見出し画像

引き出しの奥底へ

おはよう、たまには外で書いてみよう。
めずらしく今は午前の2時ではなく、午後の14時。
昨日、LINEを見返していたら、久しぶりに文章を書いてみたくなった。

つい1ヶ月前、1年ほど付き合った彼氏と別れた。
私の心がもともと好きだった人に揺らいでいたことに自分が気づいてしまったこともあり、そこから彼氏の嫌な部分がたくさん見えるようになり、しかし離れたいけどやりたいことやなにかと旅行などの先の予定が決まっていたり、彼は私のことが好きであったため別れられずにいた。

これから先は長くはないかもしれない、なんて思いながら。
この人と生活リズムが全く合わず、全く満たされない、なんて思いながら。

でも、1年も一緒にいると思い出が多すぎて別れられない。
季節が一周してくると気温が全ての事象を思い出させてくる。
でも、別れたい。離れたい。

その葛藤と闘っていた時にまったく接点の無い男の人と出会った。
というか連絡を取るようになった。
彼氏がいることは内緒にしながら、連絡を取り合っていた。
別れる気も浮気する気も全くなかったため、会いたいと言われてもずっと羽生らかしていた。が、彼氏が構ってくれない間に電話する頻度が増え、気があってしまった。

そして、ついに会ってしまった。まぁ一回会えば、顔も可愛く無いし切られるだろうと思った。まぁ一回会ってヤリモクだったら、私が彼のことを嫌いになって、連絡も途絶えてまたいつも通りの彼氏との日常が戻ってきて、なんなら彼氏のことが好きだってことが再確認できるかもしれないと思った。

違った。
あれだけ行きたくなかったあの日は最悪かつとても良い日になってしまった。
何故か解散したのにもう一度会って一緒にいたあの夜。
手すら繋がなかったけど、一緒に寝た夜。
身体は重ねなかったけど、キスをしてしまったあの朝。

会う頻度は着実に増えて、それに反比例するように彼氏と会う頻度は忙しさもあったため減っていった。

私はその時にはじめて彼氏とちゃんと別れたいと思った。
まだ、その頃は情が湧いていたため別れても離れないで友達でいるかも、とか、新しく違う人が彼氏になっても結局彼に戻ってくるだろうなんて思っていたから、今は違う人に縋りたいという気持ちと喧嘩ばかりしてストレスが溜まってしまう日常から絶ちたいという気持ちに従順に従った。

その日に新しく好きになった彼に正直に彼氏がいることを話した。
「付き合う?」と聞かれた日に「1ヶ月だけ待っていて」と答えた本当の理由が"出会ったばっかりだから"という理由だけではないことを。
彼は怒るか呆れるか私に対して信頼を失うか私のことを嫌いになると思った。寧ろ全部。
しかし、彼は「待ってる」とだけ言ってそれ以外、何も言われなかった。

その次の日に決心がつき、電話で別れを切り出した。
「嫌だ」と涙を流し、「別れたくない」と言われた。
そりゃそうだ。その日の昼までいつものごとく恋人だったのだから。
俗に言うばかっぷるだったのだから。

でも、彼は私のことが好きすぎた。
なんとしても、情が残っても、たくさんの思い出を思い出しても、自分の気持ちを曲げまいと、「別れたい」「離れたい」を一点張りした私を彼は尊重して、別れることを承諾した。

さすがにいきなりの別れすぎた、3月4日。
付き合った昨年の3月18日。目前にあった一年記念日の3月18日。

別れるために最後にホワイトデーに綺麗なデートをした。
自分達で綴った濃すぎて新しかった1年を振り返るデートを。

最後のデートもいつものごとく私は遅刻した。
付き合う前から遊ぶ時はいつも待たせてしまっていた、直らなかった。
彼はそんな私のことが好きだったらしい。

横浜に行った。私たちが付き合った場所である横浜。
ずっと食べたいと言っていたハンバーグを食べた。
深夜によくやりに行ったダーツをしに行った。
私が20歳になったときに初めて連れていってくれてハマったシーシャにも行った。
私の誕生日に乗った観覧車に乗った。
最後に食べたものは付き合った日に食べれなかったドリア屋さんのドリア。
一年前のあの日は、もう閉店していて、しょうがなく隣にあった鎌倉パスタに行ったんだった。
夏に一緒に写真を撮った赤レンガ倉庫。

ずっと泣いていた。
ずっと好きでいれなかった自分が悲しかった。

全てがはじまった大さん橋は閉まっており、入れなかった。
私たちの終わりを告げたかのように。

そして、最後はよく座っては話した最寄りの川沿いで互いの思い出を消し、笑顔で別れを告げた。

私はあれほど切ない、人の笑顔を見たことがなかった。
好きでい続けれなくて、何も悪くない人を傷つけてしまった罪悪感に今もどうしようもなく悔やんでしまう。

楽しかった思い出がたくさん。
裏腹、苦しかった思い出もたくさん。

たえられなくなってしまった自分がとても虚しく、
今も後ろを振り返ってしまう。
彼の学校の最寄りでは少し探してしまう自分もまだいる。

また付き合いたいとかではない、彼がまだ自分だけでいて欲しいと思っているわけでは全くない。
きっと心のどこかで罪を償いたいと思っているのだけ。

でも彼は、別れ際に"絶対に後ろ振り向かず前に進めよ"って、
大事なことなので3回言ってきた。
少しくさいが"幸せになれよ"とも言われた。

私はこんなことを言ってくる彼が大嫌いだったけど、
少し心がむず痒くなる感覚、変わり者の彼にしか言えない言葉が
結構好きだった。

大嫌いと大好きを彷徨い、1年築き上げた思い出たちを投げ捨てようとした私の全てを受け止めてくれて、2人の人生にとって必要不可欠な思い出に作り上げて最高のプレゼントとして私に渡してくれて本当にありがとう。
救ってくれてありがとう。最後まで、私を幸せで満たしてくれてありがとう。

あなたは私を前に向かせてくれた。
だから、私はもう後ろを振り向かない。

あなたはあの1年で何回も私に"謝るな"って言った。
だから、もう謝らないよ。

でも1年彼と付き合ったことは一生忘れないでしょう。
ただ、感情が薄れて、悪い方向に向いていくのが怖い。

そのためにこの記事を書きました。

彼との思い出品は全て、彼としていた交換日記の小さなノートのファイルに詰め込んで棚の引き出しの奥底へ。

この記事も一緒に心の引き出しの奥底へ閉まっておこう。

[あとがき]
この記事を書くのに、3週間半もかかりました。(笑)
この記事を書き始めた時は新しく付き合った彼の話を書こうと思っていたのですが、気づいたら元カレの話を書きたくなってしまいました。
でも一つの記事として書いても暗い話にならない、私と彼なりの恋心からの不器用で美しく切ない離れ方だったと思います。
ブログを書く人間としてはよくない頻度の開け方や拙い文章、内容の乱雑さがありますが、数少ない人に話を見てもらえるだけでもとても嬉しく思っています。客観的にみてすごくくだらない話、最低な話と言われるのは承知の上で、人々は多種多様な考え方があると思います。
ぜひコメントやスキをいただけると嬉しい限りです。

これからは内容も少し変えた文章を綴っていけたらいいなと考えています。
どうぞ、改めてよろしくお願いします。

ゆんチャ






この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?