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【映画レビュー】Our Idiot Brother(我が家のおバカで愛しいアニキ)

ものすごく出来が良くて感動しまくるとか、何か斬新な事が起こるとかじゃないけど、変人が引っ掻き回す家族のコメディとして楽しく見れた。ベタだけどこういう映画は面白い。

悪気はないけどバカ正直なアニキに振り回される3人の妹たちを描く、家族の話。妹たちはそれぞれ仕事や主婦業などをしていて、パートナーがいて、それぞれの事情がありつつ上手くやっているのだけど、そこへバカ正直なアニキがやってきて引っ掻き回してぶち壊し、しかしまあ最終的には上手く収まるという良くある映画という感じだ。このおバカで面倒なアニキが一応気を使っているつもりだったり、トラブルを呼び込むけど役に立つこともあって、イライラせず笑って楽しめるキャラクターになっているのが良い。まあ、鑑賞者の現在の状況次第で許しがたいイライラを与える可能性も否定できないが……。

私も含めてたぶんほとんどの現代人って、このアニキじゃなくて妹たち側の人間だ。日々いろんな事に追われ、善良で潔白でありたいと思いながらもちょっと良くない事もしてしまう。でも基本的には良い人間で、だからそういう自分の痛いところを突かれると自分はそんなに悪い人間じゃないと腹が立ってしまう。だからアニキに対して怒りをぶつけてしまうのだけど、悪い人間じゃない事はわかっているので最終的には仲直りする。そういう彼女たちにちょっと同情の混じった感情移入をしてしまう。

犬とか子どもとか、大人のごちゃごちゃとは関係ないものたちとの交流もほっこりして良い。

『我が家のおバカで愛しいアニキ』 2.5

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