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OnlyOneOf "Instinct Part 2"私的解説①

こんにちは、ゆんです!もうカムバから少し時間が経ちましたが、今回はOnlyOneOfの"Instinct Part 2"を"Instinct Part 1"と合わせて解説します。現在もう少し長めの考察を温めている最中ですので少しお待ちください(^-^)


"Instinct Part 1" について

"Instinct Part 2 "は前回のアルバム"Instinct Part 1"に続いています。

"Part 1"を少し振り返ってみましょう。タイトル曲は"libidO"で、2021年4月8日に公開されました。

[MV] OnlyOneOf (온리원오브) 'libidO'ーOfficial Youtubeより

libidOはフロイトのリビドー論にもとづいています。リビドーを英訳すると、単純に「性欲」になってしまいますが、大きく捉えると「生きるための心的エネルギー」です。そして、このアルバムのタイトルにあるようにInstinct(本能)に属する欲求です。

"Instinct Part 1"は、実は最初から最後の曲までオンオブお得意のストーリーテリングな構成になっています…"Instinct Part 1"についての記事もありますので、詳しくはこちらからご覧ください。

"Instinct Part 2"について

"skinz"は2022年1月14日にアルバム"Instinct Part2"のタイトル曲として公開されました。

[MV] OnlyOneOf (온리원오브) 'skinz'ーOfficial Youtubeより

トラックは以下の通りです。
1.Under the__  
2. skinz
3. la nausee  
4. suit dance
5. gaslighting
6. snapchat  
7. ultimate bliss
8. undergrOund idOl #O  
9. re-bidO

また、OnlyOneOfのPDであるJaden Jeong氏はパート1公開後、ソウル新聞の単独インタビューで以下のように答えていました。以下は記事の引用と筆者による日本語訳です。

-‘파트1’에 이어 ‘파트2’에서도 본능 콘셉트가 이어지는지 살짝 스포해주실 수 있나요.

「パート1に続くパート2でも本能コンセプトが繋がっていくのかどうか、ちょっとスポしてくださいますか。」

“저희는 앨범 작업을 미리 끝내놓는 편입니다. ‘파트2’의 콘셉트는 ‘극락’(Ultimate Bliss)으로 이어집니다.

「私たちはもうアルバム作業をほとんど終えています。パート2のコンセプトは極楽(Ultimate Bliss)で繋がっていきます。」

[단독 인터뷰] "온리원오브, 소년의 아름다움 표현.. 파트2는 '극락'" ー서울신문より

タイトル曲はskinzでありながら実は全体のテーマは極楽でした…!ただこのインタビューはカムバ直後のもので、その後全体の構成や予定が変わってしまったため、元からskinzがタイトル曲だったのか、極楽から変更されてskinzになったのかは不明です。

パート1とパート2の対比

本能コンセプトとはいえ、パート1とパート2では何が違うのでしょうか。先ほどご紹介したようにパート1のタイトル曲は"libidO"、パート2は"skinz"でした。MVを見たらよく分かりますが、libidOは明るく幻想的な美しさをみせているのに対し、skinzは白黒や暗い画面が多く、より退廃的な印象があります。そしてパート1では主に"libidO","Instinct"などで生きるためのエネルギーがよく表現されているのに対し、パート2では"skinz","Ultimate Bliss"など、攻撃的であったり死を連想させるような表現が各所に見られます。前回のパート1がフロイトの提唱する理論にもとづいているならばパート2も影響があるはず…と考えた結果、

"Instinct Part 1"=「生の欲動」

"Instinct Part 2"=「死の欲動」

ではないかと思いました。

「死の欲動」について

生の欲動=リビドーですが、死の欲動とは何でしょうか。

死の欲動(デストルドーまたはタナトス)とは、後期のフロイトによって提唱された人間の欲動、衝動です。人間の無意識の内に存在する攻撃性や破壊衝動を指します。厳密にはリビドーと真っ向から対立する概念ではないですが、何かしらの葛藤がある際にはこれらが対になることもあります。

また、この概念の主な後継者としてはラカンなどがあげられます。ただ、これは学者の間で支持する派としない派で真っ二つに分かれており、精神学者でフロイトの娘であるアンナはこの概念を引き継ぎませんでした。現代では「死の欲動」の存在有無のよりも、それが持つ攻撃性や破壊衝動に目が向けられているそうです。*1

最後に

この記事は心理学にもとづいていることを想定した仮説であり、必ずしも正しいとは限りません。もっとたくさんの見方ができると思います。それだけオンオブは魅力が溢れています!そして次回は、主に心理学の観点からパート2の曲についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

訂正・ご意見等ございましたらクリエイターへのお問合せ、またはTwitterアカウントへお願いします。

Twitter:ゆん @Yun_o_o_o


ー参考文献ー
*1「デストルドー」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BC
その他
西園昌久監修『現代フロイト読本1』『〃2』

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