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【福を身につける三つの道】

明治から大正、昭和にかけて活躍した文豪・幸田露伴は、数々の名作を生み出す一方で、よりよき人生をひらくための随筆も書き残しています。

それらを座右に置いてきた碩学・渡部昇一先生は、幸田露伴が説く福を招き寄せる生き方を教えて下さったので、ここで紹介致します。

🍀露伴が記した福を身につける三つの道とは、「惜福」「分福」「植福」です。

運が巡ってきて福に恵まれます。

そこでどうするか。恵まれた福を使い切らず、その福の一部を見えないところを巡っている運にお返しするような気持ちでとっておく。その心掛けが「惜福」です。

「幸運は七度人に訪れる」という諺があります。その一方、自分は非運続き、一度も運に恵まれなかった、と嘆く人がいます。

七度訪れるかどうかは別にして、よくよく見れば、運と全く無縁の人などいるはずがありません。

🌸問題は、微かにでも巡ってきた運を感じ取り、有り難く受け止めることができるかどうかです。

どのようなものであれ、自分に巡ってきた運を感じ取り、感謝する。この心が惜福を心掛け、惜福の工夫をする土台になります。

しかし、これだけでは十分ではありません。自分に来た福を他に及ぼしていく積極性がなければならない、と露伴は述べました。それが分福です。

自分に来た福を自分で使い切らず、いくらかは分けていくという事です。

惜福分福は自分に来た福への対処の問題ですが、福に対して受け身であるだけでは、万全とは言えません。

いつになるかは分からない。どこに行くのかも分からない。だが、いつか誰かに巡っていく福の種を蒔き、幼木を植えておく心掛けと工夫があってこそ、福は万全のものになる、と露伴は言います。
それが植福です。

🍀「福を論じて最も重要なのは植福である」との言葉を露伴は残したのです。

自分に巡ってきた福に対して、対処するだけではなく、未来の誰かの為に福の種を撒く行動を視野に入れて、福を身につける生き方をしたいですね。

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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