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OnlyOneOf "Instinct Part 1"解説

アートポップ真骨頂、OnlyOneOfの"instinct Part2" 発売前にPart1をまとめたくて作りました!この記事は公式Youtube概要欄の日本語訳+αになります。あの"libidO"をご覧になった方はぜひ見ていってくださいね(^-^)!

libidOについて

「libidO」はアルバム"Instinct Part 1 "のタイトル曲として2021年4月8日に公開されました。

[MV] OnlyOneOf (온리원오브) 'libidO'ーfrom official Youtube

アルバムのトラックリストは以下の通りです。

1.꼼데가르송을 입은 소년 (CD Only)
2. libidO 
3. 느낄 수 없다면 만지면돼 (CD Only)
4. instinct
5. 고난주간 (CD Only)
6. byredO
7. tear Of gOd
8. 너라고 불렀지만 사실은 나 (CD Only)

公式Youtubeの概要欄にある解説から今回のアルバムについて詳しく見ていきます。

アルバムについて

ー公式Youtubeより(日本語訳:ゆん)

※意訳を含みます。

온리원오브의 [Instinct Part. 1]은 한 편의 영화를 보는 것처럼 앨범이 하나의 이야기를 담고 있는 시네마띠크 앨범이다.
  オンリーワンオブの[Instinct Part. 1]は一つの映画を見るように、一つの話が込められているシネマティックなアルバムだ。

アルバム全体で楽しむものなんですね…!では曲を順番に見ていきましょう。

1.コムデギャルソンを着た少年

‘꼼데가르송을 입은 소년’에게 다가온 사랑은 여름날의 열병과도 같다. 아직 어른이 되지 못한 소년의 사랑은 다분히 충동적이며 변덕스럽기만 하다. 마음에 퍼져 나가는 파문과도 같은 피아노 연주로 온리원오브의 시네마띠크 앨범은 시작한다.
  「コムデギャルソンを着た少年」での愛は夏の日の熱病のようでもある。まだ大人になれない少年の愛はかなり衝動的でありながら気まぐれである。心に広がる波紋をピアノで演奏しオンリーワンオブのシネマティックなアルバムが始まる。

コム・デ・ギャルソン…フランス語で「少年のような」という意味。

それに加え、コムデギャルソンを「着た」ということは服ですよね。コムデギャルソンは日本のブランドです。このブランドの特徴についてWikipediaによると、

「…具体的には、白・生成り・茶・グレー・紺・黒の落ち着いた色使いに加え、反面、その色使いに抗して、布地には大胆で微妙なシルエットを与える二面性を持っていた。」「…この二面性は本ブランドの本質でもある。不変なもの/変化するものという相反する要素をひとつひとつのアイテムに持たせ、不変なものはコンサーバティブやトラディショナルとは次元を異にするアイデンティティーであり、変化するものはこのアイデンティティーによる表現としている。」

不変なもの、変化するものの二面性…二面性というと、後にも出てきますがフロイトの理論では相反する概念が重視されています。この少年はその象徴的な存在ともいえると思います。

2.リビドー

待望のリビドー来ました!!

타이틀 곡 ‘libidO’는 프로이트(S. Freud)의 입을 빌어 소년의 충동적인 심리를 노래한다. ‘libidO’라는 마음의 에너지는 현실 세계에서는 입 밖으로 꺼내기 어려운 감추고 숨겨야 하는 감정으로 부정 당하지만 소년에게 ‘libidO’는 억누를수록 커지고 무의식적인 행동에 영향을 끼친다.
  タイトル曲「libidO」はジークムント・フロイトの説を基に少年の衝動的な心理を歌う。「libidO」という心的エネルギーは、現実世界では内密にされるべき感情で否定されがちだが、少年にとって「libidO」は抑制しようとすればするほど大きくなり無意識の内に行動に影響を及ぼす。

ここにあるように、「libidO」はフロイトのリビドー論に基づいています。

リビドーはよく性欲と訳されてしまいがちなのですが、性欲だけではないです。リビドーは人が意識しない領域、つまり無意識から出てくる心のエネルギーです。ただし、フロイトの場合は性衝動が重要な概念なのでほとんど性欲と訳しても良さそうです。

このリビドーについては、今回のアルバムの中で「?」となるであろう最後のトラックに実は秘密が隠されているのでそこまで取っておきます。

3.感じられないなら触れればいい

この曲はCD Onlyで特に解説がないのですが、libidOのコメントが続いています。

매 앨범마다 음악적인 넓이를 실험하고 깊이를 단단하게 다져왔던 온리원오브는 비로 소야 명확해진 음악적 컬러를 보여준다. 특유의 데카당스와 컨템포러리 사운드가 유전자 결합을 하듯 ‘libidO’라는 새로운 소리를 탄생시켰다.
  毎アルバムごとに音楽的な広がりを実験し深みを着実にもたらしたオンリーワンオブはようやく明白になる音楽のカラーをみせる。特有のデカダンス(虚無・退廃的な)とコンテンポラリーサウンドが遺伝子結合をするように「libidO」という新しい曲を誕生させた。

