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【映画レビュー】パディントン2

私はこの映画を、人生の3本には入れない。入れないけど、この映画はめちゃくちゃ面白い。映画の色んな要素が詰まっていて、映画好きほどバカにできない映画だろうなと思わされる。映画『マッシブ・タレント』にて、登場人物の人生の3本にこの映画を含めたくなる気持ちがすごくわかった。

ロンドンで暮らす子グマのパディントンが、事件に巻き込まれ、周りの人たちの力を借りてその解決に挑む物語だ。前作よりもスケールが大きくなっていて、映画らしさが増した続編となった。相変わらず大人も楽しめる子ども向け映画ではあるものの、とにかく映画らしい要素がたくさん詰まっている。
ドラマからの映画化とか映画の続編とか、せっかくスケールアップしたのにかえって面白くなくなる事はよくあるけど、この作品はスケールアップがちゃんと成功している。かなり増えた登場人物も、それぞれ個性的で覚えやすくて、しかもちゃんとストーリーに貢献している。今回の敵役はなんとヒュー・グラントで、さすがの存在感である。
ストーリーも子ども向けの教訓らしいものを失わずに、アクション映画みたいに楽しい。前作のような身近なところで巻き起こるドタバタコメディもありつつ、スケールの大きなアクション映画みたいな大掛かりな事も起こる。子ども向けなのですごくわかりやすいけど、ちゃんとサスペンスの基本を押さえているしっかりしたストーリーである。終盤怒涛のようにそれぞれのキャラクターが特技で貢献するのだけど、ちゃんと伏線を引いていたんだなと感心する。友情とか、家族愛とか、アクションとか、映画の色んな要素を詰め込んでいるけど、ひとつひとつの要素がちゃんと基本を押さえているというか、とにかくちゃんと成立している。

映画の教科書みたいな作品だと思う。これから映画好きになって欲しい子どもに、まずどんな作品を見せるかとなったらこの作品を見せたい。映画の大事な要素が全て詰まった、笑って泣ける作品だった。

『パディントン2』 3.5

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