【過去恋話】好きな人の恋を応援できますか？

《過去の恋話を少しずつ書いてみようかと。人や順番はバラバラに、ふと思い出したときに書いてみます。内容によって、少しだけフィクションを入れるかもしれません。》

20年以上前の話になります。

当時お付き合いしていた人のことを、すごくすごくすごく好きでした。その当時、これからこの先の人生で、この人以上に好きになれる人も、この人以上に私を好きになってくれる人も、どちらも現れないんだろうなぁと感じていました。

ですが、付き合って１年ほどで、好きな人ができたとフラれてしまいました。あまりのショックで、本当に食事が喉を通らなくなり、何をしていても涙が出てくる、死にたい…とさえ考えるようになってしまうほどでした。

彼にはそもそも奥さんもお子さんもいて、何年後かには離婚して私と結婚するからと言って指輪もくれていました。あまり期待をし過ぎずに気長に待とう…と覚悟していました。それなのに、その好きな人と結婚するからと突然言われビックリしました。

私とはすぐ結婚できないのに、彼女とはすぐできるんだ？？と、ものすごく辛かったです。その後は、本当に奥さんと別れて(一悶着はありましたが)、その彼女と結婚したようです。

私と別れた直後は、私にも未練があったらしく、何度か会っていたし、『もうすぐ彼女がこっちに越してくるから(彼女はかなり遠方に住む人だったため)、もうすぐお前に会えなくなる…』と泣いたりもしていました。私のことを少なからず愛したまま、彼女と結婚するんだ…とますます辛くなる一方でした。こんなことなら、いっそ嫌われて別れた方がマシでした。

彼とは好きなバンド関係で知り合ったため、彼の好きな人も同じバンド関係で出会ったらしく、すぐに彼女のことを特定できました。私がその気になれば、彼女に私のことをすべてバラして、関係を壊すことも可能でした。二人の関係を壊してやろうかと何度も思いました…。ですが、もし二人が別れたとしてとも、私のところに帰ってきてくれるとは限らないし、私のことを全身全霊で愛してくれていた彼はもうどこにもいないわけで…。むなしいだけに違いない…と感じ、二人のことを応援することにしました。応援というか、邪魔しないっていうだけですが。

その決断をするまでも、してからも、ものすごくものすごく辛かったですが、二人の幸せを願うことにしました。

そのときの私の決断は間違っていなかったと、今でも思っています。同じバンドを好きなので、ライブ会場で何度か見かけたことはありますが、ここ何年かは見かけてないので、今はどうなっているか分からないですが、きっと幸せに暮らしていることと思います。

昔感じていた、彼以上に好きな人も彼以上に好きになってくれる人も、やっぱり現れてはいませんが、今は私も結婚して子供もできて、幸せに暮らしています。