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白血病児の親になる | Vol.2 | 発症~診断

こんにちは!白倉 侑奈です。

長男が2022年12月、小児白血病と診断されました。2歳2か月の時でした。
初回の記事はこちら。

ここから実際に私たち家族に起きていたことを時系列に書いていきます。

病気の症状が出たのが2022年11月で、退院出来たのが2023年8月。
その間を、

  1. 発症~診断

  2. 治療初期

  3. 一時退院期間

  4. 治療後半

の4つに分けて(もしかしたら増えるかも)書いていきます。ということで、今回は1について。

この記事は、「子供に似たような症状が起きた」という方に活用していただきたく、主に症状や受診の経過を事実ベースに書いていきます。
私たち家族がどんな風に対応したのかはVol.3をご覧いただければと思います。


どんな順番で何が起きたか

白血病と聞いてイメージする症状って「血が止まらなくなる」とか「青あざができやすくなる」とかですかね。
息子の場合は、私の中での白血病のイメージとは違って、足の痛みと夜泣きから始まりました。

この始まり方が私たちを最後まで惑わすのですが、発症が足からだったので、私たちは外科的な何かで足に異常があると疑い、整形外科を中心に回ることになります。

「白血病」と診断されるまでの、たかが1カ月、されど私たち家族にとっては病院を巡る長い迷路のような日々でした。

夜泣き

2022年11月24日夜。
いつも通り寝室に行って寝かし付けをしていたら、「膝が痛い」と言って1時間くらい泣いていました。そのあともやっと寝たと思ったら3時くらいにも起きて泣かれます。
1、2歳になると突然夜泣きが復活すると聞いたことがあったので、「それか?」なんて思いました。

寝室で足が痛いと泣く息子

歩き方に異変

その後も2日置きくらいに夜泣きがありました。

そして、4日後の11月28日。
保育園から電話がかかってきて、「息子さんが足を引きずって歩いている。早めに病院でみてもらった方がいい。」とのこと。
仕事を早めに切り上げて近所の整形外科に連れて行きました。

この段階では異常なしと言われ、それ以外は元気に過ごしていたので不思議でした。
とはいえ、息子に何か起きているのは確実なので、保育園に状況を細かく伝え、少しでも解決のヒントがないか模索していました。

当時保育園に提出していた連絡帳より。

絶対に関係なさそうな細かいことまで伝えていて、
我ながら当時の必死さがうかがえます。

歩けなくなる

このあともまとまって寝ることはなく、親も子も寝不足のピークでした。
そして、この週末、朝起きたら息子が歩けなくなっていました

機嫌も悪くないし、座ったまま遊んだりはするのですが、立たせようとすると足に力が入らず、その場にペタっと座ってしまいます。

よくこの姿勢で遊んでました。

ここら辺から親もいよいよ「これはおかしい」と本格的に悩み、検索魔になります。

病院で医師に伝えられるように、何か手掛かりになることはないかここ1ヶ月くらいの息子の様子を思い出しては、夫婦で共有していました。

例えば、発症の直前に北海道に旅行に行ったので、そこで触れ合った馬から何か感染した?(根拠は何もありません)とか、旅行中にチャイルドシートから落ちてしまったので、そこで脊椎を損傷した?など。
結果的には的外れでした。

あとは、直前に外食したときもみたことないくらいに機嫌が悪く、ほとんどご飯を食べれずに帰ったことも。ぐずられることは日常茶飯事ですが、ご飯が食べられないほどのことはこの時が初めてでした。

あとは、歩くのを嫌がり、抱っこから下ろさせてくれなかったりもありました。今思えば、この頃から足に違和感があったのかもしれません。

病院巡りの日々

歩けなくなったことで保育園からも預かれないと言われてしまいます。
とはいえ、先生方も心配してくれて、毎日のように息子の状況を伝え、症状がどのように軽くなったら登園できるかなど常に連携し、頼らせてもらっていました。

まだ診断もついていないけど、親の直感では「絶対にもっと深刻ななにか」と感じていました。
必死で原因を探り、病院に電話しまくり、行ける範囲で病院をめぐります。

まず夜泣きと歩き方の異変の時点で以下を周り、「異常なし。様子をみましょう。」という診断が続きました。

  • かかりつけの小児科

  • 近所の整形外科

  • 近所の大学病院

血液検査を複数回受けても異常なし。
ちなみに、血液検査の結果すぐ白血病とわかるタイプの患者もいるようですが、息子はそうではなく、結局白血病と診断されても血液検査の結果に異状は出ませんでした。

この間、気休め程度に夜泣きの漢方薬が処方されたり、実際はアレルギーではないのですが眠くなる作用があるアレルギーの薬が処方されましたが、もちろん根本解決にはつながりません。

疑っていた病気

この間に私たち親が疑っていた病気は、以下の通りです。
的外れなものもありますが、とにかく可能性をつぶすつもりで様々な病気を疑い、医師に聞いて歩いていました。

  • 成長痛

  • むずむず症候群

  • 睡眠障害

  • くる病(ビタミンD欠乏)

  • ギランバレー症候群

息子は当時2歳になりたて。
泣くときに発していた言葉は足が「痛い」「重い」「狭い」
それを「どんな風に痛いの」と詳しく聞こうとするのですが、まだまだはっきりとは話せないので難しかったです。
痛い場所も膝あたりを指すこともあれば、腿あたりの時もあるし、定りません。

