久しぶりに本を投げて寄越すお客さまにぶち当たってイラッとした


開店と同時に週刊誌コーナーに人だかり。毎日来てずっとずっとずーっと立ち読みしてるおじいちゃん達。
児童書コーナーではすでに鬼ごっこが始まっていて、歓声とも悲鳴ともつかない超音波が響いている。棚が荒れるのはもう諦めているので、ただただ平台に乗るのだけはやめてくれと念を飛ばす。

開店から15分立つと、レジが混み始める。30分経過する頃には行列ができていて、カウンターひとりでは厳しくなってくる。
某口コミにも書かれていた。レジの待ち時間が長すぎる、と。
スタッフが少ないんだよ。ごめんな。
あと、単純に一人ひとりのレジに時間がかかるってのもある。お年寄りが圧倒的に多いからね。

そんなこんなで並んでいたお客さま。長く待たされてイライラしていたのか、レジに来るなり文庫本をカウンターに放ってきた。うっわー、感じわる!
「大変お待たせいたしました。ブックカバーお掛けしましょうか?」
「……」
無視かよ。まあいい。店員も人間だということをご存知ないお客さまも少なくないから、いちいち気にしていては仕事にならない。でも本をぞんざいに扱うことは赦し難い。
今度はお金も放ってきた。勢いありすぎてカルトンの上を跳ね、こちら側に飛んでくる100円玉。
今わたしの手によって紙袋に入れられようとしているその文庫は、我孫子武丸の『殺戮にいたる病』。

へーえ、わたしにそういう態度取るんだ?
いいの?
盛大にネタバラシしちゃうよ??


殺戮にいたる病のネタバラシはこれから読もうとする人に対して最大の罪だと思っているけれど、あまりにイラッとしたので軽率に罪を犯しそうになった。危ないところだったぜ。
踏み留まったわたし偉い!




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