで雲があると暗い?
なんで雲かたち変わる?
星はなに?
なんでお月様の形かわるの?
なんでお日様まぶしい?
なんで曇りは寒い?
なんで風吹く?
なんで海は波ある?

【科学】
(前の車のブレーキランプが顔に当たって)なんで顔赤い?なんで光届く?
なんで鉄は冷たい?
なんで紙破れる?
(色付きの石鹸を泡立てて)なんで泡白い?

【物理】
なんでブランコうごく?
なんでコップから水こぼれる?
なんでストローでお水飲める?
なんでスポイト水吸える?
なんで電車だんだん早くなる?

皆様いくつ答えられたでしょうか?改めて答えようと思うと、結構難しいですよね。あまり身の入っていなかった小中高の科学の知識が、こんなところで試されるとは思ってもみませんでした…

そしてさらに、ナゼナゼは哲学的な問いまで及びます。

【哲学】
穴はなに?

あなたなら何と答えますか?何気なく子どもの疑問をFacebookに投稿したところ、たくさんの方から意見をいただきました。その中で教えていただいたのが「穴の存在論の哲学的意義」という論文。要旨を和訳すると以下の通り、なかなか深淵です。

本稿では、"穴は存在するのか?"という問いに答えるために、私たちが検討すべき哲学的なトピックを示すものです。まず、穴の存在論的地位を説明するためには、" 具体的 "の意味を明らかにする必要があることを指摘する。私見では、穴の存在論は時空間理論との関係でアプローチされるべきであると考える。しかし、その場合、我々が通常認めている穴の特徴が失われる可能性がある。

谷川卓(2021) 「穴の存在論の哲学的意義」,科学哲学54-2

日々ナゼナゼ攻撃を受けていると、どうしても回答がおざなりになりがちですが、子どものナゼナゼも真剣に向き合うと、それだけでとても興味深い、あたまのトレーニングになるなと考えを改めました。

今はちょっと面倒だなと思っても、きっといつか終わってしまうかと思うと少し寂しくもあります。子どものためにも、そして何より自分も楽しみながら、子どものナゼナゼに向き合っていきたいと思います。



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