歩けなくなってからは、上記の病院を再び周り、深刻度がました感じでいろいろと検査をしてくれますが原因はわからず、すべての病院で「様子見」を宣告されました。
それでも、かかりつけの小児科に「どうしても納得できないので、もう一回みてもらえないか」とダメ押しの受診をお願いしました。

ここでのかかりつけ医の対応に感謝ですが、「歩けなくなっているのに原因がわからないなんて、やっぱり何かおかしい」ということで総合病院に紹介状を書いてもらえ、これが白血病診断への大きな一歩となります。

検査入院

紹介された総合病院の整形外科では、MRIなどの精密検査を受けるため、1泊2日の検査入院をすることとなりました。

この時点で12月8日。最初の異変から10日強くらいです。トップの画像は検査入院中の様子です。

しかし、ここでも異常は見つからず、12月14日にも日帰りの検査入院をするもやはり異常はみつからず。
この時は小児科と整形外科を中心に診てもらいました。

土曜夜の悲しいお知らせ

総合病院で精密検査を受けても「はっきりとした異常はないので10日後にまたきてください。」と言われたことで、いよいよ自分たちにできることはやりつくした感じがありました。

半月以上、息子の症状と向き合い、病院巡りの日々。
自宅保育しながらの仕事も2週間近く続き、寝不足も相まって家族3人疲れ切っていたと思います。プライベートの予定もすべてキャンセルしました。

12月17日土曜日、世間はすっかりクリスマス&年末の空気感。
焦る気持ちはありつつも、一度この件は忘れてこの土日だけでもゆっくりすごそう、なんて話して晩御飯にすき焼きの準備をしていました。
準備もでき、「さあ食べるぞ」という瞬間に、検査入院をしていた病院から着信。

嫌な予感がしながら出てみると担当の小児科の先生でした。
「整形外科の先生は異常なしと言っていたが、MRIの結果の足の骨にわずかながら初見がある。骨髄炎または白血病の疑いも視野に入れて、国立成育医療センターに紹介状を書くのですぐに見てもらった方がいい」とのこと。

ここで初めて医師から「白血病」という単語が出て、凍り付きました。
また、成育といえば小児科の最後の砦のような場所。
やはり息子は重い病気だったんだなと否が応でも痛感させられます。
ただ、土曜の夜8時まで息子の検査結果を気にして、成育の先生にまでつないでくれたこの時の先生にも感謝です。

翌月曜に改めて成育の医師、このあとの主治医となり長い付き合いとなる先生から電話をもらいました。
翌火曜にすぐに受診し、即日入院して検査と伝えられます。白血病だった場合の治療の流れも簡単に説明されました。

このときもまだ息子が白血病だなんて信じられず「息子は本当に白血病なんでしょうか。まだ骨髄炎の可能性もありますよね。」と食い下がっていました。

本入院

12月20日朝。
家族3人で朝から成育医療センターに向かっていると、朝の世田谷通りが異様にキラキラしてみえました。
「行先がこれから息子が白血病と診断され、何か月も入院するかもしれない病院じゃなければな」なんて思いながら眺めました。

入院の手続きを済ませるとすぐに主治医の先生と面談。

  • 当日:血液検査

  • 翌日:骨髄検査とCT

  • 翌々日:結果説明

と怒涛のスケジュールが組まれていることを説明されました。
白血病だった場合は病院が年末年始に入る前に抗がん剤治療が始められるかどうかが重要だそうで、混みあっている検査予約にねじ込んでくれたようでした。

入院当日の様子

今振り返ると、医師は既に白血病だとわかっていたけど、私たち親が白血病という事実を受け入れられるように少し時間をかけて、情報を出していたように思います。

またこの翌日の検査で白血病の中でも

  • 急性リンパ性白血病

  • 急性骨髄性白血病

  • 慢性骨髄性白血病

のどれかもわかるはずで、どの種類になるかでこのあとの治療や治療の効果が変わってくるとのことでした。

12月22日

人生で忘れない日だと思います。
検査の結果がでて、15時から主治医と面談でした。

冒頭に検査の結果、息子が急性リンパ性白血病であると告げられます。
言われたときは「やっぱりそうなのか」と少し冷静な自分と、頭をハンマーで殴られたようで何も考えられなくなる自分の両方がいました。
先生に聞きたいことがいろいろある気がするのだけど、何からどう聞けばいいのかわからない。
先生の説明も集中しないと情報が私の上をするする流れて言ってしまいそうで、一言一句聞き逃さないのように夫婦で一生懸命聞いていたと思います。

主に説明されたことは

  • 息子は急性リンパ性白血病の中でも高2倍体B細胞性急性リンパ性白血病という種類

  • これは白血病の中でも治療に対する反応が良く、予後も順調な場合が多い

  • 治療の型もある程度固まっていて、約9カ月程度の入院治療になる

  • ステロイドと抗がん剤により、(いい白血球も含め)白血球の数を減らす治療を行う

  • 薬を入れるための管を胸元に常時いれるための手術を明日する

  • 治療中は3つの期間に分かれ、最初の3か月はずっと入院、次の3か月は白血球の回復を待ち入退院を繰り返す期間、最後の3か月はまたずっと入院

というようなことでした。

メモを使ってわかりやすく説明してくれました。

ここまで情報として理解はできるのですが、息子にいざこれから数週間のうちに起こることとしてはまだまだ実感がありませんでした。

ということで、長くなってしまいましたが、こんな感じで11月の後半に発症してから、ちょうど1カ月くらいで白血病という診断がつきました。
もう少し親の心情の部分とか、これを聞いて私たちがどう動いたのか、みたいなところは次の記事で書きたいと思います。

お付き合いいただいてありがとうございました。






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