心のはなし
自分について考えていくと、私は「心」が生きるうえで重要なものだと感じます。
この記事では「心」をテーマに、思ったことを書こうと思います。
「心」とは何か
「心」というものは広く、抽象的な概念です。目に見えません。
心から連想する言葉を挙げると、気持ち、精神、メンタル、マインド、ハートなどがあります。言葉の例を挙げてみます。
気持ち:自分の気持ちを大切にする、悲しい気持ち、お風呂に入って気持ちがいい
精神:精神科医、精神を鍛える、スカウト精神
(スカウト精神はボーイスカウトで使用される言葉です)
メンタル:メンタルが弱い、メンタルを鍛える、メンタルケア、鋼のメンタル
マインド:マインドフルネス、マインドセット、Don't mind(気にするな)、Mind-1
(Mind-1は当時J2にいた2004年の川崎フロンターレが勝点1へ執着して昇格しよう、という意味を込めて作ったスローガンです)
ハート:熱いハート、ハートが動く、ハートを燃やす
最後に、心:心が動く、心が安らぐ、心を捨てる、心残り、心のケア
言葉によって、「心」がいろいろな使われ方をすることがわかっていただけたらと思います。
私は心には大きく分けて2つの意義があると考えました。「何かを成し遂げるための心」と「自分を幸せにするための心」です(もちろんこれ以外も意義はあると思いますが、心は1つでも、2つの、全く異なる意義を持っているということを主張したいです)。
「何かを成し遂げるための心」は、成果、成長、成功に関わります。意識が高いと言われる心の使い方です。ベクトルが自分の外側にある何かに向いています。心の使い方としては、メンタルトレーニングなどが当てはまります。自己啓発書や指南書、アスリートが心について書いた本は圧倒的にこちらの心についての内容が多いと感じます。
「自分を幸せにするための心」は、主に心身の不調、悩み、人間関係などに対処するための方法が多いです。ベクトルが自分自身に向いています。生きづらさ、自己肯定感、メンタルケアというキーワードはこちらの使い方との関連が強いです。精神科医の方が書いた本はこちらの使い方に関する内容が多いと感じます。
もちろん、どちらの使い方にも当てはまるような心の使い方、心の動きもあります。この2つをきれいにわけることはできません(頑張ってきれいに分けようとするともれなく病むので注意が必要です。笑)。
例えば、夢中、心を整えるというキーワード。これらは、成功のためには有用な概念ですが、自分が苦しみから脱却し、楽しさを得るためにも有用です。
心に関する本の例
具体例として、自分が読んできた心に関する本を挙げ、本で取り上げられる心の使われ方について考えていきたいと思います。
中村憲剛の「こころ」の話
元プロサッカー選手の中村憲剛さんと医者の木村謙介先生がタッグを組んで書かれた著作で、2024年に出版した新しい本です。
第一線で活躍するサッカー選手は、実際に思っているかどうかはともかく、本やインタビューで「心」について意見を述べる機会を与えられたら、心は成功、成長のために使うものと言い、成果を出すための心の使い方を述べ、自分自身の心にはベクトルを向けることはないのだろうと思っていました。一流のアスリートは自分の気持ちは置いといて、ただ目標を達成するために厳しくストイックに努力するんじゃないかと思っていました。
この著作も例外ではなく、試合に勝つためやサッカーがうまくなるためにの心構え、行動が多く書かれております。一方で、この著作で憲剛さんはこのようなことを言っています。
この言葉に限らず、憲剛さんは心を使ってサッカーをすることを心の底から楽しんでいることが感じられる言葉が何回も出てきています。また、サッカーや所属クラブへの愛着が自分を活き活きさせ、成功につながったと述べています。これらは紛れもなく自分のために行っている行動と言えます。そういえば、この本のタイトルには「生きやすくする」という副題がありますね。一見成功のためのアドバイスも、見方を変えれば自分の幸せのためのアドバイスにもなるのです。
どちらの心の使い方も大切!
当たり前のことかもしれないのですが、心を大切にする人は、目標に向かって厳しく自分を律する人でも、自分の素直な気持ちを大切にしているのです。
私が唱えたいのは、メンタルや心に関する本などのアドバイスを参考にするときは「アドバイスは成功、成長のために役に立つか?」という見方と「アドバイスは自分の幸せのために役に立つか?」という二つの見方で見ると良いんじゃないかということです。そして、どちらかの内容しか書いていない本がすべてだと思わないことです。
「何かを成し遂げるための心」の使い方しか書いてない本は多くあります。「成功」をテーマに書かれた本なら、当然と言えば当然です。しかし、このような本の読んで感動し、「この本が人生の全てだ」のような極端な見方をし、情報を鵜呑みにしてしまうことが昔ありました(私だけか?)。すると、心をを自分の幸せのために使う事を忘れてしまい、アンバランスな精神状態になってしまう恐れがあります。決して本や記事が悪いという事ではなく、情報のとらえ方に注意が必要ということです。
逆に、「自分を幸福にする心」の使い方に関する情報ばかり鵜呑みにしてしまうのも、問題を起こす可能性があります。本当は何かを成しとげる能力や可能性があるのに、今の自分を幸せにすることに集中してしまい、快楽に溺れたり、自己中心的になって人に不誠実になったり、挑戦を恐れたりしてしまうと、結果的に不幸を招く可能性もあります。偏った情報に惑わされず、「何かを成し遂げるための心」と「自分を幸せにするための心」の2つの見方で心をバランスよく使ってあげることが重要です。
私は誠実という概念を重要視しています。誠実とは、仕事・趣味・家族や友人など、自分に関わる物事を大切なものだと認識し、向き合う心の姿勢だと考えています。最近、誠実さは、他人や自分の外にある物事だけではなく自分自身に対しても持たなければならないと感じています。自分の心をいたわり、欲望にも耳を傾けて考えることが時には必要です。
おわりに
「心」について、2つの意義、見方というテーマを上げ、書いてみました。もう少しまとまりのある文章にしたかったのですが、これで上げてしまいます。
今後も自分が大切にしている心に関するキーワードをテーマに書いていこうと思いますが、この記事の考えも取り入れられればいいなと思います。
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