4.本能

‘libidO’의 무의식은 자연스럽게 ‘instinct/본능’으로 이어진다. 시원하게 울려 퍼지는 기타 스트로크 연주가 소년의 맥박을 뛰게 한다. 점점 더 빠르게 빠져드는 사랑에 본능적으로 몸을 내던진다. 그리고 데뷔 앨범부터 온리원오브를 사랑했던 팬들은 데뷔곡 ‘savanna’와 “니가 건넨 립밤”이 연결되는 재미를 찾을 수 있다.
  「libidO」の無意識は「instinct―本能」に通ずる。爽やかに鳴り響くギターストローク演奏が少年の脈拍を打たせる。徐々に早くなり、のめり込んでいく愛へ本能的に身を任せる。そしてデビューアルバムからオンリーワンオブを愛してきたファンは、デビュー曲「savanna」と「君がくれたリップバーム」が繋がっている面白さを見つけることができるだろう。

本能は無意識の領域です。フロイトは、意識から抑圧された感情が無意識へ流れていくと考えました。また、抑圧されたのちにはまた意識に上ってきます。

そしてここでデビュー曲「savanna」との関連が明らかに。詳しくはそれぞれの歌を参照して頂ければと思います。また、別の記事にて"savanna"の日本語訳を公開しました。こちらからどうぞ。

[MV] OnlyOneOf (온리원오브) - "savanna"ー from official Youtube

5.困難週間

またCD Onlyなので解説はなしです…すみません…

6.バイレード

‘byredO’는 ‘libidO’와 거울처럼 서로를 보고 맞닿아 있다. 사랑은 축복의 감정이기도 하면서 잔인하기도 하다. 아무리 좋은 향도 너무 많이 뿌리면 지독해지는 것처럼 사랑도 집착할 수록 점점 더 떫어 진다. ‘picassO’와 ‘dOra maar’를 통해 선보인 온리원오브의 시그니처 장르인 art pOp은 ‘byredO’를 통해 점점 진화한다.
  「byredO」は「libidO」と鏡のようにお互いを見つめ合っている。愛は祝福の感情でありながら残酷でもある。どんな良い香りでも深く染み込みすぎれば毒になるように愛も執着するように、徐々に食い違いを起こす。「picassO」と「dOra maar」を通じて披露するオンリーワンオブのシグネチャージャンル、「art pOp」は「byredO」を通じて徐々に進化する。

解説の前半に出てきた、二面性がここで表現されていますね。またこの曲のタイトル「byredO」については、実際にバイレードというブランドがあります。By Redolence(香りが想起させる、思い起こす)という造語が基になっている香水のブランドです。アートポップが「byredO」によって進化する…!聞いたことのない方はぜひ聞いてみてください。(激推しします。)

7.神の涙

‘tear Of gOd’은 충동에 탐닉했던 소년이 신과 대화하는 내용을 담았다. 여자 보컬 키를 전 멤버가 소화해내며 신의 목소리에 닿으려고 하는 노력이 음악으로 표현되었고, 신의 목소리는 신서사이저의 음절로 구현되었다.
  「tear Of gOd」は衝動に耽溺だった少年が神と対話する内容を込めている。女性ボーカルキーをメンバーが消化しながら神の声に触れようとする努力が音楽で表現されており、神の声はシンセサイザー(楽器)の音節で表されている。

恐らくですが、ここでいう「神」はいわゆる「神さま」ではなく、自分の中の「神」です。

無意識の欲動が自分へ向かう過程で自分の中に強烈な超自我を形成することがあります。……ちょっと難しくなってしまったので少しずつ。libidOなどの曲では自分から他者への欲が表現されていました。しかし、その欲は今度自分自身へと向いていきます。その過程で、自分を思い通りにしようとする欲が超自我(簡単にいうと自分の良心)に変化し、自分を制御しようとし始めます。この良心が自己の「神」です。つまりこの曲は自分心の中の神との対話ということになります。ちなみにMVには「Guilty Pleasure」バージョンがありますね。罪悪感に苛まれながらも喜びを感じている、またはその葛藤を表したものだと思います。

8.君と呼んだけど、実は僕

リビドーの解説からお待たせしていた最後のトラックになります。

충동의 서사를 지나온 소년은 앨범의 마지막 트랙을 통해 나지막한 목소리로 고백하며 끝이 난다.

“너라고 불렀지만 사실은 나”   

  衝動の叙事を過ぎた少年はアルバムの最終トラックを通しぎこちない声で告白をして終わる。


 「君と呼んだけど実は僕」

心的エネルギーであるリビドーは無意識の領域から出てくるというお話をしました。もう少しつめていくと、リビドーは巡り巡ったのちに「回帰する」という特徴があります。つまり、リビドーは「」から出てきて「」にたどり着いたけど、「」に戻ってきたんです。これでパート1が見事完結しました。


最後に

長くなりましたが、閲覧して頂きありがとうございました。勉強中なので至らないところがたくさんありますが、オンオブの魅力がより多くの人に伝わるといいなという思いを込めて今回記事を書きました。オンオブ、もっと広まってほしいです切実に。本当に。。そしてパート2が本当に楽しみです。

訂正・ご意見等ございましたらクリエイターへのお問合せ、またはTwitterアカウントへお願いします。

Twitter:ゆん @Yun_o_o_o 


引用:[MV] OnlyOneOf (온리원오브) 'libidO' https://youtu.be/lMW1PICg-Ss 

  :コム・デ・ギャルソン     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3 

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